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ソーシャルビジネスをデザインする   第2回「ライタソンでチャットボット」

株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。

今回は、コードフォーキャットで展開している「ライタソンでチャットボット」という手法をご紹介します。2015年のCivic Tech Forumで生まれたコードフォーキャットは、殺処分ゼロを目指している愛猫団体の活動を支援するために、IT技術を活用した、持続可能な仕組みを開発するために、活動してきました。地域猫情報共有システム「マイにゃんバー制度」、遠隔からうちの猫と遊べ、様子がわかる「NECOLO(ネコロ)」など、いろいろ考えてきましたが、なかなか実現にまでは至りませんでした。

https://code4cat.org/

2017年のCode forJapan Summitで、Code for Americaの人から聞いた、Honolulu Answersを作るときに使った「ライタソン」という手法とLINEの人が自治体に使ってほしいと言ってた「チャットボット」が繋がりました。ライタソンでチャットボット!まさに、ユーレカの瞬間でした。
猫に関する、あらゆる質問疑問に答えてくれるチャットボット、その名も、CatBot(キャットボット)のアイデアが生まれたのです。

ライタソン、やってみよう。
ライタソン(Write-a-Thon)は、Write(書く)と Marathon(マラソン))をかけ合わせた造語です。
同年12月、神戸市で開催された「ネコ市ネコ座」は、自走型保護猫カフェを運営しているネコリパブリック主催のイベントで、2日間で1万人を超える猫好きが集まります。ハンドメイドの猫グッズ販売やトークショー、写真展などたくさんのコンテンツがあり、保護猫活動や猫問題の解決策を楽しみながら知ってもらうキッカケの場になっています。イベントの収益は保護猫活動に当てられます。Code for Catの活動趣旨にも合ったイベントで、猫に関する質問を集めるには最適と考え、ライタソンを実施することにしました。イベントの展示スペースでの実施だったため、ワークショップではなく、ポスターセッションのカタチで行いました。

うちのこ“あるある”(好きなところ、困るところ、おかしなところ)と、からだ、しぐさ、食、病気、つきあい方、災害のカテゴリーで質問を募集したところ、たくさんのあるあると質問を集めることができました。来場者のなかには、誰かの質問に答えてくれる人もいたのですが、質問者が同時に回答者でもあるという構造では、ネットの世界となんら変わりありません。行政や獣医師などの専門家に回答してもらうことによる信頼性の担保が重要であると感じました。

その後、CatBotは、ワークショップ形式のライタソンを経て、2019年2月22日、猫の日に、アルファ版をリリース。リリースイベントで出てきた改善点、愛猫団体、獣医師の方々の評価をもとに、専門家による監修というカタチでのベータ版公開に向けて、開発を進めていることろです。

Code for CAT では、猫以外のテーマや地域にフォーカスしたテーマでもライタソンの依頼も受けるようになり、合同会社ライタソンという組織もつくりました。

・子どもの素朴な疑問に答える親子ボット
・地域を遊びつくすガイドボット
・NPOの運営を支援するボット

なぜ、ライタソンでチャットボットなのか。
ライタソンは、情報を言語化して整理しプロトタイプを作成するプロセスに、サービスを利用するユーザを巻き込めことができ、参加者全員と共通イメージを持つことができます。

・情報は常にメンテナンスやアップデートが必要なもの。
・情報の整理とデータづくりをユーザや専門家など、多くのステイクホルダーと一緒に行うことができる。
・サービスをつくるプロセスに多くの人を巻き込み、フィードバックをもらうと同時に、プロジェクトのファンやサポータになってもらうことができる。

ライタソンを実施する中で、参加者が非常に楽しんで参加してくれているだけでなく、新しい体験を通して学びを得るなど、様々な効果があることも感じています。

我々と一緒に、ライタソンでチャットボット、始めてみませんか?
こんなプロジェクトに向いてると思います。

・「地域情報」チャットボット
・「子育て支援」チャットボット
・「観光ガイド」チャットボット
・「ビエンナーレガイド」チャットボット


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