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ソビデ第5回「シビックプライドからシビックパワーバトル」

株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。

ソーシャルビジネスをデザインする、略して、ソビデ。今回は、シビックパワーバトルのお話です。
シビックパワーバトルとは、オープンデータを活用し、今まで埋もれていた、または知らなかったまちの魅力を発掘し、地域の魅力発信を目的としたイベントで、市民や団体、企業、行政が協力しあうことで、あらたな魅力発信の仕組みづくりに繋げていく。バトル形式を考えたのは、流山市の広報の方とのこと。川崎シビックパワーバトルの本番のときお会いしました。

3つのこだわりがシビックパワーバトル。
・シティプロモーションにつながること。
・オープンデータ活用。
・協働の場(市民、団体、企業、行政)であること。

まず、シティプロモーションですね。
自治体では、まちの魅力を発信するためにさまざまな取り組みを行っており、近年では市民がまちを愛する気持ち(シビックプライド)が、まちの継続的な発展には重要であるとのことです。

そして、オープンデータは、
誰でも入手可能で、再利用、再配布ができるデータのこと。

ベースにはシビックプライドがある。
まちに対する市民の誇りのことですが、周りを巻き込んだり、他の組織と連携したりして、まちを変えていく力になると思います。シビックプライドというよくわからないものを、一緒に見たり、触ったり、食べたり、体験したりしているうちに、シビックプライドってこういうことじゃないのと気づいたり、まちについて語り合ったりできるようになり、自分の関わり方を見つけたり、まちの未来を自分なりに描いたり、実際に行動を始めたりするようになる。シビックパワーバトルは、シビックプライド醸成には、もってこいのプロジェクトであると言えるでしょう。

さて、ここから、川崎シビックパワーバトルの話です。
オープン川崎の小俣さんから川崎シビックパワーバトルやりたいという話を聞き、川崎市民なので、横浜(たまプラーザ)ばかりでなく、川崎の活動もしたいなと思っていたので、すぐに、事務局メンバーになることになりました。

最初の事務局ミーティングで、2つアイデアを出しました。

1つ目は、川崎を南北に分けてバトルするということ。
このアイデアのもとになったのは、2007年に行われた「Run London」。



NakedとAKQAが組んで行ったキャンペーンです。
・NIKEがスポンサー。
・ロンドンを南北に分けて、完走者全員の合計タイムを競う。
・南北をカラー分け、それぞれのWebサイト、Tシャツ、広告、iTuneなど。
・ランニングシューズに埋め込んだRFIDで、リアルタイム表示。
・NIKEショップ店内も南北に分け、店員は、ニュートラルTシャツを着用。
・結果は17秒差で南の勝利。
これ、ほんとに、うまいキャンペーンですよね。いつかやりたいと思っていたのが、シビックパワーバトルというカタチで実現するとは。

2つ目は、クリエイティブインデックス。
リチャード・フロリダの「クリエーティブ資本論」覚えてますか?あの本で紹介された「クリエーティブ・インデックス」をシビックパワーバトルの指標として使えないかと考えました。
リチャード・フロリダが言うところの「クリエーティブクラス」とは、「意義のある新しい形態をつくり出す」仕事に従事していることであるとして、科学者、技術者、大学教授、詩人、小説家、芸術家、エンタテイナー、俳優、デザイナー、建築家、編集者、シンクタンク研究員、アナリスト、オピニオン・リーダーなどあげられています。彼らは、一つの組織で出世を目指すのではなく、自分のやりたいことを求めて水平方向に会社から会社へと移動するのが特徴で、金銭だけでなく、やりがいを第一に考えて仕事を選択します。オフィス環境も、カジュアルの服装を許容する多様なドレスコード、開放的なレイアウト、柔軟な勤務時間等々を採用しています。
「川崎クリエーティブ・インデックス」(案)
・人口軸(クリエーティブクラスの人口比率)
・働く環境軸(テレワーク、フリーアクセス、コワーキングスペース数)
・パワー軸(特許件数、売上?)
・スポーツ軸(スポーツクラブ、公園、グランド、体育館などの数)
・カルチャー軸(図書館、美術館などの数)
・意識軸(多様性、寛容性を示す指標となるもの)

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川崎シビックパワーバトルは、毎月1回、勉強会というカタチで集まりました。最初の勉強会では、まず、オープンデータに触れようということで、小俣さんがつくった参考リストをもとに、いろいろ探索してみることに。私自身、実際にオープンデータに触れたのは、これが、初めて。情報デザインもされていて、使いやすいRESASを中心に、ここから、何がわかるんだろうと考えながら、マップやグラフを見ていました。

オープンデータ参考例
川崎市
http://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/51-7-0-0-0-0-0-0-0-0.html
かわさきの今を知る
https://www.tsuna-good.city.kawasaki.jp/current
神奈川県http://www.pref.kanagawa.jp/docs/b8k/cnt/f534212/
RESAS(地域経済分析システム)
https://resas.go.jp/#/13/13101 経済レポート http://www3.keizaireport.com/ 政府統計の総合窓口(e-stat)https://www.e-stat.go.jp/ 統計ダッシュボード
https://dashboard.e-stat.go.jp/
データカタログサイト
http://www.data.go.jp/ My City Forecast あなたのまちの未来予報
https://mycityforecast.net/ 

大々的な募集をする訳でもないので、毎回10名くらいの参加ですが、だんだん、メンバーが固定してきたところで、南北のテーマ設定を行い、グループに分かれて、プレゼンテーション資料を作っていきます。

・北(高津、宮前、多摩、麻生)は、ベッドタウンだと思われてるから、あえて、「働く」をテーマに。
・南(川崎、幸)は、働くエリアだと思われているから、あえて、「暮らす」をテーマに。
・中立(中原)


私が参加する北グループは、「働く」をテーマに、ストーリー化していきました。
・働く>新しい働き方
・遊ぶ>週末リゾート
・交わる>リタイアメントシティ

そして、分担、裏付けとなるオープンデータを探して、プレゼンテーションを組み立てていきます。
北チームに、川崎市のオープンデータ担当の方がいらしたのは、大きかったですね。
こんなデータがほしいというと、すぐに、教えてくれましたので。
そして、2019年2月2日、川崎駅のアトレ4階のコモレビテラスでプレゼンテーション。
北のまとめページがこれ。

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当日、中尾さんがグラレコしてくれたのがコレです。

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今年も川崎シビックパワーバトル、始まっています。
今回は、地域課題解決のためにオープンデータを活用するというカタチになっています。これについて、また、ご報告します。

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