ソビデ第11回「100段階段とまち歩き」
ソーシャルビジネスをデザインする、略して、ソビデ。今回は、100段階段のお話です。100段階段で検索すると、目黒の雅叙園の百段階段が出てきますが、たまプラーザにもあるんです。
株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。
私がこのプロジェクトに関わったのは、2017年7月、横浜市のまち普請の二次提案の前のこと、一次提案は通ったものの、二次提案はハードルが高いということで、
・二次提案をつくるメンバーに入ってほしい。
・まちづくりの要素を強化したい。
・たまコネがやってるシェアカルと連携できないか。
まち普請とは 、
防犯、防災、多世代交流、環境保全など、地域課題を解決したい、地域の魅力をもっと高めたい、という住民の思いを実現するための施設整備に横浜市が支援するもので、あくまでも、ハード整備のための助成金です。
自治会館をつくるとか、公園整備とか、多世代交流施設をつくるといった提案のなかにあって、100段階段プロジェクトは異色でした。
そもそも、100段階段プロジェクトを立ち上げた、中部自治会アセス委員会とは?
もともと美しが丘2-3丁目は、住んでいる人たちが集まって、建築協定を自ら作りましょう、と始めた地域。ちゃんと行政が見てくれているか、法律的にはオッケーだけど、近隣に迷惑なことはないかをチェックしています。たとえば、奇抜すぎないか、塀が高すぎないか、隣家のダイニング前に室外機が置かれてないか、雪がどかっと落ちる構造になっていないかといったことなど。新しい家が建つ時には、説明会をお願いしていて、そのたびに立ち会っているとのこと。1年で25軒くらいはあるらしい。
そういう意識のある街なんですね、たまプラーザは。
提案の背景は?
開発から50年が経過し、施設の老朽化が進み管理が行き届かない面が生じるなど、日中は住宅地を歩く人も少なくなっていた。青葉区「健康づくり歩行者ネットワーク事業」の対象地となったことを機に、再び歩行者専用道路に着目したまちづくりが進められるのではとの期待が高まったこと。行政による整備に加えて、市民の力を合わせ、この街で育つ子どもたちにとって、美しが丘が「遊歩道のある街」として記憶に残るようにしたい。
期待される効果は?
・子どもからお年寄りまで多くの人々が利用しやすく歩きやすい道として、より気軽に健康づくりに親しめる空間となる。
・公共空間のリニューアルの先駆的な取り組みとして、公共施設管理のノウハウの蓄積できる。
・多世代交流の活性化、まちづくりの担い手を育成できる環境づくり。
100段階段は、美しが丘の一番低い地点から高い地点までを結ぶ最短経路であり、 丘の街を象徴する階段、美しが丘小学校の通学路でもあります。
100段階段
・標高タイル(街の高低差を測る定規の役目)
・舗装劣化箇所の改善
・階段のカラリング
階段下の整備
・暗くなりがちな空間の改修
・バス待ちのベンチの設置
・まち歩き案内サインマップ
ワークショップ
・たまプラ遺産の選定
・100段階段のデザイン
・カラリング作業
以下、二次提案のポイント。
1)多世代を巻き込んだ、まちぐるみの活動
多世代はもちろん、さまざまなステークホルダーを取り込んだ体制づくりをポイントに。
2)シェアカルまち歩き
遊歩道の認知度アップと利用者数の増加が狙い。
3)まち歩きマップ
まち歩きコース、スポットのマップ化、防災マップなどの取り込みも検討。
整備が終了した100段階段の写真
これが、いまのリビングラボにつながっていると言えますね。
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