お酒を飲まない日常について

 お酒を飲まなくなって3年ほど経った。3年前の自分と比べると随分と日常が変化した。タバコをやめた人なら理解できると思うのですが、喫煙者には世知辛い昨今の世情では、「いつ、どこでタバコを吸えるかな?」といつも頭の片隅にあって、私見ですがある種ニコチンに行動指針を縛られていると思います(かつて私もタバコを吸っていました)。アルコールも同様で、「今夜は家で飲もうかな?飲むならビールかな?いやいやレモンサワーか?あ、後輩連れて気になるあの店に行ってみようかな?」とタバコのニコチン同様、お酒のアルコールに行動指針を縛られていました。

 それが、今は頭からスッポリ抜け落ちたんですよね。アルコールに行動を縛られなくなった。ただ、いきなりそうなった訳じゃなくて自分なりに振り返ってみると段階的に今の状態に落ち着きました。具体的には以下の3段階がありました。

  1. 代替手段の模索

  2. 他の物への依存

  3. フラットな状態

1.代替手段の模索

 ごく初期の段階です。お酒が飲めないのでお酒の代替品を探すんですよね。今の時代は幸か不幸かノンアルコールビールがあります。なので、ビールの代わりにノンアルコールビールを飲むという習慣に一旦落ち着きました。飲み会ではノンアルコールビールを頼む、家では夕食後の晩酌にノンアルコールビールという感じ。3年前も各メーカーから新製品がどんどん出ていたので、片っ端から試してどれが1番おいしいか?とノンアルコールビールの探求の日々でした。

 これって結局飲酒習慣からは脱却できていないんですよね。生活リズムが変わっていない。ビールがノンアルコールビールに代わっただけで、確かにアルコールは飲んでいないけど、精神的にアルコールから脱却できていない状態でした。

 この時期の終焉となるきっかけは「ノンアルコールビールが美味しくない」でした。最近の物は飲んだことがないのでわかりませんが、結局飲み物として美味しくないんですよね。ジンジャーエールの方が美味いじゃんってことで、飲み会ではジンジャーエール、夕食後の晩酌の時間は無くなりました。これで一旦飲酒習慣からの脱却はできました。

2.他の物への依存

 お酒を飲まなくなった人に起こりがちですが、無性に「甘いもの」が食べたくなります。私はかなりの酒飲み(1日にビール最低2リットル)だったので、酒飲みにありがちな甘いものはほとんど食べない人でした。それが、急に「甘いもの」がメチャクチャ食べたくなるんですよね。医学的にはお酒を飲んだ時にドーパミンが出ますが、飲まなくなったことによって「甘いもの」を食べた時に出るドーパミンに依存するらしいです。
 
 これは自分でも驚きました。私は3人家族ですが、私はケーキを食べないからケーキを買うときは2つしか買わないのがルールでした。それが、ケーキもドーナツもパフェも食べたい!となったので自分でも驚きました。美味しいケーキ屋を調べたり、コンビニスイーツを手当たり次第に試したりとスイーツ男子まっしぐらでした。スイーツの道は奥深いですよね、新しい商品は次々出てくるし、トレンドもあるし、お店もどんどん変わるし。

 この時期の終焉となるきっかけは「太る」でした。いやー、甘いものを食べすぎて15kg太りました。これはいかんと食生活を見直すことで「甘いもの」への依存を断ち切りました。具体的にはチートデイを作ってその日以外は食べないルールで、運動もしてダイエットに励み10kg戻しました。

3.フラットな状態

 2.の状態でアルコールからはかなり脱却はしていますが、それを超えるとアルコールが他人事になりました。子供の頃に思っていた「ビールって苦いのかな」くらいの気持ちです。それはちょっと言い過ぎかな。テレビでカニ味噌とかを食べている映像を見ると「あれと一緒に日本酒を飲んだら美味いだろうなー」とは思いますが、あくまで思うだけ。お酒を飲んでいる人(過去の自分も含む)はそうするだろうなーという感じです。ストレス解消の手段としては、間違いなく頭に思い浮かばなくなりました。
 
 禁煙した人は過剰に煙を嫌がったりしますが、アルコールに対しては嫌悪感はなく、本当に他人事ですね。フラット。自分が飲んでいたとは今となっては信じられないくらいです。逆にかわいい後輩の結婚式に呼ばれたら、最初の乾杯の一杯くらいは飲んでもいいかなとさえ思っています(実現はしていませんが)。その一杯がスリップの原因になると言われかねませんが、今の精神状態だと大丈夫だろうなーと思っています。

 上記の過程を経て得られたアルコールに行動指針を縛られない、お酒を飲まない日常は私にとって心地良く感じています。映画「プリティ・ウーマン」でリチャード・ギアが言っていたセリフ「酒がない人生も悪くない」って感じです。本当に。1番変わったのは本をたくさん読むようになったこと。学生の頃はよく読んでましたが、お酒を飲むと活字が頭に入ってこないんでよね。何より飲んでいた分の時間がマルっと空いたので読書ライフを楽しんでいます。

 私のお酒を飲まない日常の話でした。

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