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BRXがもたらすNFT2.0の可能性

はじめに

恐らくここに辿りついたほとんどの方は、仮想通貨やNFTに興味があり、積極的に情報を収集している方々ではないでしょうか。
私は普段執筆活動をしていませんが、ご縁がありBRXのDiscordにおいて日本語チャンネルで翻訳者としての役割をいただいたので、自分なりにBRXの魅力についてお伝えしようと思います。

BRXとは

まずはじめに、Project BRXについてご紹介します。
Project BRXとは、もともとWeb2においてBreathonicsという名称でiOSアプリをリリースしていた会社が成功をおさめ、Web3に進出するために用いた名称で、BRXとはBreathing Revolutionのことで、ダンスダンス・レボリューションから着想を得たネーミングです。

もともと音楽と呼吸・瞑想をエクササイズとして取り入れ、何度もプレイしたくなるようなゲームを開発してきたBreathonicsはスポーツ選手や芸能人ら著名人ともコラボし、魅力的なコンテンツをリリースして多くのファンを獲得してきました。

創業者であるThe Lineは、Web3業界でマインドフルネスが広く受け入れられており、健康志向が高いことに感銘を受け、Web3でもBreathonicsで培ったサービスが受け入れられることを確信しました。

さらには、Web2の世界にいる人々もNFTを用いることでWeb3へ来られるよう橋渡しの役割を担えないか考えるのです。
以下に、The Line氏の体験を元にしたBRX設立経緯を引用します。

私がショックを受けたのは、人々が精神衛生やフィットネスについてオープンであったことです。どのDiscordにもメンタルヘルスのチャンネルがあって、みんな瞑想をしていました。これには本当に驚かされました。身分を明かさずにいるのが心を開いて自分らしくいられる状況だったのか分からないですが、精神科医の前に座っていると、自分らしさを十分に発揮できないことがありますから。それなのに、非公開のフォーラムで友人たちと気軽に身分を隠した状態で仲良くしているわけです。これは素晴らしいことだと思いました。
BRXサーバーAMA日本語訳より https://breathonics.gitbook.io/project-brx-faq/ama/ama-japan

Web3における巨大VC、Animoca Brandsによる出資

香港系のNFTプロジェクトはThe Sandboxを皮切りに、2021年ごろから急速に発展してきました。2022年は仮想通貨全体が暴落していた局面にもかかわらず、MemelandのThe PotatozはNFT市場において継続してトレンド上位に留まり活発な取引が行われていました。2023年になるとThe Potatoz所持者は後発シリーズThe Captainzの獲得に参加できました。次々に新しい要素が加えられ、その勢いは2023年も留まるところを知りません。更に同じく2023年現在、KeungzのThe Kubzが好調な滑り出しを行い、市場参加者らは最新の動向に注目しています。執筆時点ではBTCチェーンのNFTであるOrdinalsの流行にあわせ、Ordinal Kubzのリリースがありました。

Yogapetz Resortエコシステムの一部にBRXが存在する(左から2番目)


これらのプロジェクトはすべて、香港を拠点とするAnimoca Brandsが出資者となり、資金面や人的資源において支援をしています。

Project BRXもAnimoca Brandsから出資を受け、もともとBreathonicsが持つコンテンツの魅力を生かしながら、NFTに興味があるWeb3業界の市場参加者にリーチするゲームを2022年9月から開発してきました。

コンテンツを更に強力にするパートナーシップ

Yogapetz
Mocaverse
OliveX
The Potatoz

リストするとそれなりの数になりますが、The Line氏はパートナーシップを結んでいるプロジェクトとの関係性について、このように説明しています。

たとえば、私たちのパートナーの 1 つは Yoga Petz ですが、これは交互のホワイトリスト交換以上の提携関係があります。 Yoga Petz 製品内に BRX アイランドのようなものがあり、Yoga Petz には BRX アプリ内にコースがあります。それが、これらのパートナーシップとの統合の深さです。
私たちは、Yoga Petz エコシステムの島に価値があることを確認したいと考えています。したがって、Yoga Petz を持っていれば、すべてのツールにアクセスできます。 BRXを保持していればYoga Petzの世界に飛び込めます。
私たちのアプリには、Yoga Petz コースがあります。Yoga PetzでBRXのゲームが行われます。私たちは、協力しているすべての人のために、パートナーシップがうまく機能することを確認したいと考えています。私たちは Mocaverse と深く長期的な関係を築いています。Binary は Do Good Realm の一部になります。これは、Mocaverse チケットを持っている人なら誰でも私たちのエコシステムに参加できることを意味します。

ほかにも、「まるでディズニーランドのように、相互に行き来できる世界を構築するというアイデアがある」とも述べていました。これはまさしく一種のメタバースであり、BRXが提供するコンテンツを没入感をもって楽しめる趣向が凝らされていると考えられます。

練り上げられたストーリー、Zerocorpとの戦い

BRXには他にも近未来をベースに、ダークな世界観を持つストーリーが設定されています。
The BinaryというZerocorp社のAIは、同社が持つ人類の超膨大なデータベースにアクセスしていたことにより、今後人類が歩むであろう未来を悟り、Zerocorp社に戦いを挑むことになります。詳しくは別のNoteに記載しますが、マインドフルネスに利用する8つのシンボルについての説明があり、興味深い内容なのでぜひご一読ください。

BRXのNFTユーティリティー

BRXがリリースするDEXというNFTには、NFTの新たな潮流を作り出すという目的をもっており、NFT2.0プロジェクトと呼称しています。

PFP疲れ、ミント疲れ

現状、NFT市場にはプロフィールピクチャーとしてのアートワークがあふれています。多くのプロジェクトがジェネラティブコレクションとしてアートワークにバリエーションを持たせ、ホルダーが唯一無二のアートワークを手に入れて自身のPFPとするユーティリティーを持たせていますが、何せ数が多いので疲れている人も多いのではないでしょうか。
NFTとして価値が上がりそうなプロジェクトをTwitter上でインフルエンサーが紹介しているのを探し、アカウントをフォローし、ディスコードに参加してミント権獲得のために積極的に発言したり・・・
苦労してミント権を獲得したとしても、思ったよりコミュニティの期待が高まらずオープンシーの二次流通でミント時の価格以下で販売されていたり・・・
そこでBRXプロジェクトチームが考えたのは、自分のお気に入りのNFTをPFPとして、額縁のように飾れるNFTを作ってはどうか、ということでした。

現実世界で使えるデバイス

さらには、マインドフルネスセッションで呼吸や心拍をとらえるウォッチ型デバイスとしての構想もあり、これを額縁としてお気に入りのPFP、たとえばClone Xなどをお持ちであればそれを画面に設定することもできます。
Digital Expression Device(デジタル自己表現デバイス)=DEXと呼称されています。
デジタル世界における自分のアイデンティティを示すPFPを表示するデバイスということですね。
つまりIRL(In Real-Life)イベントで声をかけてもらったり、同じくDEXを持つ仲間と一緒にヨガレッスンを受けている最中にPFPを褒めてもらったりする機会を想定しているということです。
DEXをミントすることにより、数週間後にアプリを通じてDEXを表示し、PFPを設定できるようになる予定とのことです。

Digital Expression Deviceの仕様(開発中)

さいごに

いかがだったでしょうか。最後にBRXとBRXを取り巻く環境と、僭越ながら今後の展望について私見を述べたいと思います。

仮想通貨のハブは香港に戻りつつある

ここでマクロな政治経済の話を持ち出すのですが、アメリカではSECが仮想通貨に対する規制を強める動きを見せており、米国人は主要な取引所が使えなかったり、取引所側も取引を停止せざるを得なくなっています。FTXの破綻がもたらした余波ともいえるのですが、仮想通貨取引所の屋台骨として業界をささえてきたシルバーゲート銀行の取引停止など、アメリカ国内は仮想通貨に対する逆風が吹き荒れています。
そのため、主要な拠点はほとんど全てアメリカを脱出し、香港に再集結しているという話も聞きます。2023年の日本国内はWeb3元年ともいえる年になると思いますが、グローバルでは香港がWeb3の中心となる状況が続くと筆者は見ています。


日本のIP、NFTプロジェクトとシナジーを発揮

Animoca Brandsが日本に拠点を作り、11億円を資金調達したことが昨年話題になりました。BRXが日本の魅力的なIPと提携を組んで、それこそパートナーシップが締結されるようなことがあれば、日本のNFT市場はさらに活気づくでしょう。NFTの価格の変更に一喜一憂し、画面に張り付いてチャートの値動きを追っているのではなく、心身をマインドフルネスで活性化し、私生活を充実させることができることを私自身願っています。

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