やっぱり生で見るエンタメは最高だ
およそ1ヶ月ほど前、舞台「有頂天家族」を観劇してきました。
演劇を見るのは今年で2回目でしたが、原作小説の独特な語り口調や奇想天外な登場人物・展開が見事に舞台上に凝縮された素晴らしい作品でした。
個人的に印象に残ったのは弁天を演じた若月佑美さん。実は私、学生時代に乃木坂46の追っかけをやっていた身分。しかも若月さんに関しては応援タオルを買うくらい推していた方なので、ぶっちゃけ今回は若月さん目当てで行ったのですが、天狗とも人間とも言えない狭間の存在のような異質感。人智を超えた能力を持つ恐ろしい存在なのに気づけば虜にしてしまう弁天の魅力が語らずとも伝わる名演でした。
他にも特撮オタクにお馴染みの龍臣プロこと濱田龍臣さんの演技は圧巻。愛すべき主人公矢三郎の顔と語り部としての滑らかな口調によってスムーズに舞台の世界に入り込むことができました。
さて、今年2回目の舞台鑑賞を通じて思ったことが一つ。
それは舞台が終わった直後に感じた、身体の内側から湧き上がるエネルギーのようなもの。これは前回も全く同じ感覚をしたのを覚えています。
作品や役者さんを応援するつもりで行ったのに、気づけばこちら側が応援され、元気をもらったような気がしました。
ここ最近、演劇を見るようになって思い返したのですが、僕が愛するサッカーやプロレスなどのスポーツや、ドラマや映画などの各種エンタメを見たときも同じ感覚を無意識に感じていたのではないかなと。勿論、「なんだこれ!??」と思いたくなるような作品や、「こんなクソ試合して応援できるか!!」となるような試合を見せられれば別ですが、見終わった後には「ああ、いい作品(試合)だったな。明日からまた頑張ろう。」と思わせてくれるのが生でエンタメをみる醍醐味の一つではないのでしょうか。
少し話は逸れますが、最近では映画やドラマなどの映像系エンタメはサブスクなどの配信媒体で見るのが珍しくありません。ですが、テレビドラマやYouTube等の生配信中には関連ワードがトレンドに上がるのは日常的な光景ですし、所謂「リアタイ」が未だ大きな需要があるのは事実でしょう。おそらくですが、「リアタイで見てネットで盛り上がりたい」という需要の他に、「画面の中にいる人たちが生きている瞬間を生で見たい」という願望が潜在的にあるような気がします。
よく「同じ空気を吸う」という表現を耳にしますが、空気だけでなく、その舞台に立つ演者さんや選手からエネルギーを貰う。受け手が逆に応援してもらったような錯覚になる。否、作品から応援を受ける。それこそがエンタメを生で見る最高の魅力だと感じた。そんな観劇体験でした。