サクラウツギが祝ってくれた〜都市緑化を語れ〜
目指せスーパースター。蕎麦宗です。
16周年(2021.5.9)を迎えて始めてサクラウツギが咲いた。【花・花・花…。ビアリッツカフェより頂いた】という記事に書いたように、蕎麦宗の庭はこの季節になると花に包まれる。
《街に緑を》
というテーマが開業当時より建築やランドスケープにも興味がある自分自身にあり、その自己表現の一つとして『庭』に語らせたいという想いでいたからで、コンクリートや新建材で固められて都市砂漠化する街に潤いを与えるには緑、つまり植物を大切にすべき、という考えだ。
多くの争いの絶えない地域は砂漠地帯が多い。それは緑豊かな場所に何百万年もの長いこと住んでいた人類にとって、砂漠化が心の安寧を奪うからという説がある。実際、都会に出た田舎者でコンクリートジャングルに囲まれた生活に心荒んで行く経験をした方もいるかも知れない。
もちろん最近でこそ都市公園も増え、東京などでは緑多い魅力的な街も増えた。そしてまぁ住めば都。誰と住むのかとかどんな生活するのか!にもよるので住んだら住んだでそれは楽しいかもしれないが…おっと脱線。
都市の砂漠化を止め、緑豊かな中で暮らすことで心の潤いを取り戻さんと、大それた大義名分を抱えて植えた蕎麦宗の前庭は、確かにその役目を全うしていて、それは通りすがる人達の反応で確固たる自信を得た。
また、蕎麦宗の開店ののち何年かして追随するかのように街のそちこちにも小さな前庭が増えた。実際に参考にしたいと聞きに来てくれた方が何人もいた。喜ばしいことです。
残念ながらそれらを行政課題として取り組めるほどに日本の街(特に地方の都市部)には土地がなく、致し方なく個々人の努力に頼るしかない。歴史的にもそうで、江戸の裏路地の朝顔や萩の水路のカキツバタはそれの一つ。
田んぼの真ん中なら尚のこと、せっかく庭を造れる広さのある一軒家の土地が、全て隙間なくコンクリートで固められてしまうことに心痛むのは、以前【にわか庭師】・【にわか庭師再び】に書いた。手入れは大変だからみんなに強制は出来ないけれど、植木鉢を置くだけでも心地は変わるので《街に緑》を。アドバイスしますよ。
さて、その庭の草木の一つ《サクラウツギ》が、植えてから17年目にして始めて咲いた。まるで16年周年を祝ってくれているようだ。
店をやるということは商売であるのはもちろんだけど、メッセージを包んだ自己表現でもある。小さなお店はそこに意味がある気がするので、さて、また、これからもガンバラナシませう。