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過去の「将来なりたい職業」から考える、キャリア観 価値観や興味を振り返ろう
誰しも幼い頃に「なりたい職業」を夢見た経験があると思います。
私も、
小学生:将棋の棋士
高校生&大学生初期:弁護士
大学生後期:労働基準監督官
と変遷しています。
一見すると、これらの職業に一貫性がないように思われるかもしれませんが、振り返れば、私の中ではすべて方向性として繋がっていました。
今回は、私の過去の「なりたい職業」を振り返りながら、どのようにして現在に至ったのか、その過程で得た「気づき」についてお話しします。
■小学生時代:将棋の棋士に憧れて
小学生の頃、私は将棋が大好きで、棋士になることを夢見ていました。
一手一手に魂を込め、長時間にわたり集中して真剣に戦うプロ棋士の姿は憧れの存在でした。
ただ、自分は、将棋の勝負に勝っていきたいというより、棋士の
「戦略を考える」「先を読むこと」
に惹かれていました。
ある時、祖母から「将棋って何が面白いの?」って聞かれ、
将棋の面白さを熱弁したことがあります。
その時思ったのは、「将棋をする側」より、「将棋の面白さを伝える側」の方が自分には合ってるなということ。
この時のキーワードは「戦略を考える」「先を考える」「相手に面白さを伝える」ってところでしょうか。小学6年生のとき、棋士になるための才能の壁を感じ、次第に別の道を考えるようになりました。
■高校時代:社会や法律への興味から弁護士を夢に
高校生になると、政治・経済の授業で学んだ、社会の構造やシステムに惹かれました。特に社会の仕組みを作っている「法律」は、よくできるなーって思っていました。
法律は
「国家を統治する仕組み」でもあり、
「困っている人を助けること」もでき、
「正義を実現すること」が可能な道具である。
法律の強い「社会的な正しさ」に魅力を感じたのです。
特に弁護士などの法律家は、法律という明確なルールに基づいて、相手の課題を解決する姿勢はかっこいいなと興味を持ちました。人権についても深く考えるようになり、自分もその一端を担いたいと思うようになりました。
「絶対、法律を学びたい」
その一点で、進学する大学は法学部以外考えていませんでした。
大学卒業後にロースクールに進学することも視野に、大学受験を考えていました。このとき、弁護士の夢はまだ持っていました。この時のキーワードは「法律」「社会」「正しさ」です。
■大学時代:労働基準監督官を目指して
大学に入ると、様々な法律の勉強を開始します。
勉強し始めると、「法律、難しい!」というのが率直な感想でした。
「弁護士、自分には合ってないかも」
それをうすうす感じ始めました。
論文を組み立てる技術が乏しく、相手の悩みを聞いたり、うまくコミュニケーションすることも苦手でした。勉強もそこそこに、遊びを重視していたことも原因です。今振り返っても後悔はないですが、もう少し真面目に大学の授業を受ければよかったなと思います(笑)。次第に弁護士の夢は消えていきます。
そして当時、ブラック企業が話題になっていました。
「なんでこんな労働者を蔑ろにする企業が社会にまかり通っているんだ」
「どうして法律はブラック企業から労働者を守ってくれないのか」
そんな怒りに似た感情で、法律の勉強は労働基準法や労働者の権利について、学ぶ方向へ向かいます。ゼミも労働法を専攻してました。
その中で、労働基準監督官という職業に興味を持つようになります。
労働基準監督官は、労働関係の警察官のようなもので、労働環境の改善や違法行為の是正を行う重要な役割を担っています。
ただ、そう志したものの、国家公務員の試験は難しく、大学時代に真面目に勉強しなかった私の学力では到底対処できませんでした。準備も足りず、最終的に労働基準監督官試験すら受験もしませんでした。
この経験を通じて「自分が何を大切にしたいか」を明確にするきっかけになりました。この時のキーワードは「正義」「労働」でしょうか。
■現在:民間企業でのキャリアと筋の通った選択
現在、私は普通の民間企業で働いています。
一見すると、「棋士」「弁護士」「労働基準監督官」とは無関係な道を選んだように見えるかもしれませんが、私の中ではすべての選択に、どこか筋が通っているように思います。
キーワードをまとめると、
「戦略を考える」「先を考える」「相手に面白さを伝える」
「法律」「社会」「正しさ」「正義」「労働」。
このあたりに魅力を感じていて、
そのほかに
「相手との勝ち負けは重要でない」
「相手の課題を解決したい」
「法律やルールの正しさを重視する」
「それを広めて社会を良くする、貢献する」
といった価値観があるということです。
今の職場に就職したのも、この辺の考え方と組織理念が合致したと言えますし、この軸がブレなかったからこそ、現在の職場でも自分の価値観に基づいて仕事をすることができています。
例えば、仕事柄、たくさんの人の前でセミナー講師として話すこともたくさん経験しました。セミナーは緊張もしますし、上手く話せず、つらい経験もありました。でもセミナー前の心意気としては「この制度を広めて面白さを知ってもらうことで、人や社会の役に立ちたい」っていう気持ちでやっていました。
そこに「ただやらされている仕事」の感じは自分には無かったです。
おそらく、過去の自分が形成した価値観にマッチしたから、そんな考え方を持てたんだろうと思います。
■資格勉強の動機も、過去の自分にある
社会人になってから、改めてキャリアを考えたとき、自分に必要だと感じたのは「専門性」でした。過去に弁護士や労働基準監督官を志した経験から、法律や労働環境についての興味がずっと続いており、それに関連する資格を目指し、合格しました。興味や価値観に基づいた資格勉強は、やっぱり情熱が続きます。逆に、私個人的に言えば、簿記や中小企業診断士も少し勉強しましたが、情熱を保てませんでした。あまり面白さがわからなかったんだと思います。資格勉強を通して、学んだことはたくさんありますし、新たな展望を持っています。この辺りはまた別記事でまとめたいと思います。
■過去の自分から、キャリアをどう考えるか。何を大切にするか。
振り返ってみると、小学生から現在に至るまで、私の「なりたい職業」は何度も変わっています。しかし、それは単なる気まぐれではなく、自分の価値観や興味に基づいて方向性を修正してきた結果だと感じています。
キャリアを考える際、完璧な答えや一本道を見つける必要はありません。むしろ、自分の価値観や得意なことを軸にして、その時々で最善の道を選ぶことが大切だと感じます。過去の経験や志した職業は、すべて現在の私を形作る要素となっています。
私の今の人生のテーマは「自分と家族が健康で、穏やかに過ごし、日々人格を磨き、知識と経験を活かし、活動を通して他者に貢献する。」です。
今まで形成された価値観と興味を維持しながら、知識と経験を武器に、キャリアを開いて、他者貢献したいと思います。
最期を迎える時に「振り返って後悔のない人生だった」とつぶやくのが私の夢です。現在、自分が大事にしたいものに「家族」の比重が増えていってますが、自分の「したいこと」は決して諦めていません。
これからも、「自分が何を大切にするのか」を軸にしながら、新しいキャリアの可能性を模索していきたいと思います。
あなたの「なりたい職業」はどのように変化してきましたか。その中で、共通している価値観や大切にしていることは何でしょうか。それを振り返ることで、あなた自身のキャリアの筋が見えてくるかもしれません。