見出し画像

❄❄『アナと雪の女王』(2013)について語りましょうか❄❄

前回に引き続き『アナと雪の女王』について語っていきたいと思います。
今回は,ミュージックナンバーの視点から語っていきます。
※本記事はネタバレを含んでいる可能性があります。映画を見ていない方はお気を付けください。


取り上げるミュージックナンバー

  1. 氷の心

  2. 雪だるまつくろう

  3. 生まれてはじめて

  4. とびら開けて

  5. レット・イット・ゴー~ありのままで~

  6. エピローグ

1,『氷の心』

楽曲を聞いたことが無い人は先に聞いておいてくださいね。

日本語よりも英語で聞いたほうがより作品の求める方向に持っていけそうなので英語での視聴をおすすめしてます。
英語での題名は『Frozen Heart』訳すると氷の心または凍った心となります。
この曲はエルサのことを歌っているように思えますが,実はハンスのことを指しているとも言われています。

Beautiful! Powerful! Dangerous! Cold!
ーーーきれいだ!強いぞ!危険だ!冷たい!

これはエルサにもハンスにも言えることだと思います。

この曲を英語の歌詞を見ながら聞いて気づいた方もいるかもしれませんが,この曲の歌詞の中に『Let it go』という熟語が出てきました。

この映画の中でのテーマでもある「ありのまま」の姿。
この曲の歌詞はエルサのことを歌っていながら自然の姿そのものを歌っているのではないでしょうか。

自然はいつでもありのままの状態で生きています。
きれいで強く,それでいて危険で無慈悲な時もあります。
この曲の中でも自然をコントロールすることは人間にはできないと歌われています。

2,『雪だるまつくろう』

雪だるまつくろうは,部屋にこもりきりのエルサに対して寂しさを感じていたアナが,前のように一緒に遊ぼうと誘うときに歌う歌です。

しかし,エルサはいつもアナを追い返してしまいます。
アナも次第にエルサの部屋の前を通っても,ドアを叩いてエルサを遊びに誘うことはなくなっていきました。

最後は両親が亡くなった後にドアを叩いていました。
しかしあれは,下手すれば何年かぶりのノックだったのでは,,,
この歌は,姉妹が少しずつすれ違っていく様子が表れています。

この歌は,最初はたくさんの楽器を使い,リズムも弾んでいますが,両親がなくなってしまったあたりから,楽器が極端に減り,リズムも刻まれておらず,バラード調になっています。

この変化は,子供のうちは誰かがアナのことを気にかけてくれていたため,アナ自身は孤独を感じずに過ごせていたはずです。

しかし,両親がいなくなってしまったため,不意に孤独を感じてしまったのではないでしょうか。
肉親がエルサしかいない状況で,アナは一人で両親の死から立ち直れないと感じたからこそ,エルサの部屋のドアを叩いたのではないかと思いました。

3,『生まれてはじめて』

ここでは,リプライズも一緒に書いておきます。
以下,上にあるほうを『生まれてはじめて』,下にあるほうを(リプライズ)と表記します。

この2曲は,姉妹の心が決定的になった歌です。
『生まれてはじめて』では,アナはエルサからの愛よりも城の外にある愛を求めています。

日本語版では王族としてのプレッシャーを感じながらも愛を求めるような歌詞ですが,英語版だと等身大の18歳の女の子っていう感じがします。

アナはこの孤独な生活から抜け出して,愛のある楽しい生活が送れることを期待していますが,エルサはずっと一人でいたいと歌っていますよね。

リプライズのほうを聞いて察した人もいると思いますが,『生まれてはじめて』はお互いに「わかってくれよ!!!」ってなっている曲なんですよね。

お互いに我を通したくてしょうがない感じの歌なんです。
前回に書いたと思うのですが,この物語の中のテーマの一つは「真実の愛」についてなんです。

そしてその「真実の愛」とは,”自分よりも相手のことを想うこと”
この曲で姉妹がなぜすれ違っているのかがわかりますね。

4,『とびら開けて』

アナはディズニーでは珍しくヴィランとデュエットを歌っているキャラクターですよね。

アナは心が通い合った心地がして舞い上がっていますが,ハンスはというとアナに合わせているともとれる感じがしますね。

これはメロディーにもしっかり表れていて,アナは舞い上がっているので音程がどんどん上がっていますが,下がっていたり上がっていたりふらふらしている印象です。

ディズニーのデュエットといえば,二人で同じように音程が動くのですが,『とびら開けて』ではハンスのほうがより動いています。

ハンスは最初,アナに合わせて恋愛ごっこをしていますが,本当の狙いは王座であり,アナではないことはこの歌でも表れている感じがしますね。
ここからもハンスが裏切る伏線が見て取れますね。

5,『レット・イット・ゴー』

この曲は英語と日本語でだいぶ歌詞の印象が違うので,今回は英語版を載せておきます。少し歌詞を和訳して引用しながら書きます。

この曲のメロディーはエルサが自分のことを解放する時にどんどん音程が上がっていきます。
しかし,エルサが「まだ完璧でいなくては」と思っている最初の方や強がりを歌っている時は音程が下がっています。

歌詞を見てみると『レット・イット・ゴー』の日本語版では自由への渇望や解放感が歌われている歌詞ですが,英語版だと諦め,「筋書き通りにはなってやらない!!」という,より強いエルサの意思が見えてきます。

それがよく表れているところを挙げていくと,,,

Don't let them in. Don't let them see. Be the good girl you always have to be.
ーーー誰も中に入れてはだめ。誰にも見せてはだめ。いつでもいい子でいなさい。

Conceal, don't feel, don't let them know.
ーーー隠し通して,何も感じずに,誰にも知られないように

これらのことはきっと両親に言われ続けていたんでしょうね,,,
魔法が暴走して国民に知られないようにエルサ自身もこうすることが正しいと思っていたのかもしれません。

Let the storm rage on. The cold never bothered me anyway.
ーーー嵐よ巻き起これ。少しだって寒くはない。

これはエルサ自身への,そして国に対しての呪いともいえるのではないでしょうか。”Let the storm rage on.”はこの歌の中に何度か登場しています。

これを歌った途端に急に風が吹き始める描写もこれからエルサにとっての試練(向かい風)になることを示していると思います。

No right, no wrong, no rules for me. I'm free.
ーーー正解も,間違いも,ルールだってない。私だって自由になれた。

みんなと同じ生き方では合わなかったエルサだからこその言葉ですね。

みんなとは同じにはもうなれないけど,心のどこかでは,ルールも普通もなにもしがらみのない世界でみんなと一緒に生きたいと思っていたかもしれません。

Let it go, let it go. I am one with the wind and sky.
ーーーありのままの私でいる。そして風と空と一緒になる。

ここで,エルサは自然になると歌っていますね。
『氷の心』でも歌われているように自然はいつもありのままです。

エルサはありのままでいることで自分なりに生き方の答えを見つけようとしたのかもしれませんね。

Here I stand. And here I'll stay.
ーーー私はここに立つ。そしてもう国には帰らない。

エルサの意思が最も強く表れている部分はここにあると思います。
そしてここでエルサは自分の城を造ります。

最初はこのシーンが少しちぐはぐに見えました。
なぜなら,お城が嫌で逃げてきたのに雪山であんなに大きな城を造っていたからです。

嫌なところから逃げてきたなら,ふつうはそれに関係ないとこに住むし,見つかりたくないなら小さな建物に隠れるはず。
でもあんな大きな山とほとんど同じ高さの城を造りました。

これを考察しているうちにほのかに気づいたのですが,エルサが感じている解放感の表れであると同時に,エルサが普通ではいられず,国からは逃げられないことの象徴ではないでしょうか。

きっと無意識に造ったものだと思います。
それでも,エルサにとって国という足枷,女王でいることの責任はどこいいても変わらずにのしかかってくるものだったんだと思います。

I'm never going back, the past is in the past.
ーーーもう二度と振り返らない,過去は今の私に関係ないの。

ここで,ティアラを捨てて女王で「あった」ことにします。
今までのことはもう気にせず,好きに生きることを決め込んでいますね。

Let it go, let it go. And I'll rise like the break of dawn.
ーーーありのままで生きるの。そして朝の光のように立ち上がる。

Let it go, let it go. That perfect girl is gone.
ーーーありのままの自分で。あの完璧な女の子はもうどこかへ行ったのよ。

Here I stand. In the light on day.
ーーー私はここに立っている。陽だまりのなかに。

ここではエルサの中の理想が歌われていますね。
映像では光に向かってエルサが歩いていくのですが,地面からエルサに向かってカメラが動いています。

地面の氷にエルサが反射して映っているのですが,そのエルサが歪んでいて,どことなく泣いているようにも見えるんです。

結局はエルサの強がりでもあり,みんなに絶対にばれてはいけない秘密が知られてしまったという絶望感でもあり,ここでなら好きに生きてもいいかもしれないという希望も歌われている曲なんだなと思いました。

6,『エピローグ』


この曲は歌詞はないのですが,姉妹のわだかまりが消えていったということが,よく表れている曲なので入れました。

この曲は,『雪だるまつくろう』と『生まれてはじめて』のメロディーが組み込まれています。これらの曲は上でも書いたように二人のすれ違いソングなんです。

それがオーケストラで壮大に演奏することによって,姉妹がまた仲良しの姉妹に戻ったこと,姉妹が真実の愛を本当の意味で手に入れたことを表しているのかなと思います。

そして映像では,スケートは初めてだから出来っこないよというアナに対して,エルサは絶対できるよと手を引いています。

そのやりとりは山の上で姉妹がしていたやりとりにそっくりです。
立場は逆転していますが,きっとアナもエルサに対してありのままでいることにしたのだと思います。

感想とまとめ

感想

ここまで書いてみて自分でも思っていたのですが,音楽の話になるとどうも熱が入りすぎてしまうなぁと感じました。(これでもかなり削りました…💦)

『アナと雪の女王』はディズニーの中でもすごく好きな作品で,初めて映画館で観たディズニー映画でもあります。

なので思い入れもその分強く,書いていて気づいたらこの文字量になってました…
日本公開10周年を迎えた今でも素晴らしい作品として,人々に愛されている作品なんだなぁと改めて思いました。

グラフィックやサウンドキャストの歌や演技などこの作品にはたくさんの魅力が詰まっています✨
その中でも私は音楽が好きだなぁと思います。

私が音楽を習い続けているのもあるのかもしれませんが,この作品はメロディー,コード,歌詞のどれをとっても完璧で,その3つがしっかりと噛み合っている曲ばかりなので,聴いていて心地がいい曲が沢山あります♪

皆さんの好きな『アナと雪の女王』シリーズの曲はなんですか?
コメントでぜひ教えてください!

まとめ

今回はミュージックナンバーの視点から『アナと雪の女王』を考察していきました。
少しづつ観ていくとこの作品は色々な場所にディテールや小ネタがあってとても面白い作品です。

多分全てのディテールや小ネタを拾い切ることはできないと思いますが,何度も見ていくうちに新しい発見があります!

観たことがある方もぜひもう一度観てみてくださいね!
この考察が参考になれば嬉しいです♪

今後ブログを書いていくには皆さんがサクッと読める文章量にしたいと思っています。
皆さんが読みやすいのはどれくらいの時間で読めるものですか?
ぜひコメントで教えてください🙇‍♀️

ここまで読んでいただき,ありがとうございました!
次回の内容はまだ迷っているのですが,ディズニー映画『ノートルダムの鐘』の考察か,私自身について書こうかなと思います。

次回もぜひ読んで下さると嬉しいです!

いいなと思ったら応援しよう!