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Pauper ブラッドノワール構築例&歴史

はじめに

基本的に自分のため、ついでにいつか興味を持ってくれる人が現れた時のために、現時点の構築例と、そこに至った文脈を残す記事。


構築(基本型)

基本的には、「ルーティング+マッドネス」でテンポ良くアドバンテージを稼ぎながら盤面展開し、盤面制圧もしくは強引なライフの削り切りを目指す。
大まかに言えば「アグロには前者、コントロールには後者」という感じ。

デッキとしてビートダウンのプランに一貫性を持たせるため、盤面に触らない《血管の施し》はメイン不採用としている。カルレなどの《稲妻》は盤面を通す除去としても使えるからこそ強いのであり、このデッキに《血管の施し》を入れるのはカルレに《溶岩の撃ち込み》を入れるのに等しい行為であるという考え。

これによりマッドネス枠がクリーチャーに絞られ、結果的に《拷問生活》が違和感なく入り、《コーの空漁師》《死者の神のお告げ》コンボに近い活躍を見せる。テンポに寄せたデッキでの《拷問生活》はあまり見ないので、そういう意味でも面白いデッキになっている。
また、ディスカード要素に対してマッドネス要素の枚数が控えめになるので、そのあたりの確率が収束して《血》が余る終盤に土地を捨てる選択肢を取りやすいよう、《ラクドスの肉儀場》をフル採用している。

攻めの姿勢を崩すと真価を発揮しないカードが多く、その暴力性というか、一本気な感じも、デッキやカードが自我を持ってプレイヤーに主張しているようで、このデッキの個人的に好ましい部分だ。

構築(バーン寄せ)

攻めの姿勢を更に強めて、バーン方面に寄せた構築。基本型と黒単バーンの中間的な形になっている。
瞬間的なマナ加速の価値が高い(特に《夜の衝突》のFBは赤マナ捻出の都合もあり噛み合う)こと、盤面を諦めてもよい局面がそれなりにあることから、《命取りの論争》を投入し、マナベースもそれ前提となっている。

個人的に、《魂の刈り取り》の単価が黒単バーンよりも高いデッキであると考えている。マナが伸びやすい&ブロッカー排除の価値が高いため。 

攻めの速度に寄せるために《ゴルゴンの世捨て》が抜けて《血管の施し》が入った都合で、クリーチャーしか捨てられない《拷問生活》も抜けている。ここは少し悩んでいて、《ゴルゴンの世捨て》は数枚復帰させてもいいかも?と悩んでいるところ。主軸と若干逸れるとはいえ、単純なカードパワーの高さは俺が一番知っている。諦めるにはまだ早い。

サイドは《汚染された地》だけ怪しい。主に対コントロール系の枠であり、実際それなりに活躍しているカードではある。しかし「初手からある(上ブレ)なら強い」「中盤以降は弱い」カードであり、「上ブレしても勝てるかどうか怪しいコントロール相手に、上ブレ前提なら勝てるように」という思いから採用している節があるので、コントロール相手とのパワーバランスの塩梅を今後も測っていく中で最適解が見えてくるものと思われる。上ブレ期待せずとも勝ちを目指せるなら、《押し寄せる砂》なり、もっと他のアプローチ(例えば《強迫》や《虚無の呪文爆弾》など)を考えたいところ。

※《押し寄せる砂》はコミュニケーションも使い切りだが、《汚染された地》は毎ターン喋るチャンスが生まれるので、そこの楽しさ(成功体験)から過大評価をしてしまっているかもしれない。

基本型と比べてかなり息切れしやすいが、後述する「UR・ジェスカイ・ドレッジなどに勝ちうるため」という目的はしっかり達成できており、現環境におけるブラッドノワールの最適解はこちらかなと考えている。

構築(拷問寄せ)

特に理由はなく、単に《拷問生活》をガン攻めデッキで使える楽しさから考えた一つの型。《拷問生活》との噛み合いが良い《カザド=ドゥームのトロール》を採用し、マナベースもそれ前提になっている。

まだ一人回ししかしていない段階のため、評価はあまりできない。感覚的に言えば、アグロ耐性が落ちて中長期戦に強くなった気はするが、昨今の強力な青系コントロールデッキに対抗しうるほどの強さかというと怪しい気はしている。

デッキ構築に至った文脈

今回紹介する3タイプのそれぞれについて。

基本型

自分は、マッドネスバーン構築時の愛着や、単純なテンポ嗜好もあり、「マッドネス」と書かれたカードに対するアンテナは敏感だ。また《アスフォデルの灰色商人》が好きで、黒の複数シンボルなカードも気にして生きている。

そんな前提がありつつ、《トレイリアの恐怖》が環境入りして暴れ出した頃、元々暴れていた《僧院の速槍》も含めて割と相性良さそうなカードとして、《ゴルゴンの世捨て》を発見し着目。
マッドネス前提なら2マナでアドを稼ぎつつ瞬速接死ブロックをしに行き、《トレイリアの恐怖》(護法支払い不要!)や《僧院の速槍》を処理しつつ、《殺し》も《苦悶のねじれ》も《稲妻》も耐える。結果的な実績を踏まえた上でも、この目論見は正しかった。
※なおテラーに関して、当時は《謎めいた海蛇》がおらず、基本青黒型だったからこその話ではある。青単には《断絶》で対処され、結構テンポ取られてしまう。

このカードを活かす構築をゼロから考えた際、《屑鉄造りの雑種犬》が《トレイリアの恐怖》と一緒に環境入りしている事に気付き、ほぼ黒単でもマッドネスが組めるようになったのでは?と考えて構築したのがこの形。ダブルシンボルの都合でほぼ黒単になるので、Tier上位の《紅蓮破》《水流破》の諍いに巻き込まれないのも良好。

ついでに、《ぬめるボーグル》に対しても先制攻撃無視の瞬速ブロッカーとして立ちはだかったり、《ギルドパクトの守護者》でも止まらないアタッカーとして機能したり、《虹色の断片》を無視してゲートのアタッカーを処理したり、所謂わからん殺しもありつつ、《ゴルゴンの世捨て》はこのデッキの盛り上げ担当&アイデンティティとなった。

※なお、これだけのバリューがある彼が過去あまり着目されなかったのは、元々Pauperのデカブツといえば《グルマグのアンコウ》であり彼の接死が効かなかったこともありつつ、最も大きい理由として《吸血鬼の口づけ》《台所のインプ》《屑鉄造りの雑種犬》という相方がいなかったことが原因であろうと考えている。その意味で、ブラッドバーン以外にもこれらがもたらした可能性の一つに手をかけることができたことに、少なからず誇りを持っている。

デッキ単位で見ても、ゴルゴンが効きづらいグリクシス親和相手には《台所のインプ》が強かったりと、当時のメジャーなデッキ群に対して戦えると言ってよいだけの武器を携えており、ギリギリ勝ち越し程度のラインを保ちながら1年以上楽しく調整し続けて来た。今もしている。

バーン型

昨今、《無謀なる衝動》抜きカルドーサレッド・きらきら親和を筆頭とした「極端に前のめりなデッキ」や、ジェスカイブリンク・URコントロール・カルニブラックを筆頭とした「極端に後ろ向きなデッキ」、強力なコンボであるリアニメイトなど、フェアに細かいやり取りをするミッドレンジ帯のデッキよりも両極端なデッキが目立ってきた。これにより、フェアなデッキに強く極端なデッキに弱い初期型では限界を感じることが多くなった。

「じゃあ他を握れよ」という話ではあるのだが、どうにかブラッドノワールで遊び続ける道を探りたかった。正直ここは意地と愛着。

その課題を突破しうる手段を模索し、「押し付け勝負に向けたキルターン向上」兼「除去コントロールに対するフィニッシュ手段」として、《血管の施し》や《夜の衝突》を採用したバーン型を試作した。

拷問型

これは特に文脈は無い。
単に新たな可能性として、初期型の中でも強いプランの一つだった《拷問生活》プランに寄せた型も考えておきたくなったので作ってみただけ。

ブラッドバーンのように放っておいても進化するアーキタイプでもないので、自分でアイデアを出して形にしておくことが、今後のメタゲーム変化や新カード追加に向けた礎となる。

おわり

閉廷!解散解散!

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