アートカード構築について
■はじめに
今回、恐れ多くもこのド人気フォーマットの紹介をさせていただく上で、おそらく「オメー誰だよ」という方からもたくさん見られることになるだろうと思います。
なので、まずは自己紹介から。
OONSです。某PauperMTGにて、YouTube動画に出たりコラム書いてたりします。普段はPauperばっかりやっているのですが、特殊構築好きが高じて友人の誘いに乗っかる形でアートカード構築にも手を出しちゃいました。アンコモン以上のレアリティのカードが大量に入ったデッキを触るのは久しぶりです。
今回はそのフォーマット紹介をさせていただきます。
■ルール定義
まずはフォーマットの定義から。
アートカード構築に勧誘してきた友人とともに、以下の構築ルールを定めました。
…なんでルールを"定めて"いるのかって?
全然誰もやってなくて定まってねえからだよ!!!
・「アートカード」もしくは「イラストコレクション」として収録された(以降"アートカード収録"と表現)カードのみ使用可能。ローテーションは無し。
※つまり、いわゆる「フルアート」「テキストレス」などと呼ばれる(にも関わらずカード名が表面に印字されている)カードや、JumpStartのテーマ名カード、広告カードなどは対象外。
・両面カードは、表面がアートカード収録されている場合のみ使用可能。裏面がアートカード収録されていない場合は、裏面でプレイすることができず、変身も失敗する。(対象不適正になるわけではなく、ただただ効果や呪文の解決時に変身がなされない)
・今のところは、禁止カードは無し。
・トークンはなんでもいい。プレイヤーの美的感覚に委ねる。
また、プレイ面では暫定的に「サイドボード無しBO1」としています。ここは、ウィッシュボードの是非であったり、ゲームバランスであったり、そのあたり次第で今後調整してもいいかな?とは話しています。
ただし、プールの狭さの都合上、サイドボードに採用する類のカードは限られてくることは想像に難くありません。そのため、サイドボードがメタゲーム問わず割と固まってしまい、それが刺さる特定のアーキタイプが死滅してしまうことを、個人的には危惧しています。
■実際にやってみた
オラッ!宣伝!
■アートカード収録弾と、プールの調べ方
まず、アートカード収録がなされた弾(2022/5/16時点)を紹介します。
・ニューカペナの街角
・神河:輝ける世界
・イニストラード:真紅の契り
・イニストラード:真夜中の狩り
・フォーゴトン・レルム探訪
・ストリクスヘイヴン:魔法学院
・カルドハイム
・ゼンディカーの夜明け
・モダンホライゾン2
・モダンホライゾン
これらに加えて、おそらく今後もアートカードはセットブースターなどに収録され続けると思われますので、それらを全て含むということになります。
次に、それぞれの弾におけるアートカードの調べ方を紹介します。収録弾によって方法が異なります。
①公式のプレビュー記事を参照する
これが一番見やすいです。可能な限りはこちらを推奨します。
マジック:ザ・ギャザリング公式が、各弾におけるアートカードの一覧紹介記事を出しています。
このようなページです。→シェアアアア!
カードと名前の一覧がありますが、マウスを合わせるなら名前をタップするなりすれば、テキストありのカードビューが表示されるようになっています。
そのため、ページ遷移の必要なく、これらの記事ページだけで完結して情報を得られて便利です。
②各ネットショップの検索機能や分類機能を活用する
基本は①と言いつつ、一部の弾では①の記事が作られていません。なんで?
具体的には、以下がそれにあたります。
・イニストラード:真夜中の狩り
・フォーゴトン・レルム探訪
・ゼンディカーの夜明け
この場合、アートカードを検索できる形で陳列してくれているネットショップの機能を活用することになります。
※レルム探訪のみ、テキストカードビューの無い英語ページだけあったりしますが、ネットショップ参照と大差ありません。
特に「どこがいい」というのはありませんが、ぱっと調べて出てきたサイトと調べ方を以下に挙げておきましょう。
・晴れる屋:
詳細検索画面にて、キーワード「アート・カード」、収録弾を選択して検索
※モダンホライゾンのみ「イラスト」にする必要あり
・ジョニーのお店:
収録弾を選択、分類で「イラストコレクション」を選択
・SingleStar:
トップページのフォーマット一覧から「アートカード」を選択し、収録弾を選択
③有料の一覧資料を入手
リアル店舗でもネットショップでも、収録弾ごとにアートカードを1枚ずつ入れたコンプリートセットを販売していることがあります。それを買えば、それが一覧です。
■アーキタイプ候補
自分らも全部組んだわけではないのですが、調べる中で「これいけんじゃね」という案は多々出てきたので、紹介します。
URデルバー
これほんとに特殊構築?
《秘密を掘り下げる者》、《渦まく知識》+フェッチランド、《稲妻》、《ドラゴンの怒りの媒介者》、《濁浪の執政》、《不毛の大地》、全部盛りです。
打ち消しが少し弱い(メジャーどころは《緻密》くらい)ところはありますが、見た目のカードパワーは随一であると言えるでしょう。
ホガーク
ホガークがいます。やったね!
ホガーク以外の重要どころだと、《スカイクレイブの影》《アンデッドの執事》《バザールの交易魔道士》《巧みな軍略》《カーフェルの港》《渦巻く知識》あたりが入ります。
青黒のみでもそれなりに動けますが、上記のようにドローソースが多々入ることや、マナベースに《虹色の眺望》はどうせ採ることを踏まえると、緑を足して《飢餓の潮流、グリスト》や、白を足して《未練残り》なんかを追加しても面白いと思います。
青白コントロール
《冥途灯りの行進》《虹色の終焉》などの単体除去、《滅ぼし》《招待制》《遺棄の風》などの全体除去を用いるコントロールデッキです。フィニッシャーとしては、《放浪皇》《溺神の信奉者、リーア》などが採用できます。
青白カラーは《天界の列柱》《溢れかえる岸辺》が揃っており、土地基盤的には最も強力なカラーリングとなります。ストレスフリーに構築できるでしょう。
「全体除去でリセットして、蓋をする」という王道のコントロールらしい動きを目指すデッキです。
カルスフレンズ
この環境は、速攻のアグロデッキを組むことがプール的に難しく、URデルバーへの対処さえできればプレインズウォーカーはかなり有用であると考えられます。
そのプレインズウォーカーを全力で活用する、《獅子のカルス》を活用したコントロールデッキです。
シナリオの軸になる神話レア枠のプレインズウォーカー はアートカード化されやすいため、色によりますが概ね毎パック追加パーツが手に入ります。
親和
《滞留者の相棒》《エーテル宣誓会のスフィンクス》に加え、ブリッジランド10種もあることから、これもコンセプト候補に入ります。
また、《いざ動け》をブリッジランドと合わせることで、大量の4/4破壊不能クリーチャーを生成するロマンコンボも!《ミミック》なども追加すればさらに上ブレを狙っていけます!
現時点だと、序盤に置けるまともなアーティファクトが全然刷られておらず中々チンタラしたデッキになってしまいますが、今後の期待値は高いデッキと言えるでしょう。
イゼット宝物ドラゴン
《黄金架のドラゴン》《ガラゼス・プリズマリ》《燃え立つ空、軋賜》《ゾーン》《一攫千金》とロマン溢れる並び。
単純に宝物からデカいドラゴンを早出しして殴っても良し、《万象監視》で大量ドローをキメても良し、《弾ける力》や《ウルザの激怒》で本体焼いても良し、《いざ動け》で大量の宝物ビートダウンを決めても良し。ビューティフル…
アブザントークン
《巣のシャンブラー》《ネファリアのグール呼び、ジャダー》《飢餓の潮流、グリスト》《ブレタガルドの守護者、メイヤ》などのトークン生成カードに、《リスの将軍、サワギバ》《霊狩り、ケイヤ》を掛け合わせることで大量の横並びを実現します。
全体強化の枠には《光輝の学部長、シャイル》《リスの君主》《ブレタガルドの守護者、メイヤ》、息切れ防止には《秘密を知るもの、トスキ》《スランの医師、ヨーグモス》、全体除去対策には《無私の象形織り》が良さそうです。
青黒アグロ
《ネファリアのグール呼び、ジャダー》《スカイクレイブの影》《明日の見張り》《幽体の敵対者》《墓所の照光者》などの優秀な軽量クリーチャーを、《コジレックの審問》《骨の破片》《消えゆく希望》などでサポートしながら殴り切ります。
《漆月魁渡》によるアドバンテージ獲得もしやすそうです。
その他、デッキの軸になりえそうなカード
《世界樹》
《儚い存在》+《緻密》《悲嘆》
《時間のねじれ》+《ヴェロマカス・ロアホールド》
《稲妻の骨精霊》
《虹色の橋》
《ネクロゴイフ》
《創造の座、オムナス》
《夜明けの空、猗旺》
《真夜中の空、殉至》
《種族の神、コルヴォーリ》
■何が面白くてやってるの?
"アートカード"の名を冠するだけあって、見栄えは最高です。カードを買うたび、デッキを組むたび、7枚見るたび、ドローするたび、いちいちアガります。
また、価格の安さも魅力の一つ。
概ね1枚10〜30円で買えますし、ただの「セットブースターのハズレ枠」と捉えている人もいるでしょうから、無料で手に入る機会もあるかもしれません。そんな価格で各環境の有名なパワーカードを使って遊べると考えれば、素晴らしいコストパフォーマンスだと思います。
最後に、カードプールの狭さが心地良いとか、調べづらさにやりがいを覚えるとか、視認性の悪さに興奮するとか、そういう不便を楽しむ"侘び寂び"的な魅力に溢れるフォーマットでもあるので、なんとなくそういう感覚がわかる方には楽しみやすいフォーマットであるように思います。
■やりたくなったら…
アートカード構築では、「単純にカードプールが狭いこと」「プール的に単色化によってテンポに偏重させるデッキの構築が難しいこと」により、基本的には2色以上のデッキを組むことが求められます。
そうなると難しいのがマナベースですが、フェッチランドは青白と緑白のみ、基本土地タイプを持つアンタップイン特殊土地(デュアルランド、ショックランド)が無いことから、ほとんどのデッキに《虹色の眺望》が4枚入って来ます。
そして、時々追加されることもあるのですが、時期によっては本当にどこにも在庫が無い(あっても4枚を切っている)ことがあります。
※最近晴れる屋さんに大量追加されたみたいです。
そのため、このフォーマットに興味を持った方がいたら、どんなデッキを組むかを問わず「とりあえず《虹色の眺望》のショップ在庫を調べる」ところから始めるのがよいでしょう。
せっかく頑張ってプールを調べたのに、デッキが永遠に56枚で止まってしまって遊べない…なんてことがありませんよう!glhf!
■おわりに
終わり!閉廷!解散解散
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