雪山の魅力とリスク
今回は雪山に行こうか迷っている方向けに、その魅力とリスク、始める場合に役立つ情報などをお伝えいたします!
1雪山の魅力とは何か?
雪山の魅力はなんといってもとにかく歩くのが楽しいことです!
締まった雪の上をザクザク進めば、木の根っこに躓いたり泥に汚れる思いをすることもありません。
夏なら熱い思いをしてジグザグに登る急登個所もアイゼンとピッケルを使ってうまく登れれば、寒くもなく、汗もあまりかかずに行けます。
私が、初めて雪山の楽しさを知ったのが、6月の慎太郎祭(開山祭)に合わせて登った針ノ木雪渓です。
針ノ木雪渓のあと、本格的に雪山を始めようと山岳総合センターの雪山入門コースを受講しましたが、その後、一緒に登れる人に巡り合えず、しばらくお休みしていました。
そんな中、2年前に、たまたま職場に経験者の方がいて、飯綱山に一緒に登ったとこから再び魅力にはまっています。
2雪山でのリスクと対策
雪崩をはじめ、雪山には、自分ではコントロールできないリスクがあり、どんなに対策しても以下の3つのリスクはゼロに出来ないと感じています。
それを承知で雪山には登っています。
①登山道が消える
多くの人が登っているルートは、トレースといって、先行者の踏み絞められた後が登山道のようになっています。
それをなぞって進んでいれば、スピードは夏山と同じかむしろ早く進めて快適です。
ただ、トレースは雪が降っていなくても風で雪が舞うと、一瞬で消えてしまうリスクもあります。
その後はルートは自分たちで安全なルートを探さないといけなくなるやら、乾いていた舗装路から田んぼの中に入るくらいに歩きづらくなるやらで、ペースが落ちます。
トレースが消えるような、人気がないルートや強風、降雪の日を避けることや、八ヶ岳のように夏道のルートが冬も使える山を選ぶことなどが対策になりますが、登りはトレースの上を快適に進んで、下りの際にトレースが見当たらなくなると、最悪ビバーク(緊急泊)できる準備が必要になると思っています。
②雪の滑りやすさが変化する
気温が低く雪が締まっていると、アイゼンは雪によく刺さり、フラットフィッティングでほぼスリップしません。
一方で、春山など日中気温が上がってくると、アイゼンの裏に雪がくっつきやすくなったり、新雪がズルズル動いて、アイゼンがうまく雪に刺さらなくなります。
私も一度、それで10メートルほど滑落しました。
滑落のリスクがあるルートを上る場合は、行の雪質は登れて、帰りの雪質だと降りれない、前回すんなり通れたルートが次回は滑るということがありますので、様々な雪質でも登って降りられる技術が必要になります。
③雪崩
昨年、赤岳の文三郎尾根という、雪崩の心配はないと言われていたルートを目指した方々の死亡事故がありました。雪崩は雪山に登る以上完全に避けるということはできないのかなと思っています。
一方、雪崩は起きやすい場所が決まっており、過去雪崩が起きていないルートで、かつトレースができている日(先行者が山頂まで登り切っているとき)に登ればかなりの確率で回避できます。
なお、ビーコン(発信機)も対策にはなりますが、雪崩の中から掘り出すのに時間がかかればその間に亡くなってしまうので、万能ではありません。
3雪山を始める前に知っておくべきこと
まとめとして、雪山でのリスクを小さくするには、以下のことは知っておくか、知っている人と登るといいかなと個人的には思っています。
①アイゼンなどの必要な装備
②トレースが無い中での安全なルートを見つけ方・ビバーク方法
③さまざまな雪質でも滑落しない歩き方
④雪崩の起きづらいルート
①~③など雪山全般の知識について、ココヘリ会員の方は、安全登山学校の教科書(雪山編)が漏れなく情報が整理されていて、個人的には最もお気に入りです。
ただし、分量が多く、要点が分かりづらいのと会員でないと見れないのが難点です。
とりあえず、初心者向けの山に登ってみたい場合や、経験者の方と行く場合は、YAMAPの山登り入門「雪山登山の必要装備と注意点」がおすすめです。
④のルートは、書籍ですが「雪崩事故事例集190」を元に雪崩が起きやすいルートや気象条件を避けるのがおすすめです。前日までの気象や積雪、現場の写真、雪崩の基礎知識も載っているため、単に雪崩が起きた場所を知るだけでなく総合的に雪崩を避けることが出来ると思います。
この本が出た後に、赤岳や乗鞍岳のメジャーなルートで雪崩事故が起きているため、万能ではありませんが。
お読みいただきありがとうございました。
ちなみに私は、雪山ソロは、万が一雪崩に合ったときに気づいてすらもらえないなど、リスクが高いので、基本的には複数人で登るようにしています。ということで、平日でも山行メンバーが探せる信州はらぺこ登山部はとてもおすすめです!