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北へ(3)沼田の商店街
普段は目覚ましが鳴ってもしばらく起きないくせに、旅の朝は目覚ましが鳴る前に起きてしまう。まあ、そんなものだろう。
札幌から始発の特急に乗り込む。石狩平野の雪原を駆けていく。
留萌本線が分岐する深川で、列車を降りる。降りしきる雪。職場に向かう人や、学校に向かう高校生が、跨線橋を渡り深川の街へと出ていく。
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やがてホームに現れたのは、雪まみれのディーゼルカー。誕生日にパイ投げをされたような状態。
走り出しても、列車が巻き上げる雪で、景色がほとんど見えない。どこかへ進んでいることだけは、わかる。
恵比島で下車。「明日萌駅」として、朝ドラ「すずらん」の舞台となった駅だ。朝ドラ放映時は大いに賑わったという。
駅の周辺を少し歩いてみる。雪に閉ざされた、無音の世界。自分の足音だけが聞こえる。
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次の列車で、石狩沼田へ向かう。沿線では大きな街だ。
商店街の店舗を3箇所回れば、なんと留萌本線のカードがもらえるとのこと。行き交う除雪車。雪かきをする人々。滑らないように気をつけ、街を歩いていく。
おもちゃ屋さんへ。トミカを買うのは何年ぶりだろう。優しいお母さん。
素敵な外観の本屋さんでは、留萌本線の写真集を購入。
とても寒い。でも、歩いていて、心が温まってくるような街並み。
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やがて目に入ってきたのは、強烈なビジュアルの手書き看板。「呉服店」のようだが、よく分からない。
入店してみる。年代物の商品が並ぶ。百恵ちゃんの学生服ポスター。きんさん・ぎんさんのご長寿毛布・・・。
朝ドラ放映時に走ったSL列車のポスターを売っていたので、購入。おじさんは、看板の字そのままの強烈さだ。声が大きい。
どこから来たんだ?ほう、香川県か!まあ、そこ、ストーブの前座れ。
そして、北海道の歴史を語り続ける。沼田町は、富山で度重なる河川の氾濫に苦しめられた「沼田氏」が開拓した土地なんだとか。
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たまたまリュックに入っていたこんぴらさんのうちわ。せっかくなのでおじさんに贈呈する。おじさんは「出会いだな」と、喜んでくれた。
お目当ての留萌本線カードをゲットし、駅へ戻る。いよいよ、日本海沿岸の留萌、そして増毛へと向かう。