天候に応じた試合の運び方
今回はリクエストのあった天候に応じた試合の運び方について書いていきます。
天候というワードから影響がでることは3つほど思いつきます。
1.雨
2.風
3.太陽
この3つについて深掘りしていきます。
まず、初めに天候は自らの手ではどうすることもできないので、自分たちが合わせる必要があります。
なので、解決策は頭にいれておくだけでミスが起きたときに素早く対処することができるようになります。
■雨
雨と聞いて一番初めに思い付くことは、ミスが増えることです。
その理由は言うまでもく、滑ってしまうからです。
パスキャッチにおいて一番大切なことは、グリップです。
しっかりとグリップをしたいのに、雨でボールが滑ってしまうのでミスの可能性が増えるということです。
〇改善策
雨の日に僕がみんなにする声掛けは、「まずキャッチを意識しよう」です。
この意図としては、パスはキャッチからといわれるほど、キャッチに依存しているからです。
どんなにパスを選択したい場面であっても、良いキャッチができていない場合はパスという選択をするべきではないのです。
良いキャッチをするためにできることがあります。
それは、パスの距離を短くすることです。
これは簡単で単にボールとの直線距離を短くするということです。
こうすると相手との距離が近づくように感じるかもしれませんが、パスのスピードより速く走れる選手はいないため、近づいてもパススピードが上がるため実際には、深くするより相手からプレッシャーを受けないのです。
このことを知っていると、浅くポジショニングするメリットも考えられると思います。
■風
風が影響されることはパスにも若干の影響がでますが、一番はキックに関して考えなければいけません。
風上、風下どちらも考えてキックを選択する必要があります。
〇風上
風上は比較的優位だと言えます。理由は単純でキックの飛距離を後押ししてくれるからです。
以前、ラグビーは陣取り合戦だということを書きましたが、その陣取り合戦をするための一番の手段はキックです。そのキックで優位にあるということは試合をするうえで優位に立っていると言えます。
また、試合中に考えることはあまりなく、自陣で迷った場合には敵陣に入れるようにロングキックを使うという方向でいいと思います。
また、風下で後ろに下がっているプレーヤーはより深くにポジショニングをしなければならないので、DFの1列目との距離が開いてしまいます。時には、そこを狙う事もおもしろいかもしれません。
また同様の考えで、後ろのプレーヤーはかなり下がっていないといけないので、外側のカバーも遅れてしまう可能性があります。
なので、ゲインすることができればそのままトライにつながる可能性も風下に比べれば高いと思います。
〇風下
風下は注意する必要があります。普通に考えるとキック合戦ではほぼ100%勝つことができないからです。
ラグビーにおいて大切な陣取り合戦に勝つことが比較的困難に成ります。
なので、どうにか策を考える必要があります。
その方法はたくさんあると思いますが、ここでは2つだけ紹介します。
その1(ハイパントを使う)
風下の弱点としては、キックを蹴ると戻ってくることです。
それを、逆に利用するのです。戻ってくることを考えてキックを蹴ってしまおうということです。
そこで、使える種類のキックはハイパントなのです。
少し長めに蹴ることで、ちょうど良い位置に落とすことができます。
ですが、ミスキックをしてしまうと、キッカーより前にいた選手全員がオフサイドプレーヤーになってしまう危険性もあるので、注意が必要です。
ロングキックと違い、50:50の可能性をもっているのが、このハイパントの特徴なので、ボールを手放す選択にもかかわらず、ボール再獲得の可能性があります。
そういった意味でも、有効的です。
その2(ボールを継続する)
個人的には、あまりお勧めはできないのですが、選択肢としてはありだと思うのが、このボールを継続するという考え方です。
言い方を変えると、ボール支配率を高めるということです。
利点は単純明快で、相手にボールを渡すことがなければ、エリアをキックにより取られる心配がないということです。
ですが、ボールを継続するためにはパスを回さなくてはいけません。
なので、ミスのリスクが増えてしまいます。
キックという選択をするのか、自分たちのボール継続を選択するのかは、自分たちのチームでの共通認識をすることが大切です。
今のラグビーはAT側が有利になるようにルールができているので、自陣からもボールを継続することはありだと思います。
チームとして、どの選択をするのかを話し合い決断し、それをやりぬくことが風下の戦い方として大切です。
■太陽
上記の雨や風に悩ませられることは多くあると思いますが、実はこの太陽にも気を配ると試合を優位にすすめることができるのです。
太陽がもたらす影響は眩しさです。
この眩しさをコントロールすることができれば、ラグビー中級者と言えるでしょう。
一番太陽の眩しさが影響をもたらすシーンはハイボールキャッチです。
簡単に言うと、相手が眩しい状況にいたならば、ハイパントを蹴るべきだということです。
ハイパントの利点は先ほど書いたように、キックの中で唯一再獲得を狙えるキックなのですが、これはキッカーの精度と、双方のキャッチングスキルに依存します。
ですが、キャッチングスキルは太陽の影響によって下げることができるのです。
逆に自分達が眩しい側の陣地になっている場合だと、キャッチングスキルが低下するおそれがあるので、ハイパントの警戒をしなければなりません。
その中で、駆け引きが生まれます。
ハイパントを蹴ると有利なAT側、蹴られると不利なDF側、キック処理に人員を割くと、ほかのところにスペースができてしまいます。
駆け引きが重要なスポーツにおいて、天候さえも駆使することができると、試合の行方を左右することができると思います。