早稲田vs帝京&慶応vs明治Review
みなさまこんにちは!岸岡智樹です!
11月1日(日)に行われた関東大学対抗戦Aの2試合を久しぶりに会場まで観戦してきました。
お恥ずかしい話ではあるんですが、これまで大学生としては試合に出続けていたのであまり会場に足を運び試合観戦をするという経験があまりないのです…
ですが、今回は実際に足を運んでとても面白い2試合を観ることができました。
・帝京
・早稲田
・慶應
・明治
この4チームといえば大学ラグビーを引っ張っているチームだと思います。
現在この4チームは関東大学対抗戦Aグループに所属しており、10月から開幕し、この試合が7試合中4試合目になります。
試合の夜にInstagramの方で振り返りを兼ねたLive配信を行ったので、音声も交えながら聞きたいという方は是非こちらをチェックしてみてください!
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それではこの2試合をそれぞれ振り返ってみましょう。
〇早稲田vs帝京
早稲田大学 対 帝京大学といえばかなり因縁の対決だと思います。
(もしかたしたら僕の勝手なイメージかもしれませんが…)
ということはおいておいて
試合結果は
早稲田 45 - 29 帝京
でした。
早稲田は7トライ5ゴール
帝京は5トライ2ゴール
という点差です。
早稲田出身僕としては本当に嬉しい勝利でした。
少し早稲田よりの意見になってしまいますが、なぜこのような点差になったのかを考えていきます。
このツイートの拡散具合をみてもかなり注目度の高い試合だったことはわかると思います。
また、このスコアを予想していた人は決して多くなかったのだと思います。
早稲田大学のスターティングフィフティーンです。
改めてメンバー表をみると、若手が多いメンバー編成だなと思います。
帝京のスターティングフィフティーンです。
●試合解説●
試合内容としてはまずはじめに見受けられるのは、レフリングの厳しさです。
ルールの改訂により、ブレイクダウン周辺でかなりペナライズされていることが多かったです。
これは次の慶應明治の試合も同じだったでしょう。
ということで、この試合は早稲田大学が先制するところから始まります。
前半敵陣でのスクラムからうまく入れ替わったところ12番平井君がトライ!
続いて、中盤ラインアウトからサインプレーで13番長田君が抜け出し、最終的には7番村田君がトライ!
前半15分ほどで早稲田が2トライをし、会場の雰囲気としては
「あれ?今年って帝京強いんじゃないの?」
というムードが漂っていました。
その様子を見て次のようなツイートをしました。
だれもがこのように思っていた直後、18分のシーンでは帝京1年生2番江良君、8番奥井君の突破を起点に、10番高本くんからオフロードをもらった12番押川君がグラウンド中央にトライをあげます。
また、その後早稲田陣内奥深くで、早稲田ボールのスクラムになると、帝京の強力FWがスクラムを押し返し、トライまでもっていきました。
またしても帝京が攻め入ります。
28分のシーンで、帝京FWにじりじりとした攻撃から6番リッチモンド君が手を伸ばしトライ。
この時点でさきほどのツイートにあったような観客の心は一変していました。
「やっぱり帝京強い…」
というところでしょうか。
ですが、僕の中ではまだ可能性はあると思っていました。
(この時点でトライ数は早稲田 2-3 帝京です。)
その後、36分に敵陣まで入ると、ラインアウトモールを組むとそのまま押し込み早稲田大学が差を詰めよります。
この時点で点差は19対19
でれも予想していなかった同点で後半を迎えます。
後半初めに得点をしたのは早稲田でした。
得意の展開を持ち味に、ボールを継続しつづけ最後は13番長田選手がトライ
このトライの4分後、自陣10mでのスクラム
帝京のプレッシャーを受けるも、8番丸尾主将がうまく持ち出します。
スクラムからの8番の持ち出しは本当にうまい選手です。
(僕が在学中も何度も助けられまた…)
そのボールをオープンサイドに展開すると14番槇くんが40mほど走り切りトライ!
帝京大学を突き放しにいきます。
その直後、帝京大学が早稲田ゴール前でボールを組むと、狭いショートサイドをうまくつき、11番尾崎くんがトライ!
次の展開としては早稲田が、帝京ゴール前にいきラインアウトからサインプレーをもちいたモールを組み、6番坪郷君がトライ!
コンバージョンキックも成功し、40対24とします。
76分にはダメ押しとなるトライを11番古賀くんがトライをあげ、ノーサイド!!
箇条書きで試合の流れを書いてみましたが、いかがでしたか?
かなり情報が多く、整理することが難しかったと思います。。。
次に試合のスタッツを見てみましょう。
みなさんはこういったデータをどのように思いますか?
ほかのスポーツ、野球などはこういった分析が進みデータ化されていると聞きます。
ラグビーも遅れながらではありますが、分析・データということが浸透してきました。
だからこそ、こうしたスタッツをもとに、どこに早稲田の勝因があったのかを考えてみましょう。
まずすごいなと感じるのは両チームのタックルミスの少なさですね。
ここはかなり整備されている印象が両チームありました。
スタッツをみてわかる一番この試合の勝敗を要因は間違いなく「反則の数」でしょう。
帝京が14。
これは帝京らしからない数字です。
僕の印象では帝京大学は反則の少ないチームです。
逆に早稲田は多く反則をします。
その証拠に1試合に7つも反則をしています。
ということは単純計算10分に1回程度していますよね。
この両者の反則の数から考えられることは「早稲田がプレッシャーをかけていた」ということでしょう。
ミスは相手がいようがいまいが、するときはします。
ですが、反則は基本相手がいない限り起こり得ません。
ということは反則を起こすという事は直訳して、圧を受けたと解釈できます。
早稲田のベンチ側から「仕掛けろ」という言葉が時折聞こえていましたが、その結果がこうして数字として反映され、試合の結果を左右したということになります。
両チーム、スクラムやラインアウトはまずまずの成功率だと思います。
その中でも早稲田の方がラインアウトが多いのは、帝京が反則をしているからであり、そのラインアウトから得点につなげている場面もあったので、それを考えていると、早稲田としてはブレイクダウン周辺でかなりプレッシャーをかけることが出来たと思います。
というところがスタッツからわかるところですかね。。
いかがでしたか?
大前提としてラグビーって楕円球だからボールがどちらに転がるのかもわからない中でデータをどうのこうのというのはナンセンスだという意見を僕は感じますが、このように感じると何が勝因で何が敗因なのかが一目でわかります。
ということはデータを用いた分析も必要ということですね。
試合内容をデータ以外の僕の直観の感想としては帝京はスマートだということですね。
今回の試合を表現するのであれば帝京がもっている力を100%とした時、早稲田は85%ほどでしょう。
そのイメージが試合前の帝京が勝つだろうというイメージだと思います。
ですが、帝京が出せた力はおそらく70%、早稲田が出せた力が90%だった場合簡単に計算しても70と72ということで早稲田が勝ちそうですよね。
まさに今回の試合はこのことが起こったと僕は思っています。
帝京が弱いわけではなく、逆に早稲田がうまくいきすぎたわけでもありません。
両者が自分自身の持てる力をどの程度出すことができたのかというところに着目すると面白いと思います!
そのためにチームとして、個人としてどれだけの準備をするのかというところから試合は始まっています!
この試合のMOMは坪郷君でした。
この記事にもあるように大学からラグビーを始め、この大舞台でレギュラーメンバーに入り、期待通りの活躍をする!
早稲田は高校時代から名が知れた選手が活躍する中で、こういった選手が必死にチームを強くしてくれいることを知ってほしい。
是非読んでください。
早大の丸尾主将は「接点で我慢強くやることをテーマにしていた。80分間やり続けられたことが良かった」。帝京大の重いFWに対抗した守備を勝因に挙げました。ラインアウトでは立ったままの前方の選手に投げる奇襲から2トライ。相良監督は「トライの取り方をいろいろ工夫した」と話しました。(谷口)
参照)https://twitter.com/nikkei_rugby/status/1322829218560897025
〇慶應vs明治
(早稲田帝京の試合もそうですが、写真はチーム公式SNSのものを掲載させていただいております。)
では2試合目
慶應大学 対 明治大学の1戦を見ていきましょう。
最終スコアは
慶應 13-12 明治
でした。
慶應は1T1G1PG
明治は2T1G
です。
タラレバ論ではありますが、明治としてはゴールキックが1回、あと1回入っていればという試合とも取れます。
ただし、キッカーの責任というわけではありません。
このようなロースコアになったことなどの理由などもみていきましょう。
早稲田帝京の試合もそうでしたが、この試合の事前情報としては明治が勝つだろうでした。
ではどのようにして、慶應が明治を破ったのでしょうか。
慶應のスターティングフィフティーンです。
両チームの投稿を掲載させていただきます。
明治のスターティングフィフティーンです。
●試合内容●
前半4分明治陣内で反則が起きると、慶應はPGを選択。
見事、1年生FBの山田君が決め慶應が先制します!
そのまま慶應が流れを作り、再び明治陣内に攻め込み連続攻撃をしかけます。
しかし、慶應10番中楠君のパスを明治10番の斉藤君がインターセプト!
その後奥に蹴り返り、かけっこへ
明治6番福田君が足にかけ、インゴールに転がったボールを再び斉藤君がグラウンディングし、トライ!明治逆転!
まさかのこのまま両者前半は得点することなく7-3明治リードで前半を折り返します。
ハーフタイムにTwitteでどちらが勝つと思いますか?
というアンケートを行ったところ、200以上の回答をいただき、
35%が慶應
65%が明治という結果でした。
こういった応援というのか、観客のイメージがそうなっているのかという事が見えたとき出した。
(後だしだとも捉えられますが、慶應が勝つのであれば17-18で1点差で勝つかなと思っていました。)
後半動いたのは56分、明治陣内での慶應ボールのラインアウト。
モールを組み、それに対して明治がコラプシングをしてしまいアドバンテージ。
その中でしっかりと押し切りトライ!
ゴールも決め、7-10と慶應逆転!
60分付近までほぼ完璧にDFしていた慶應でしたが、明治ボールのスクラムから容易なミスタックルをしてしまい、後半から入ってきた齊藤君が抜け出し、最後は23番高比良君が再逆転のトライ!
ゴールは決まらず12-10
この後も、熾烈な攻防を繰り返しラストワンプレーとなるところで、明治が反則。
慶應はPGを選択。
後半1つはずしている山田君が逆転をかけ狙います。
相当なプレッシャーがかかる中、しっかりとど真ん中を通し劇的な大逆転!
結果12-13で慶應が勝利!!
早稲田帝京の試合ほど得点シーンが多くなかったので、箇条書きにすると書くことは減ってきますね。
初めて試合のレビューをこういう形で書いて学びました。
あ、昨年度のワールドカップの試合でもいくつか書いていました。
すっかり1年も前のことなので忘れていました…
ということは置いておいて、なぜ慶應が勝つことができたのでしょうか。
早稲田帝京の試合同様、自分たちの持てる力を100%出しあった試合ではなかったように思います。
明治からすれば慶應のプレッシャーのあるDFを前に何もできずという印象でした。
ハーフタイムにはこのようなツイートをしました。
出足の良い慶應DFが本当に80分も持つのかということがかなりキーではないかとおもってました。
箇条書きに書いた内容にはない部分だと、慶應はぺナルティ獲得後のタッチキックを2本ミスしていますし、PGも1つはずしています。
自らチャンスを作りだすことができ、そのチャンスをものにできなったという観点で考えると、スコアチャンスは明治より圧倒的に慶應のほうが多い試合となりました。
その他の印象としては、慶應はDFからチャンスを作り、反則をさせ、PGまたはタッチキックで敵陣深くに入り、ラインアウトモールでトライというのが今年のスタイルでしょうか。
一方明治は強力FWと巧みなBKをリンクさせた攻撃でどこからでもトライを狙えるチームな印象です。
ですが、この試合に限ってはチーム強みを出せたのは慶應でした。
観戦していた僕の目には、明治のATがうまく機能していませんでした。
というのもBKとFWがお互いに独立している印象です。
ここがリンクしてくると、本当に脅威になります。
今年は感染症のため、練習できていなかった時期もありますが、練習試合や合宿を行えていない関係もあるのかもしれません。
慶應は自分たちの強みを最大限押し出し、相手を封じた1戦をしました。
明治としてはかなり苦戦したという印象でしょうか。
おそらく、負けるとは思っていなかったという感覚を試合後も持っていると思います。
その肌感覚も大切にしてほしいと思います。
ということでこちらの試合もスタッツを見てみましょう。
この試合はかなり面白いものとなっています。
得点を隠してどっちが勝ったと思う?
と聞かれると、僕であれば左側のチームかな。。。
と答えます。
理由は
スクラム、ラインアウトのセットプレーはほぼ同じ。
タックルミスが少ないし、より多くブレイクダウンでターンオーバーをおこなっているから。
ぺナルティは多いがラインアウトが多いということはキック合戦で勝てている証拠。
ハンドリングエラーはあるものの、チャンスを多く作りだせているんじゃないかな。
です。
でも現実は違いました。
慶應のDFのプレッシャーで反則を多くしてしまった明治。
これが試合の勝敗をわけた一番の理由だと思います。
上記の予想と違うのがこの試合がロースコアだった一番のミソだと僕は思っています。
終始トライを狙った明治。
PGも含めて確実に射程圏内にいた慶應。
その頭脳戦もあったのかもしれません。
サヨナラPGで明大を破った慶大の栗原HCは「慶応には120年の伝統がある。選手は何も言わなくてもタックルしてくれる。9月に明治にやられた時から組織ディフェンスが成長した」。相部主将は「明治はワイドな攻撃をするのでしっかり前に出て時間とスペースを奪うことにフォーカスした」と胸を張りました。サヨナラPGで明大を破った慶大の栗原HCは「慶応には120年の伝統がある。選手は何も言わなくてもタックルしてくれる。9月に明治にやられた時から組織ディフェンスが成長した」。相部主将は「明治はワイドな攻撃をするのでしっかり前に出て時間とスペースを奪うことにフォーカスした」と胸を張りました。
参照)https://twitter.com/nikkei_rugby/status/1322835792138362880
〇おまけ
こんな記事もありました!
是非読んでみてください!
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
とても面白い2試合を見ることができ、本当に嬉しい週末でした。
この4チームを含め、現在行われている大学ラグビーを応援しています!
【各チームSNS情報】
●早稲田
・Twitter https://twitter.com/waseda_rugby
・Instagram https://www.instagram.com/waseda_rugby/
・HP https://www.wasedarugby.com/
●慶應
・Twitter https://twitter.com/KEIORUGBY1899
・Instagram https://www.instagram.com/keio_rugby_1899/
・HP https://keiorugby.com/
●明治
・Twitter https://twitter.com/meijirugby
・Instagram https://www.instagram.com/meijirugby/
・HP https://www.meijirugby.jp/
●帝京
・Instagram https://www.instagram.com/teikyo_rugby/
・HP https://www.teikyo-sports.jp/rugby/
最後に下馬評通りにはいかなかったこの2試合の裏側にせまります!
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