【ラグビー】ハンドリングスキル(キャッチ編)
団体スポーツで1チーム当たりの競技人数が最多であるラグビー。
楕円球を扱い、前進してトライを決め得点を取り合うスポーツだが、パスは後ろにしか投げることができないというなんとも変わったスポーツ。
そんなラグビーはフットボール的要素も兼ね備えるが、実際はほとんどが手でボールを扱う場面が多い。今回はそんなラグビーのキャッチングスキルについて書いていきます。
パスを行う前提段階の話をしていきます。
ラグビー界ではよく『パスはキャッチから』という単語を耳にします。
少し畑違いではありますが、アメリカンフットボールのキャッチをご覧ください。
43秒から始まるシーンをもう一度ご覧ください。
このキャッチ自体はものすごいことですが、実は3本の指だけでキャッチをしていたのです。試合後のインタビューで、「あの3本指でのキャッチはすごいですね」と聞かれたときに、「偶然でも奇跡でもありません。必然です。あの場面をイメージして、毎日3本の指でキャッチする練習をしてきました。」と答えたのです。
あの大舞台で、1試合に1回あるかわからないプレーのことを想定し、日々練習をしているNFLの選手の意識の高さが伺えます。
■よく耳にする『パスはキャッチから』とは
冒頭で紹介したようにラグビー界では「パスはキャッチから」とよく耳にします。
球技なので、ボールを投げることが必須項目になってきます。
野球の送球も、ハンドボールのパス連携も、バスケのシュートも。
全てボールを投げると言う側面も持ちます。
ですが、全てに共通して言えることは「キャッチ」が前段階で必要な行動になっていると言うこと。
このキャッチがうまくいかなければパスあるいは、投げると言うことがうまく行きません。
うまくボールが持てていないのに、野球だと投げれないですし、ハンドボールもパスは回せず、バスケのシュートは入る気がしません。
ラグビーも同じことが言え、キャッチなしではパスがうまくいかないと言うことです。
なので、パスをうまく投げたければキャッチを意識してみよう!と言うことから「パスはキャッチから」と言う言葉が生まれました。
「パスはどうすればうまくなりますか?」という、質問を多くいただきました。僕なりの解答としては、キャッチングスキルを最優先に練習しましょう。と答えます。パスはキャッチからという言葉の様に、ハンドリングの原点はキャッチなのです。
この記事を読まれた方限定でなかなか辿り着かないパスが上手くなる方法を伝授します!ぜひこちらを読んでください👇
■キャッチで最も大切なハンズアップ
キャッチを行う前は捕球するための姿勢を取る必要があります。
その姿勢の中で最も大切なのはハンズアップをすることです。
では、実際にどのようにハンズアップをすればよいのでしょうか?
僕自身が一番初めにならったハンズアップの仕方は
これで完成です!
ぜひ試してみてください!!
これが基礎中の基礎になり、ここから3つ目のアレンジが必要になってきます。
学生時代に練習した映像があるので、そちらから一緒にどんなものが良いのかみていきましょう!
\Before/
\After/
ここでは「おばけハンズアップ」というワードを用いています。
BEFORE/AFTERの動画を見比べていただければ一目瞭然です。吉村本人にはハンズアップ(おばけハンズアップ)を教え、意識するように伝えました。
BEFORE/AFTERの違いは?
〇BEFORE
手の平がこちらから見ることができます。こうすると飛んで来たボールに対して手の平から迎えに行くことになるので、ボールに力を込めながらキャッチをすることになります。キャッチをする際に余計な力が加わります。この力により、ボールに反発する力を加えノックオンをしてしまう原因になってしまいます。
〇AFTER
おばけハンズアップをしています。おばけハンズアップとは何かを説明すると、指先を下に向け、手首より先は脱力しお化けのように構えることです。飛んできたボールに対し、指を上に向けながらボールを迎えにいきます。こうすることで、指先からボールに向かうことができ、ボールに余計な力を加えることなく、ボールの威力を吸収しながらキャッチすることができます。
2つの動画のキャッチ後のボールのブレを比較するとわかりやすいかもしれません。
■ハンズアップの次はアーリーキャッチ
キャッチをする前に意識することは、パスをするための良いキャッチをすること。そのために、ハンズアップの段階でおばけハンズアップを意識する。
上記のことを意識したら、パスをするまでにすることはあと1つです。
それがアーリーキャッチです。
岸岡本人がアーリーキャッチの良し悪しがわかるように実演した動画がありますので、みながら考えてみましょう!
\Bad Scene/
Bad sceneでのキャッチの位置は体の中心。このようにキャッチをしてしまうと、捕った後にパスをする際に、もう一度腕を引きパスをしなければならないため余計な動きをしてしまっています。
\Good Scene/
Good sceneでは体の内側(できるだけ遠い位置)でキャッチすることができているため、キャッチと同時にパスモーションに備えることができています。こうすることで無駄な動きがなく、最短距離でパスへ移行することができます。
■余談(お手本の実演)
まず、Twitterの動画をご覧ください。
自画自賛してしまうほど無駄な動きが少ないキャッチからのパスです。もう一度見ていただきたいのですが、一人目と二人目のキャッチングについて見てください。
1人目は、体の中心でキャッチをしています。比較的に相手との距離があるため影響は出ていませんが、アーリーキャッチはできていません。
2人目は理想的なアーリーキャッチができています。内側で捕ることでパスモーションに無駄がありません。このおかげで、DFに詰められたとしても問題なくプレーすることができています。
特にCTBやFBなど相手に接近しプレーすることの多いプレーヤーはこのキャッチを意識することをお勧めします。また、FWの選手には全員に共通することなのですが、相手と距離が詰まった時にワンパスなどしたい場合に有効です。
よく、パスがうまくなりたいという人は多いのですが、そういう方は自分自身にキャッチはできていますか?と問いかけてみてください。