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S爺
割引あり
引っ越して2年ほど経ったある日。私は以前より気になっていた飲み屋へ行ってみた。
そこはアナログレコードが多く置いてあり、良い感じに昭和感漂う内装。
言葉数はそこまで多くは無いが、多少変わった店主。
その店のカウンターに座り緑茶ハイを飲んでいた。
ふと隣に座ってる男性が気になった。
白いヒゲを蓄え、大きめのハットを被り、大きめのメガネ。短パン。
身長は160前後だろうか。
なぜ気になったかと言えば、
おじいさんなのか、おじさんなのか、全く分からない事
そしてもう一つ
全くロレツが回っていない事。
私はいてもたってもいられず、話しかけてみた。
私「はじめまして、よくこの店来られるんですか?」
男性「ぬぁ?おぅん。&¥?!@“」
最高な出会いだ。こうでなくちゃ。
どうやらマスターいわく。その男性の名はS爺と言い。(もちろんあだ名)以前脳いっ血により死にかけたが、奇跡の生還を果たし、めでたくアル中になったとの事。
あぁ。なんという出会いだろう。
しばらくS爺と話をした。よく耳を傾けるとなんとなく何を言っているのかがわかる。
以前音楽関係の会社でかなり上まで登り詰めた事。スタジオを何個か経営している事。ハイスタが嫌いだという事。
毎日昼から呑んでいる事。
住んでる家が近いという事。
会話が進む中、S爺からおもむろに、明日ラグビーのライブビューイングを見に一緒に行かないか?
と誘われた。
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