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自動車と自転車を取り巻く環境について~物を所有することで失うもの(3)

 自転車の発明と自動車の発明はともに19世紀らしく、さほど時間差はないらしいです。
 普及は自転車の方が早かったけど、徐々に自動車が逆転していったそうです。

 国によっては、まだまだ庶民が自動車を所有することなどできない国も多いようで、僕が90年代に旅行したアジアや中東や東欧の国々はほとんどそうだったように思います。庶民の足は自転車、バイクが主流でした。

 西欧は庶民も自動車を持てますが、自転車の市民権もそれなりにあって、自転車道が広く整備されていたり、バスや地下鉄の車内に自転車を持ち込む光景を普通に見ることができました。

 日本では、庶民も一応自動車の所有はできるけど、ローンや維持費で収入の多くを割くことになり、しかし一部の大都市圏以外では自動車がないとかなり不便で、自転車道は整備されていない地域が多く、交通ルール上は自転車は車道を走ることになっていますが、本当にそれをやると危険極まりなく、結局歩道を走っていることがほとんどだと思います。

 自転車の不法駐輪が問題になっていますが、そもそも自転車を停める所が少ないように思います。

 自転車の危険運転も問題になっていますが、自転車に乗る人個人のモラルへの攻撃が主流となっていて、そういう運転をさせてしまう道路環境に触れる論調が少ないことは、自動車を手放し、長年自転車を主な移動手段にしていた僕にとっては残念です。

 自動車を手放していた間、娘を連れて歩いて交通量の多い狭い道を歩いていたりする時、スピードを上げて走る自動車を見ると、走る凶器、という感じを受けたものです。

 ただ、いざ自分が自動車に乗る立場で道行く自転車を見ると、何とも不安定で危なく、自動車のスムーズな通行の妨げとなつている障害物、と感じます。バイクもそうですが。

 しかし、自転車専用道路もない道路の問題がやはり大きい、とも思います。

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