元旅行者の視点から(3)~引きこもりについて②
長期旅行者・バックパッカーと引きこもりとの共通点に「所属していない」ことがある、と前回書きました。
もう一つの共通点として、長期旅行者一般、ではなくて、旅行していた当時の自分に限定してのことですが、当時の自分がどういう状態だったかと言うと、
「背を向けていた」
所属することからも、社会の流れに乗ることや、自分の人生を表面的な建設性を持って計画していくことからも、日本人であることからも、背を向けていた、と言えます。
「逃げていた」という言い方もできます。
旅行していた当時は、自分が逃げている、とは決して認めたくはなかったですが。
背を向けている、という自覚はあり、徹底的に背を向けてやろう、と思っていました。そこから見えてくるものがある、と思っていました。
長い旅行へ出る以前に、所属しよう、社会の流れに乗ろう、人生を計画しよう、として、上手くいかなかったため、一度離れて、態勢を整え直す意味合いもありました。
同じような姿勢で、引きこもっている人も居るのではないか、と思い、それならば、引きこもり、という在り方にもポジティブな要素はあると思います。
ちょっと意味は違うかも知れませんが、ここ2年ほど世界を襲っているコロナウイルスの流行で世界中の人々が行動を抑制し、ある意味引きこもっていると言えますが、この時期はパンデミック終息後の行動に向けて力や知恵を蓄える機会でもあり、終息したら、さあ終わった、と喜び勇んで以前の行動を復活させるだけではなくて、今後の感染症との共存や新たなパンデミックを招かない為の新しい行動を始めるために必要な充電期間でもあると思います。