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夏の濁り

途方もなく死にたくなる時がある。
いつもなら楽しくて、幸せで、満足できることをしても、どうにも収まらない死への渇望がある。

美味しいものが美味しくなくて

美しいものが陳腐に感じられて

好きな音楽にも気持ちが乗り切らなくて

誰かに頼る気力もない

言葉を紡ぐ頭のキャパシティもなくて

涙も出ない。

麻痺させて麻痺させて押し込める。
そういう日々を送ってきた。
そんな夏だった。

私はたくさん我慢して、たくさん諦めて、どうにか夏を乗り越えた。希望もなく、ただ生きてみた。

どうしたら頭を鈍らせて、心の感度を低くして生きていけるんだろう。
もう少し、優しくて甘酸っぱい人生だったら良かったのにな

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