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技術士 (電電/電設) むけ研鑽 - 幕間1 -

ここまでのコラムを経て今後の方向性が少し見えてきたので少し軌道修正しておく。


1. 自己分析からわかったこと

結論から言えば試験に迎合した学習はしないということに尽きる。過去の戦績を見ても、勝率が高いパターンは、すでに合格に値する能力があり品質保証のために受験したケースである。これは、試験との相性とも言えるかもしれないが、取り組むモチベーションんとしてもかなり違うものがある。生臭い記憶を思い起こせば、最も勝率が高かったのは転職を検討していた時である。今の組織にいても自分が思う通りには評価してもらえない、といった状況の中で何クソという思いで研鑽するから合格に至る。
類似する話として情報処理技術者試験/プロジェクトマネージャ試験の参考書にも因るところがある。筆者の三好先生はその著書の冒頭でこう述べられている。

(前略) 筆者の考える優先順位はこう。
① プライベート
② 仕事
③ 仕事に必要な勉強
④ 資格取得
資格よりも大切なものは他にもたくさんある。だからこそ, 時間は無駄にはできない。

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2020 年版  序章

普通のサラリーマンをやっていると深く実感するが、医師国家試験や司法試験のようなレベルでなければ、資格試験で人生が変わることはない。資格対策本の序章でこのようなことを言ってのける先生 (にあこがれ痺れるッことはないにせよ) の言を更に汲み取れば、能力が身についているのに試験テクニックで落ちるような時間の無駄はやめよう、ということだろうと思う。
以上が自身にとっては最もしっくり来る結論。逆説的に言えば人生を変えるような資格を取りたければまったく別のアプローチを取らねば、ということでもある。例として、中小企業診断士でモタつくくらいなら、試験対策予備校に行くか、そもそも資格自体をすっとばして MBA を取りに行くなどの覚悟と行動はあって然るべきだろう。ただ、その上でダメ押しすれば、資格で人生を変えようと思ってないというのが決定打かなとは思う。甚だ平民的思考ではあるが。

2. 試験分析からわかったこと

次なるは研鑽の手順とでも言えるものを備忘として綴っておく。いわゆる技術士試験対策の常道としてはキーワード学習や論文トレーニングなどがあると思われる。ただ、これらはフェーズを踏まえた順番が重要であると気がついた。これまたプロジェクトマネージャ試験の際に学んだ事であるが、先の三好先生が推奨している学習順では、論文をまず書いてみるというのが一番先に来る。普通の試験対策であれば基礎知識をテキストや一問一答で学んで、ボトムアップで論文にたどり着くと考える方が多いだろう。これに対して、三好先生の推奨手順はトップダウンである。情報処理技術者試験と技術士試験は完全に対応が取れるようなものではないが、学習の手順としては、私的にはトップダウンが良いのではと思う。
トップダウンが良いと思う理由として、キーワード学習のテーマ選定の打率が考えられる。ここでいうキーワード学習は、特定の技術や理論等を深めて疑似論文を作成することを想定している。すなわち、論述式ではあるものの、中身は情報処理技術者試験の選択肢問題と等価と考える。テーマ選定において要素技術からスタートしてしまうと、要素間がバラバラになったりテーマ選定に漏れが生じうる。従い、積み上げた先に設問 I や III にたどり着いても社会課題と結びつけることができないなどの結末が想定される。 ひょっとするとテーマの偏り次第ではあんなに勉強したのに II でどれもヒットしなかった、などの惨状もありえるかもしれない。これでは名実ともに技術士とは認定されないだろう。

3. 今後の研鑽スタンス

以上をふまえた今後のスタンスとしては、まずは白書からスタートすることにする。白書を読んで対策というと古の方法であり今風でないと思われる場合もあるだろう。だが、その理由は先に述べた通り ”トップ” を捕捉することにある。
これが情報処理技術者試験であれば、過去問題にヒントがふんだんに盛り込まれているので白書は不要である。一方の技術士試験は設問がアッサリしていることが多く、当該分野の教養が前提とされているので、過去問を闇雲に解いたところであまり学習効果は上がらない。有償の添削サービスを利用すれば良いのかもしれないが、論文の体裁や内容以前の部分までフォローしていただくのは難しいのではと思う。
実際のところは手を動かし始めて見ないとどの程度の課題や障壁があるのか分からないが、ともかく白書を読み、社会課題に頭をひねり、自身の立場で解決策を考える、というプロセスはまさしく技術士に求められる継続研鑽であると思う。
というわけで次回は白書の選定からを綴っていきたい。…と言いつつ、自身の立場=電気電子分野/電気設備という領域について先に定義したほうが良いようにも思うので、いずれかを書くことにしたい。

以上。

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