技術士 (電電/電設) むけ研鑽 - R5 再現論文 II-2 -
えらい I に時間がかかったが II についても同様に書き綴ってみる。
1.再現
1) どのように問題を選択したか
問題文は以下サイトを参照。
II-2-1 はサーバルームでの漏電遮断器の不要動作について、根本解決に向けた調査・検討・業務手順・調整方策。II-2-2 は商用ビル上の太陽光発電設備について、同設問。ここでは業務経験に近しいところから II-2-1 を選択。近しいという点では II-2-2 も関わりがない訳では無いが、企画や統計面での関わりであって、プロジェクトをマネジメントしたこともないので回避。
午後試験は時間も一括りなので、必須科目のときにタラタラ綴ったような、すべての選択問題に対する論述骨子に充てる時間はなかった。II-1 で精神的に揺さぶられた状態であったので、II-2 については脊髄反射的に論述してしまった感が否めない。出題に対する答え方については追って別コラムで分析することにしよう。
2) 問題文をどのように解釈したか
過去問を事前に確認しておけばわかったことだが、問題文にヒントが少ないのが難点。関わるコンピテンシにマネジメントがあったろうということだけは記憶していたが、サラッと読んだだけではちょっとした日常のトラブル対応と読めてしまう。更には、
とあるのが追い打ちとなり、大げさなプロジェクトの話や長期計画の話ではないと解釈した。
とはいえ高々 3 行程度の設問に出題者の意図がギッチリ詰まっているであろうことから、単語レベルでいくらか想像を膨らませた。
某データセンター内のサーバールーム
たやすく停止が許されない、可用性について厳しい現場である
データ機密のため入退室が制限されていそう
屋内の温湿度制御環境下であり雨水や粉じんの影響は基本的に除外
大型空調機
旧式なのか?新しいのか?
インバータ制御でこいつ自体がノイズ出していないか?
漏電遮断器の不要動作
老朽化してないか、新しいのか?
機器自体が故障していないか?
絶縁抵抗測定では電路に異常が見られていない
線路の (定常的な) 地絡ではない
不要動作の根本解決
原因を突き止めるだけでは NG
応急対策だけでも NG
再発防止策まで盛り込む必要あり
実のところ最後の "根本" 解決というのは深く考えられてなかったため、故障個所を特定して交換・修理してオシマイとしてしまった。これは大きな反省点なので、別コラムで深堀してみることにする。(本来は対策以降の管理体制や人員の教育など含めたことが求められていた?)
3) どのように回答を構成したか
(1) 調査、検討すべき事項とその内容
定常的に地絡しているわけではないことから、突発的なノイズやトラブルによるものと絞り込み。そのうえで、原因を外来性のものと内因性のものに大別し、各々を調査。
外来性の場合に検討すべき点としては、系統が高調波で汚染されていないかどうか、近隣の需要家にもヒアして確認。
内因性の場合は空調機他がノイズを出していないかクランプで計測。また、虫や小動物を介した瞬間的な地絡もあり得ることから、これらが侵入できそうな開孔がないか調査。
(2) 業務を進める手順、注意すべき点、工夫を要する点
既に記憶が怪しいが大まかに以下のような流れで論述。もはや試験を受けている時の態度ではなく、実際にトラブル発生したときにどう行動するかという心の持ちようで淡々と綴った。
① 現場確認
② 稼働データ確認
③ 故障個所の修理・交換
注意点や工夫点としては、
サーバ稼働中に不用意に作業範囲外を触らない
入退室で温湿度乱されないよう速やかに入退室する
空調機の漏れ電流を測定するときは三相 (だとして) 分の電線をクランプ
漏れ電流と負荷電流とを同時に測定して稼働状態との相関を見る
など、高度な技術や知識というよりは現場での泥臭い話に終始した。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者と調整方策
この時点で紙面が尽きかけていたこともあり、問われている関係者に幅を持たせることも、調整する対象について膨らませることもできなかった。前者は、データセンタの利用者 (クライアント) とデータ管理者、後者は調査・修理作業時の作業範囲やスケジュールやデータ消失リスクとした。リスクについてはメモ書きの時点では定量化して関係者に提示するつもりだったが、論文中ではそこまで書けなかったように覚えている。
2.振返
1) AI 回答
これは聞き方が悪いのか、あまりビビっとくる回答は得られなかった。実務サイドの作業者として考えるとやっぱりこうなるよねぇ、ということは確かめられた。いま問われているのは技術士としての回答であるから、やはり現場作業的な視点だけでは不足と思っておいたほうがよかろう。
2) 改善案
本科目については昨年も振るわなかったことから、おそらく回答の仕方が根本的によろしくないものと思われる。しかるに今の段階で改善案を考えても評価には影響しないだろう。
ただ、繰り返しにはなるが、今回の試験を通じて改善すべきと気づいた点については以下に挙げておく。
技術士としての問題解決
専門的知識と技術をベースに問題の要因を展開し、
場当たりではなく根本的な解決策を展開・比較検討・選択し、
関係者を調整して組織を導く
言ってしまえばこれに尽きるということだとは思うので、対策としては技術士になりきること。そのためにはコンピテンシの深堀りと腹落ちが必須。当初計画では論文再現の後でコンピテンシについて書くつもりだったので、流れとしては悪くなかろう。
以上。
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