傍聴記録18 友人と大麻栽培をして逮捕された相方の裁判
2016年7月25日(木)
北村拓也 平成28年(わ)第xxx号
11:00-12:00 xxx号法廷 大麻取締法違反 新件
裁判官:山崎俊男 書記:荒井信子 検察官:岡本太志 弁護人:新沼琢磨
裁判官「それでは双方ともよろしいですか? では、お待たせいたしました。開廷いたします。では被告人は証言台の前に立ってください。はじめに名前などを改めて確認などをしますが、お名前はなんと言いますか?」
被告人「北村拓也です。」
裁判官「生年月日はいつですか?」
被告人「昭和60年7月18日」
裁判官「本籍はどこですか?」
被告人「埼玉県さいたま市浦和区新町479-3」
裁判官「住所はどこですか?」
被告人「埼玉県さいたま市浦和区新町479-3 アミーゴ203です。」
裁判官「仕事は配管工と聞いていますが、間違いないですか?」
被告人「はい。」
裁判官「それではあなたに対して今年の6月4日と6月14日と2回事件が起訴されましたので、まずこれらの事件についての審理を行います。まずは検察官が起訴状を朗読してもらいますが、訴因変更後の事実について、朗読してください。」
検察官「検察官「平成28年6月4日付起訴状公訴事実。被告人は井上功一と共謀のうえ、みだりに第1、平成28年1月下旬ころから同年3月20日までの間、さいたま市浦和区橋場2-13-40 野菊荘201号室において、ロックウールに大麻の種子を播種して、発芽させる等したうえ、これらを植木鉢に移植し、水、肥料を与え、照明器具で光を照射する等して、大麻草17株を育成し、持って大麻を栽培し、第2、同年3月20日、前記場所において、大麻である乾燥植物片76.17gを所持したものである。罪名および罰条、大麻取締法違反、第1、同法第24条1項、第2の2第同法24条の2第1項。全事実につき、さらに刑法60条(共同正犯のこと)」
検察官「平成28年6月14日付起訴状公訴事実。被告人は公安委員会の運転免許をうけないで、平成27年11月2日、午後10時18分頃、埼玉県さいたま市浦和区新町479-3付近道路において、普通乗用自動車を運転したものである。罪名および罰条、道路交通法違反、同法第117条の2の2、第1号、64条1項。以上です。」
裁判官「これから、これらの事件についての審理をおこないますが、審理に先立って伝えておく事が2つあります。まず1つ目、被告人には黙秘権という権利があります。黙秘権。要は黙っているという意味です。ですから、これから、あとわたし裁判官や検察官、弁護人が、あなたに対して質問しますが、その際に、答えたくなければ、特定の質問についてのみ回答を拒んでも、あるいは終始沈黙していても、差し支えはありません。答えなかったという言いたくないことを無理に話したりする必要はありません。答えなかったという理由で話しをしないという、そのことだけで不利益に扱われる事はありません。それは私から伝えておきます。それと2点目ですが、そのような質問の時に、あなたのほうから話しをする機会も、もちろん何度かあります。ただ、あなたがこの法廷で述べた事はね、あなたにとって有利になるか不利になるかは関係なく、この裁判の証拠となりますので、その点は十分注意して話しをするようにしてください。よろしいですね?」
被告人「はい。」
裁判官「まずは、いま検察官が読み上げた2通の事実について、何か間違いや訂正など、言っておきたいことはありますか?」
被告人「ありません。」
裁判官「弁護人ご意見をお願いします。」
弁護人「被告人と同意見です。」
裁判官「では被告人は、一旦元の席に、弁護人の前のベンチのほうに座ってください。」
裁判官「では証拠調べ手続きに入ります。検察官は冒頭陳述と証拠の請求をしてください。」
検察官「まず検察官が証拠によって証明しようとする事実は以下のとおりです。まず被告人の身上経歴等ですが、高校中退後、配管工などをして生計を立て、逮捕時は配管業を自ら営んでいました。婚姻歴は1度あり、逮捕時は住居地において妻子と生活をしていました。窃盗の前歴1件、少年時のもの。無免許運転の罰金前科2犯を有するほか、速度違反等の交通違反歴7件を有します。犯行に至る経緯および犯行状況等、平成28年7月5日付け公訴事実、平成27年5月頃、中学校の同級生である、井上功一から、井上の自宅で大麻を栽培している話を聞き、その後栽培した大麻から採れた乾燥大麻を使用したことがありました。被告人および井上は規模を拡大して、大麻栽培することを話し合い、平成28年1月下旬頃から、井上が借り受けた公訴事実記載のアパート1室で大麻草の育成を開始しました。被告人および井上は、同室の南西に位置する4.5畳間の洋間において、四方と天井にアルミフィルムを貼付して、照明の強度を増幅させ、植物育成ライトをタイマー付きコンセントに接続して照明時間を管理していたほか、脱カルキ剤や、園芸用の二酸化炭素発生剤を設置して、大麻草の育成を促進させる等して、大麻栽培をおこなっていました。その際、被告人および井上は、それぞれ自らの費用で、大麻栽培の資機材を購入するなどしていました。また被告人および井上は、同室でいつでも大麻を使用できるよう、前記アパート1室の台所の流し台上部の物入れ台に、大麻である乾燥植物片を、それと認識したうえで保管していました。平成28年6月14日付公訴事実。被告人は平成24年1月6日、無免許等の交通違反により、免許取り消し処分を受けてから、公安委員会の運転免許を受けていませんでした。被告人は平成27年11月2日、無免許で約3.1km走行したのち、警察官から職務質問を受けて、本件犯行が発覚しました。第3にその他情状等。以上の事実を立証するため、証拠等、関係カード記載の各証拠の取り調べの請求をいたします。」
裁判官「ただいま請求がありました、甲号証が61号証まで、乙号証が10号証まで。について弁護人ご意見をうかがいます」
弁護人「はい。甲34号証について、第6項の(い)の1行目から5行目まで不同意します。それ以外同意いたします。乙号証は全て同意です。」
裁判官「それでは甲号証は不同意部分を除いて全て採用して取り調べます。検察官、いま採用した部分について要旨を告げてください。」
検察官「はい。まず甲号証ですが、甲1号証および甲2号証は、本件大麻草の押収状況等を明らかにする証拠となっております。さいたま市浦和区橋場2-13-40 野菊荘201号室から大麻草17株が押収された旨が明らかにするものになっています。また同所から乾燥植物片も発見押収されています。甲2号証は写真撮影報告書になります。甲3号証は大麻草の測定結果に関する報告書になります。丈の高さ、幅等が苗ごとに測定され、特定されたものとなっています。甲4号証から本件大麻草の重量を測定したものとなっています。甲5号証から甲9号証まで、乾燥植物片および、大麻草17株につきまして、鑑定試料を採取し、それぞれ鑑定嘱託をおこない、鑑定した結果を明らかにするものとなっております。いずれも大麻であるむね、鑑定結果があげられています。甲8号証および9号証は、先ほどの1室から押収されたクラッシャーに付着していた乾燥植物片について鑑定嘱託、鑑定を行い、その結果、試料が大麻であったむね、明らかにする証拠となっています。甲10号証は大麻草等の形状を明らかにする写真撮影報告書になります。甲11号証は乾燥植物片1袋、形状等を明らかにする写真撮影報告書になります。甲12号証は証拠品の分割に関する調査報告書になります。大麻と白色の植木鉢と大麻を分割したむねを明らかにする報告書となっております。甲13号証から甲30号証は押収された大麻になります。後ほど被告人に質問を行いたいと思います。甲32号証は、証拠品の苗の形状等を明らかにする写真撮影報告書になります。大麻草から種が発芽している状況等が明らかとなっております。甲33号証は、証拠品の栽培状況等を明らかにする名称変更報告書になります。当初、大麻草12本と確認されていたものが、大麻草17本だったむね、名称変更したものとなっています。甲34号証は、大麻栽培に関する、医薬品研究に携わる研究員から聴衆した事の結果をまとめた聴衆結果報告書になります。本件で発見された、二酸化炭素発生剤等の効能や大麻草の発育状況等に関する影響等について述べられたものになっております。また成長状況について発芽から約60日から90日経過していると思われるむね、本件大麻草の生育状況等について述べられたものとなっております、甲35号証は犯行場所等を明らかにする調書になります。本件大麻草の栽培状況等が明らかにするものになります。大麻が栽培されていた1室がアルミフィルムで四方を囲まれ、照明器具等が設置されている状況が明らかにされているものであります。甲36号証は犯行場所の賃貸者契約に関する資料を入手していた報告書になります。本件野菊荘201号室を井上功一が借り受けたむね、明らかにする証拠となっております、甲37号証および甲38号証は、共犯者である井上功一の自宅から購入された物品の存在および形状を明らかにする、捜索差押調書および写真撮影報告書になります。同所から大麻栽培に関連する書籍等が発見押収されています。甲39号証および40号証は被告人の所持品として、レシート等が押収され、その存在や記載内容が明らかにするものになっております。つっぱり棒などが購入された事が明らかとされています。甲40号証は被告人の購入したレシートの写しを添付した、写し作成結果報告書になります。甲41号証から甲47号証までは野菊荘1室の植木鉢等から、採取された指紋につき、被告人および共犯者の井上功一の指紋がそれぞれ検出された事を明らかにする証拠となっております。甲48号証は、本件大麻栽培に使用された資機材の購入状況を明らかにするものです。井上功一が平成28年1月20日から3月18日にかけて、3度にわたり、照明器具類等を購入した事実および平成28年3月4日、照明器具類として24万6000円分の購入をおこなったむね、明らかとする証拠となっております。甲49号証および甲50号証も被告人および共犯者の資機材等の購入状況等を明らかにする捜査報告書になります。甲51号証は被告人の携帯電話機の解析結果になります。被告人の連絡状況等を明らかにするものになります。甲52号証は被告人および井上功一の連絡状況等を明らかにする捜査報告書になります。甲53号証につきましても関係者との通話状況等を明らかにする証拠になります。甲54号証以下は、58号証までは井上功一ほか、馬淵、春日等の関係者の供述調書になります。井上功一の調書の内容につきましては、本件大麻栽培を開始した経緯等について述べられています。甲59号証から61号証までは平成28年6月14日付の起訴にかかる証拠となっております。甲59号証は被告人が無免許であった事実を明らかにするものになります。甲60号証は被告人が無免許運転をしていた状況等をまとめた、告知状況報告書になります。違反場所として公訴事実記載の通り、埼玉県さいたま市浦和区新町479-3付近と特定されており、違反日時として平成27年11月2日午後10時18分頃と特定されたものとなっております。また被疑車両として自家用普通乗用車と特定されたものとなっております。甲61号証は被告人立ち会いのもとでの、実況見分調書になります。本件当日犯行の違反の状況等、被告人の無免許運転の走行状況等について明らかにするものとなっております。以上が甲号証になります。乙号証は、乙1号証は被告人の身上経歴に関する警察官に対する供述調書、乙8号証、9号証および11号証、12号証、13号証は被告人の身上および前科前歴に関する証拠となっております。まで、被告人の警察官および検察官に対する供述調書となっております。要旨としては本件大麻栽培に関する栽培状況や、機材の購入状況について述べられたものとなっております。以上になります。」
裁判官「被告人質問されますかね?」
検察官「はい。」
裁判官「では被告人、そこの席に座ってください。検察官から証拠物に関して質問があるようですので。」
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