傍聴記録14 同種前科3犯 言い逃れ上手な覚せい剤常習者の裁判

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さいたま地裁
2016年8月2日(火)
7F xxx号法廷 11:20-12:00
外山正三 
平成28年(わ)第xxxx号 覚せい剤取締法違反 新件
裁判官:伊沢翔子 書記官:髙橋 大 検察官:服部正倫 弁護人:村上慎之介


裁判官「では開廷します。被告人は証言台に出てください。」
裁判官「まず、お名前は何といいますか?」
被告人「外山正三(とやま しょうぞう)です。」
裁判官「生年月日はいつですか?」
被告人「昭和36年9月18日」
裁判官「本籍はどこですか?」
被告人「北海道標津郡中標津町計根別南3条西3丁目6番。」
裁判官「住居はどちらですか?」
被告人「埼玉県春日部市一ノ割4丁目19-81 ACTY104号室」
裁判官「はい。職業はありますか?」
被告人「はい? 無職です。」
裁判官「では、これから外山さんに対する、覚せい剤取締法違反被告事件について審議を始めます。検察官が起訴状を朗読します。横で聞いていてください。検察官お願いします。」

検察官「公訴事実。被告人は法廷の除外理由がないのに、平成28年3月9日ころから同月14日までの間に、埼玉県内または、その周辺において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパンまたはその塩類若干量を自己の身体に摂取し、もって覚せい剤を使用したものである。罪名および罰条、覚せい剤取締法違反、同法41条の3第1項1号19条、以上です。」

裁判官「では検察官が読み上げた事実について審議をおこないます。そのまえに黙秘権について説明をしておきます。被告人には黙秘権という権利があります。したがって答えたくない質問には答えを拒むことができますし、最初から終わりまで、ずっと黙っていることもできます。もちろん答えることもできますが有利不利を問わず証拠となることがありますので、答える場合はその点を注意するようにしてください。それを前提にさっそく質問です。いま検察官が読んだ事実の中にどこか間違っているところはありますか?」

被告人「うんと・・・3月っていうのが、ちょっと違うと思うんですよね。」
裁判官「3月9日ころから同月14日までの間?」
被告人「もっと4月に近かったんじゃないかな。」
弁護人「(困った顔をしている。)」
裁判官「じゃあ日付以外は間違いないですか?」
被告人「はい。」
裁判官「はい。弁護人のご意見をお願いします。」
弁護人「被告人と同じです。間違いありません。」
裁判官「では証拠調べに入ります。もとの席に戻って座ってください。」

裁判官「それでは証拠調べに入ります。検察側の立証からおこないます。検察官お願いします。」
検察官「はい。検察官が証拠によって証明しようとする事実は以下のとおりです。まず被告人の身上経歴等ですが、北海道で出生、高校中退後、犯行当時は生活保護を受けながら、住居地にて単身で生活をしていました。前科8犯。うち同種前科3犯、前歴3件を有します。犯行にいたる経緯および犯行状況等です。被告人は平成16年6月に覚せい剤取締法違反で懲役2年の判決を受け服役し、平成18年6月に出所しました。出所後、被告人は北海道で生活をし、いったんは覚せい剤の使用をやめていましたが、出所して約1年後から知人から覚せい剤をもらったことをきっかけに、覚せい剤の使用を再開しました。それから被告人は平成24年に北海道から埼玉県に生活拠点を変え、武里総合医療センターで、覚せい剤治療の通院をしていました。しかしながら、そのような通院治療の間にも覚せい剤の使用は継続して使用しており、平成24年に埼玉に来てから、少なくても2回覚せい剤を使用しました。犯行状況は公訴事実記載のとおりです。第3として、その他情状等。以上の事実を立証するため、証拠等、関係カード記載の各証拠を請求します。」

裁判官「はい。では検察官の証拠請求に対する弁護人のご意見をお伺いします。」
弁護人「ちょっと被告人に質問してもよろしいでしょうか?」
裁判官「どうぞ。」
(弁護人と被告人がひそひそ相談中…)
弁護人「先ほどの件に関しまして、全て同意致します。」
裁判官「請求のあった証拠については、すべて採用して取り調べます。」
弁護人「甲乙号証ともいずれも書証についてはいずれも同意します。訴訟については異議ありません。」
裁判官「はい。では請求のあったものは全て採用して取り調べます。では検察官お願いします。」
検察官「1点いいですか? 今のお話のやり取りが少し聞こえてしまったんですけど、公訴事実は争わないということでよろしいでしょうか?」
弁護人「はい。」
裁判官「外山さんも大丈夫ですか?」
被告人「はい。」
検察官「はい。甲1号証および2号証は、被告人の尿の押収状況を明らかにする証拠となっております。平成28年3月14日付で、被告人から尿が任意で提出された事実を明らかにしたものです。甲3号証および4号証は被告人の尿から覚せい剤成分が検出されたむねの鑑定嘱託書および鑑定結果を記載した鑑定書となっております。試料から覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類の含有が認められるむねの内容となっております。甲5号証は、武里総合医療センターへの通院状況や採尿状況について明らかにする電話調書となっております。平成28年3月9日に被告人が、同センターに通院して、その通院日に採尿し、覚せい剤を使用しているかどうかを明らかにする証拠となっております。乙1号証は被告人の心情を明らかにする、検察官に対する供述調書。乙2号証および3号証は、被告人の覚せい剤の使用歴および本件の犯行状況等について述べられた、被告人の警察官に対する供述調書となっております。乙4号証は被告人の心情に関する証拠、乙5号証、乙6号証から乙9号証までは、被告人の前科前歴等の証拠になっております。以上となります。」


裁判官「これから被告人質問をおこないます。被告人は証言台に出て、椅子に座ってください。では弁護人お願いします。」

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