現行犯逮捕をする日のために その2
西荻ぷれま委員会のそーこと北村です。昨日の「現行犯逮捕をする日のために」というnoteをたくさんの方に読んでもらえてうれしいなーとおもっていたら、お世話になっている弁護士さんからも連絡をもらえて「書いておくって素晴らしいな」と思いました。
さて、昨日はパトカーで警察署に送られて取調室的な机一つと椅子二つがおかれた部屋に案内されたところまで書いたかと思います。その様子はどこかの会社に訪問したときとまるで変わらぬ感じだったのですが、違ったのはその後です。どこかの会社に訪問した場合、わたしの経験上その会社の人が出てきて話し始めることになります。しかし、現行犯逮捕をしたわたしは、多くの刑事さんがわたしたちのために書類を作成したり、犯人に話を聞いたりしている気配を感じながら、ひたすら取調室的なところで待つのです。
まあ、待つといっても全く人が来ないわけではないのです。書類を作っている刑事さんが確認に来たり、逮捕したあとに来てくれたお巡りさんが詳細を確認に来たり、あと、その部屋は一部ストレージを兼ねていて、そこにものをしまいに来る人がいたりしました。
ドラマの中で見るのとはちがう、実際に使われている感のある部屋は、物が置いてあったり棚が多少あったりして、それでいてなお、ドラマの取調室の描写を逸脱しないものでありました。写真に撮っておきたい気持ちはありましたが、残念ながら居室内の撮影録音は禁止されていました。ちなみに、警察の作る供述書類は、わたしの名前で記載してあるものであって、自分のお店の中でも撮影できません。自分が書いたことになっているのに!
さて、警察の方が部屋に来るとき、一番の用事は何だったと思いますか?
正解は「時間の確認」や逮捕時に「何をいったか」など事実の確認です。逮捕するということにおける事実の重要性ということ、わかってはいたつもりですが、正確に何時ですかとかいわれると、パッと出てこなくて焦ります。
そこで現行犯逮捕の豆知識3つ目「現行犯逮捕をしようと思ったら、録音か録画を回しっぱなしにしておくと良い」ということを学びました。
今回の現行犯逮捕では、すこしはなれた地点から犯人に気がついたので、動画を撮影していました。逮捕後すぐに警察をしたので、動画の中の時間と通報の時間とから計算して細かく正確な日時を記録にのこすことができました。
さらりと書いているのですが、現行犯逮捕するとき素人であるところのわたくしとしてはアドレナリンがでまくるような感覚があり、体が震えたり心臓がつよく打ったりとするわけです。そんな中で、これまでの数ヶ月にわたる警察の方とのやりとりから、ここでなにか怪我をさせたり、間違ったことを言ってこれまでのことを台無しにはしてはいけないと考えていました。つまり「問題あるようなことをしない」「問題あるようなことをいわない」事であたまがいっぱい。
そうすると「確保したときになんと言いましたか」とか、あんまり覚えてないんですよね。「警察を呼んで下さい」って叫んでいたことがビデオに音声のみで残っていました。画像がうつっていないところから、ビデオを撮影するという状況もやはり大変なストレスと緊張下にあったことが伺えます。
これから現行犯逮捕をするぞーというときがありましたら、ぜひスマホの録音をオンにしておいてください。きっとあとで役立ちます。
取調室的なところでの様子ですが、基本やることがありません。「すみませんがゆっくりしていて下さい」とか刑事さんに言われてしまいます。刑事さんは忙しそうです、ありがたいです、わたしは暇です。スマホのバッテリー残量が少ないです。意を決して「あのう、スマホの充電ケーブルをお借りできませんか」と聞いてみました。「あると思います」と言ってもってきてくださいました。私物なんでしょうねきっとどなたかの。
そしてTwitterをしたり、メンバーとSlackで雑談するなどして取調室的なところですごしていました。基本1人なわけです、部屋の中で。数時間いるとトイレに行きたくなったり、喉がかわいたりもします。どうしようかなっておもうじゃないですか。
取調室だとおもうと、なんか勝手に出たらだめでしょみたいな感じがする。しかしだれもいない。勝手に出て、取り調べをしている(ドアあいたまま)取調室的なところのまえをとおり、反対側には警察の方の執務スペースが有るところを通り、一応なーっておもって一度目は「トイレ言ってきますねー」と声をかけてでてきました。
しかし、行くときも、帰ってくるときも、余りみんな気にしている雰囲気がありません。皆さん仕事しています。おそらく「取調室的なところにいるときには勝手に出入りしていて構わない」のだと思います。これ、現行犯逮捕の豆知識4つ目にしておきますね。ちがったらどうしよう。
取調室的なところにいるとき、なんのためにいるかというと、作成されていく書類が適切である確認したり、事実関係を説明したりするためにいるのです。
書類といえば、なんでしょうか。
ちょうど、印鑑な人が大臣になったとかならないとか(ざつですいません)で今話題のあれです。
まあ、でもなくてでも大丈夫です。個人的にはスマホをもっていくことのほうが重要だとおもいます、なぜならすごい暇だから。
このあと暇すぎるわたしは、拇印について検索したところ、拇印とは右手親指の指紋のことらしいです。拇印じゃない何かを押します。黒いやつ、すごいです。紙には色が残るけど手からはすぐ色が消えます。警察以外にどういうところでつかわれるものなんだろうか、黒いやつ。
また、刑事さんが来ました。紙をもって。紙大好き、みんな紙。あ、でもデジカメは使っていました。スマホの画面をデジカメで撮影したり。スマホの画面、デジカメでとると反射してしまうので、スクリーンショット贈りましょうかって思ったんですけど、そういうわけにはいかないんですよね、うん。ちなみにデジカメは、外でもつかえそうなG-SHOCKデジカメ版みたいなものでした。うん、雨でも台風でも証拠を記録しないと行けない時があるんですね、と思い、犯罪はまってくれないもんなーなどと考えました。
盗まれた物やスマホなど、警察での書類作成に使われる物品については、その物品を提供するよっていう書類を作ります。リストは警察で作成されていて、その各々のところに「わたしに返して下さい」って書く仕組み。盗まれたものは7点だったので、7回書きました。
盗まれた商品
どうするんでしょうね。
書類を作る中でわかったことは
つい、警察の方がつくる書類をその書き方はあってるのか、万引きなのか盗みなのかを無駄にチェックするようになってしまいました。うちのみせ、開いてたりあいてなかったりしますからね、ややこしくてすいません。
おそらく13時ごろに警察署について、お店に帰ってきたのは19時半。
だいたい座ってスマホをいじっていました。
帰ってきたら最後のひと仕事、犯行を確認した場所、現行犯逮捕をおこなった場所を指差して、それを警察の方が撮影します。電信柱や街灯のような点で場所を特定できる2点からの距離を測定します。撮影にもいろいろコツがいりそうですね。
そして、一息ついて、警察の方とお話しているときに気づいたことが一つ。犯人は逮捕されているから損害を賠償してくださいとかそういうことがはなせない。今回は犯人がもはや病気ではないかとおもわれるような繰り返しだったり、警察に捕まって警察の方に「どうして盗んだんだ」っていわれて「ひとにあげるのよ。そのへんの子供連れとかに」といって怒りをあらわにするという、ちょっとこのひととはお話ができそうもないなあ(ひかえめ)という状況だったため、損害の賠償については他のご家族とはなすことを希望しています。もちろん逮捕、交流されているあいだ、そちらの話も進みません。
豆知識4.5としては「警察に引き渡す前に連絡先などは控えておくほうが良い」です。
まあでも、待っていると、犯人についた弁護士さん経由で連絡があるらしいです。
待っています。一段落つきましたが、ある意味、やっと始まったとも言えます。
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