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【ライブメモ】tacica猪狩翔一『oneman live “単独飛行” vol.2』 at 2023.09.18@ someno kyoto!

someno kyoto 6th Anniversary
「猪狩翔一 oneman live “単独飛行vol.2”」
2023年9月18日(月・祝)
18時半開場/19時開演(配信有)
※チケットソールドアウト


会場のことなど

大混雑。東京駅も京都駅も。特に訪日観光客が多い。新幹線も東京駅の時点でほぼ満席状態。さらに、9月も半ば過ぎというのに普通に夏。暑い。残暑こそ、従来の夏の暑さだったのではないか。

someno kyotoは入場のアナウンスがしっかりしている。開場時間より前に、先に検温してその証として整理券を配布。その後、会場から少し離れた場所が待機場所。番号が書かれたガムテープが地面に貼られ2列で待つ感じ。確認できたのは、Aの整理番号が50番まであったこと。BもCもそれなりの人数がいたので、全体で100名近くいたのではないか。

会場は座席有りで、1列10名ほど。いつもあるテーブルは無くみっちり。目一杯まで入れていた感じがする。

弾き語りライブでは女性客が多いが、ワンマンということもあってか、tacicaファンも多くいたような印象だった。tacicaのツアーTシャツを思い思いに着ていたのがとても良かった。最新グッズの、ロゴ刺繍シャツを着ている人も。

物販では、前回のワンマンの音源を収録したカセットテープ第2弾を販売。
猪狩さん自腹制作の「たぬきちキラシール」付き。今回は在庫は十分にあったよう。

カセットテープ第2弾と、6周年記念グッズのTシャツ。かわいい。

セットリスト

01. とうぼく<初> ※ずっと昔からある〜
02. 冒険衝動(tacica 2020年Sg)
03. デッドエンド(tacica 2022年AL『singularity』)
04. 夢中
05. ordinary day(tacica 2018年Sg)
06. ネバーランド(仮)<初> ※僕が今日の日を忘れなくても〜
07. 荒野をゆく ※悲しいことがあったらさ〜
08. ディスコード ※吸って吐いて〜
09. ナニユエ(tacica 2023配信)
10. ターナーの汽罐車(原曲:山下達郎)
11. 物云わぬ物怪<初> ※もう瀕死の太陽からあと何を貰おうと〜
12. LEO(tacica 2014年Sg)
13. ダンス(tacica 2022年AL『singularity』)
en1. アリゲーター(tacica 2011『神様の椅子e.p.』)with 小西さん
en2. Silent Frog(tacica 2008年AL『parallel park』)with 小西さん(カホン)
en3. ぼくら with 小西さん

18:05開演、本編19:34まで、アンコール入れて20:08終演。
初披露の新曲3曲、未音源2曲。

感想など

やや緊張した面持ちで、はにかみながら猪狩さんが登場。黒いTシャツ、デニム、メガネ。スタンディングで演奏。

1曲目から新曲。これぞ弾き語りの醍醐味。歌い終わった後に「タイトルは“とうぼく”です」と言っていたけど漢字が分からない。「倒木」か? 歌詞は親と子の関係性のような雰囲気。1曲目だからか、やっぱり尺は短め。

観客も戻った日常にまだ慣れないのか、そもそもそういうキャラでもないのか、会場は静かめ。

someno kyotoはとにかく音がむちゃくちゃいい。声帯ダイレクトで聴いてるんじゃないかってくらい高解像度でずっと惚れ惚れしていた。配信のアーカイブで観てもやっぱり音がいい。最高だ。配信の映像もむちゃくちゃ綺麗。

久しぶりに聴けたデッドエンドは、第一声が耳に届いた瞬間からアガった。詩を朗読するかのように、ゆったりと歌っていたのが良かった。

夢中を聴いているときに気づいたけど、猪狩さんの発する「あ」の歌い方が好きだ。〈奴の背を押す〜〉とか、〈いた穴を〜〉とかとか。倍音が際立つだけでなく、空気をほんのり含んだような音がとてもいい。思えば大好きなデッドエンドの歌い出しも〈いごとや〜〉だ。

はじめこそ緊張していたふうで、ぎこちない敬語のMCだったけど、時間が経つに連れいつもの感じになった。

MCでは、日々の暮らしのなにげないことをいろいろ話してくれた。

小学校の近くの川で課外授業があって、時間のある親御さんは安全確認のためにご参加くださいということで参加したそう。むちゃくちゃ暑かったとか、取り仕切るリーダーみたいな人がいたとか、橋の上から見守るつもりが川に入ったとか。

お盆明けに、実家の北海道・士別に帰った話。コンビニが消灯するほど、蛾が大量発生していたらしい。おまけに東京よりも暑かったそう。

演奏中はしっかり集中して静かに聴こう、という意識がみんなあったのか、ドリンクを飲むのも曲と曲の間に済ませるといった感じで、曲間になるとガラガラっという氷の音があちこちから聞こえて、それに気づいた猪狩さんが、「リラックスして好きなように観ていいよ」と言ってくれていた。けれど、自分もクラシックコンサートを鑑賞しているかのように、演奏中は物音立てずに集中して聴いてた。でもそれが心地よかった。

新曲ネバーランド(仮)。サビ終わりの一節、くりかえされる〈ネバーランド赤い夕日〉が印象的。

「脳」と「意識」にタイムラグがある話。そんなことをすでに歌っていたのでは、と言って始まったディスコード。聴いてなるほど!ってなった。〈心臓が先か 脳が先か〉のことだ。この弾き語りライブの数日後に、猪狩さんのインスタストーリーズで、ベースとドラムが入ったスタジオで録音されたと思しき音源が、“匂わせ”で数秒だけ公開されていた。楽しみ!!

ナニユエは弾き語りで2度目。この曲はパワーがある。指折りで好きな曲に入るかも知れない。もしかしたら今回のワンマンは森田さんがアンコールで登場するのでは!? なんて思っていたけど、ナニユエを歌った時点でそれは無いか…ってなった。でもその代わり、新代田crossingで共演することが告知されてめっちゃ嬉しかった。本当に実現してくれてありがとうございます。

またも新曲、物云わぬ物怪。これは発掘した音源だったそうで、“物怪”というタイトルが付けられており、ベースもドラムも打ち込みで入っていて、ギターもコーラスも入ってて、すでに全部できあがっていたそう。だから「他人の曲を歌ってるみたい」と。ちなみに新譜『YUGE』には収録されないとのこと。

新曲などが続いたなかで、後半に歌われたLEO。王道感のあるキラーチューンであることを改めて認識したし、ほんのり安心感があった。

単独飛行vol.1は名古屋、今回は京都で、「単独飛行感あるよね」と。「またやるのでぜひ来てください」の言葉がとても頼もしかった。楽しみ。

本編ラストのダンスは、いつになくやさしく囁くように歌っていたように感じた。叫び系の猪狩さんも好きだけど、囁く猪狩さんも好き。メリハリがとてもいい。

アンコールで小西さん登場!

アンコールでは、「ソメノキョウト」の白Tシャツに着替えて登場し、今後の弾き語りライブの告知など。

あと、たぬきちがアパレルになる話も!スウェットとかいろいろあるらしい。売上の一部は愛護団体に寄付されるそうで、「彼(たぬきち)の恩返しのようなものになるのでは」ということだった。

小西さんを呼び込む猪狩さんが、はにかんでいて微笑ましかった。tacicaなのに、でもいつもとはちょっと違う。不思議な距離感がうける。

弾き語り初披露のアリゲーター!!!!! BPMが遅めなのもむちゃくちゃ新鮮。小西さんのベースもしっかり味わえた。メロディの良さが際立っていた。ライブで聴きまくって、いつからか大好きになっていた曲。

Silent Frogでは小西さんはカホン。聴き慣れた弾き語りでもカホンが入るとまた印象が変わる。

今回は弾き語りでお馴染みのぼくらをやらないなと思ったら、まさかのアンコールラストに小西さんのベースとともに披露。音源化フラグ!?と期待するけど、そこはかとなく物怪感はしない。果たして。

前回の名古屋CLUB UPSETでの単独飛行が集大成と思っていたけど、全然、通過点に過ぎなかった。進化し続ける猪狩さん、すごい。

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