【ライブメモ】tacica猪狩翔一『新代田で会おうよ。』 at 2021.07.17 新代田crossing
概要
新代田で会おうよ。
猪狩翔一(tacica) / Ryu Matsuyama Solo / 近藤康平
2021年7月17日(土)@新代田crossing
17時開場 / 17時半開演
有観客&生配信
セットリスト
01. 大陸(tacica 2013年AL『HOMELAND 11 blues』)
02. 僕ら ※細胞からやり直して〜
03. 冒険衝動(tacica 2020年Sg)
04. 夢中 ※彼奴の背を押す強い風が〜
05. デッドエンド ※争い事や急なお別れに悲しくはなれども〜
06. ダンス ※灯台の明かりを消したのは〜
en) Silent Frog(tacica 2008年AL『parallel park』)
猪狩さんは二番手。45分の持ち時間。「近藤さんと一緒だと喋りすぎちゃう」ってことで、今回もそんな感じだったよう。
会場とか服装のメモ
梅雨明け早々酷暑。暑すぎる。溶ける。こんな日こそ、tacica傘の出番だった。有観客は20名ほど。ドリンク代500円で、アルコール提供なし。
近藤さんとはつい先月共演しているので、2ヶ月連続。新代田crossingの限られたスペースで近藤さんの絵をどうやって映すのかと思ったら、客席の横(道路側の壁)にスクリーンが設置されて、近藤さん自身は客席後方で描くかたちだった。
競演のRyuMatsuyama Soloさんは、普段はご本人の名前かつバンド名でもある「RyuMatsuyama」で活動されていて、一人のときは「Solo」と付くのだそう。なるほど。キーボードとMacとiPadの要塞で弾き語り。シンセパッドもあったりしてとても好きな感じだった。
RyuMatsuyamaさんの機材を撤収した後に、猪狩さんのセッティング。その風景は新鮮だった。
楽曲やMCのメモ
猪狩さんの服装は、ダニエルジョンストンのTシャツ、黒のパンツ、グレーのニューバランス。いろはすとクラフトボス。
RyuMatsuyamaさんは近藤さんと演るのが今回初めてで、いかに一緒にできて嬉しいかを伝えており近藤さんもそれに応えていたこともあって、猪狩さんは出てきて早々、「僕よりも楽しそうに喋ってる」「もう自分のことは飽きられちゃったかな」みたいな嫉妬を表していて笑った。近藤さんは「そんなことないから!(笑)」と強くフォロー。それから猪狩さんもRyuMatsuyamaさんに倣って、3曲ほどは演奏する曲のタイトルを前もって言うスタイルになった。
近藤さんから「セットリストは事前に決めているの?」という質問。「なんとなくは……。近藤さんとやるときは(喋りすぎちゃうから)いつも2曲くらい削ってます(笑)」と。すると近藤さんは「じゃあ今度やるときは、前半はトークショーで、後半は歌だけにするとか」と言うと、「話メインになるとそれはそれでプレッシャーになってしまうんですよねぇ」みたいな話の流れで、「あれ、そういえばラジオやってるんじゃなかったっけ?」と、喋る鹿の話題に!「喋る鹿は基本的にノーカットだから、ちゃんとカットすると10分くらいになると思います」という説明に笑った。
前回の下北沢440でのライブMCの続き。近藤さんがちょうど札幌に仕事で行ったので、無くなっていた商業ビルの写真をマネージャーさん経由で猪狩さんに送った話とか。
「夢中」は猪狩さんの低音から高音へと伸びやかな歌声が聴けるので、これぞライブの醍醐味という感じで好きだ。
「普段、tacicaというバンドをやっていて……あ、いや、"普段"は、猪狩翔一で……」みたいな、猪狩さんのこういう丁寧な表現をするところが好き。楽曲にもこうした部分が細部に息づいていると思っている。
ツアーが終わって一段落したので、健康診断を受けたという。とても健康体で、「どうやら犬の散歩が良いみたい」ということだった。結果が来た後、たぬきちをめっちゃわしゃわしゃ撫でまわしたとのことだった。なにそれ見たい。
今回も「デッドエンド」がいたく沁みた。アーカイブ配信で何度もくり返し聴きまくった。ところで、猪狩さんの歌詞でよく「絵の具」が出てくるけれど、どういう意味合いの比喩表現なのだろう。感情とか喜怒哀楽とかそういったことだろうか。あと、〈立ち向かう時使う勇気を 立ち止まる時に使うのもいいさ〉というフレーズをお守りのように大切に胸にしまっている。
最後は「ダンス」で締め。時間が迫っていたこともあり、一応マスクして退出するそぶりは見せつつ、鳴り止まない拍手を受けそのまま「アンコールありがとう〜」となった。
猪狩さんが「カエルの歌をやります」というと近藤さんがやや困惑していることに気付き、「あ、あの(=童謡の)カエルの歌ではないです。カエルがテーマの歌です」とフォロー。そうして始まった「Silent Frog」。弾き語りでたまに歌ってくれる曲。弾き語りきっかけで好きになった曲のひとつ。
このライブ以降、弾き語りライブも告知がないのが悲しい。しばらくはレコーディングなど作品づくりの期間に突入するのだろうか。次の動きを楽しみに待ちたい。