33歳派遣社員の私が好きになってしまった相手の男性〜2

東北さんとの出会いから二日目、そこそこの偉いさんが私たちのチームに来た。
どうやら東北さんの様子見と東北さんを紹介してくれるらしい。

私がいるチームは東北さんと出雲の他に私とパートさん一名、東北さんと同じく正社員が二名だ。
たぶん、私が思うに東北さんはかなりの出世と思われる。
前回の正社員が移動してきた時はこの偉いさんは来なかったはずだ。

偉いさんの仕切りで東北さんの紹介が始まった。

かっこいい。

なんなんだ、このさわやかさは。

偉いさんが
「彼は派遣社員から正社員になったんだよ」と言ってきた。

え、、、、?

私達と同じ派遣社員だったの?

きっと出雲や私と違い社内講習も出て試験に受かったのだろう。
爽やかで努力家って私はもちろんの事、周りにもいないタイプだったから衝撃だ。

偉いさんの挨拶も終わり、仕事をしようと思ったら出雲が東北さんに
「東北さん努力家ですね。社内試験難しいのに」と普通に話かけているではないか!!
東北さんは
「いえいえ、そんな事ないですよ。出雲さんもぜひ」
出雲
「いや〜俺もスヌ子(私(仮名)もグータラしたり努力とは無縁なんで無理っすよ(笑)」と言っていた。

おい、
私もついでに言うな!!
私はあなたよりは努力家ですよ??
少なからず私は正社員に一度はなりましたから!!と軽く上から目線。

午前中は挨拶やら社内探索?をしていたらしくほとんど東北さんは自分の席にいなかった。

昼になり私とパートさんと出雲の三人で社食に行った時後ろから
「僕も一緒にいいですか?」と声が聞こえた。

なんと東北さんだ。
私に「仲間に入れて!」と言っている。
と思ったが、目線は出雲を向いていた。

ここの社食はわりと美味しく私はB定食のフライ系を食べるのが日課だった。
家ではフライを作らないし、麺は家で食べている。
そうなるとフライ系一択だ。

でもさすがに東北さんの目の前でソースだのマヨネーズだのがっつきたくない。
控えめに「冷やしたぬきそば」にした。

当たり前だが、出雲に
「おい!足りるのかよ〜(笑)二日酔いか?(笑)」と突っ込まれた。
ちなみに東北さんはB定食だった。
アジフライが好きなのか?
フライが好きなのか?
仙台ならカキフライ?とかまたいらぬ事を考えていた。

緊張してそばをすすれない私だったが、出雲がかなり良い仕事をしてくれた。
いろいろと情報を聞き出していたのだ。

彼は30歳らしい。
宮城出身で「独身」との事。
一人暮らしで自宅は私とわりと近い駅だ。

駅名を聞いた時私は反応したのだが、パートさんが「そこの駅って前に住んでたよ」と話を持っていかれてしまった。
なんと言う!!!
話泥棒が出雲の他にまだ居たとは!!!

緊張で食べれない私は初めて昼ごはんを残してしまった。
出雲には「どしたん?東北さんがいるから緊張してるの?」と東北さんの前で言われてしまい、ますます出雲には怒りしかない一日だった。

私はもしかしたら恋煩いでゲッソリ痩せてしまうかもしれない。

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