必要に応じる
U9のチームの一つの監督を任されてもう2週間が経つのですが、チーム全体としての課題に取り組みながらも個人の良いところを発見している段階です。
彼らは2013年生まれ。9歳の選手がほとんどで、もちろん、まだまだ子供としての無邪気さがトレーニング中でも消えません。
例えば、コーチが話をしている時に人工芝のゴムチップいじっちゃったり、他の選手と話すことに夢中だったり、ボールが蹴りたいからずっと足でこねてたり。
僕はそんな様子を黙って観察するのですが、僕がみんなを集めて話そうとしていることに気付ける子も何人かいる様子でした。
すると、あまりにも騒いでる様子に痺れを切らしたのか、7人制のディレクターを務めているオッチャンが選手たちの姿勢を厳しく注意していました。
「コーチが君たちに話をしているんだぞ。ボールは触らないで、コーチの前に集まって、練習することを聞きなさい。」
そんな感じで2週間は、他のコーチやディレクターやらに怒られている場面がちらほら。
最初は、色んな大人がいる中で揉まれて自分達で気づいて成長してもらえれば良いや、なんて理想と希望を抱いていました。
しかし、プレシーズン2戦目。
相手がとてもサッカーを理解して、チームを表現できる素晴らしいチームでした。
そんな相手にアップもだらだらで、フォワードで出たいだのディフェンスは嫌だのグダグダで試合に入ってしまい、勝てるわけがありませんでした。
相手がどこでも同じ結果だったと思います。
そして月曜日の練習では、試合のことは覚えてるもののトレーニングの姿勢は全く変わらず。
ぐだぐだー。だらだらー。
さすがにここは僕の出番だと感じました。
「君たち好きな選手は誰?
じゃあその選手って練習中にずっとお話ししてると思う?
そんな練習して上手くなれると思う?
今日何か学んだ?上手くなったことある?」
最後のトレーニングの説明をする前、彼らにこう聞きました。
なるべく自分ごとになるように、そしてきつめの口調でも怒られていることよりも今のままじゃダメなんだとハッと気付けるように、考えた上での策でした。
彼らはとても賢いんです。
質問をすれば、ちゃんと自分なりの答えやアイデアが出てくる。ダメだった時には何をしたほうがいいのかも言葉にして伝えることができている。
それが行動にまだつながっていない段階。
年齢どうこうの話というよりもそれぞれの成長過程の話だと思っています。
日本とスペインの比較、ではなくて個人と全体に向き合った上でのコミュニケーションの話。
これからちょっとずつでいいからサッカーをもっと上手くなりたいって思えるように、そしてチームの為に戦いたいって思えるように。
サッカーの魅力をつたないスペイン語で伝えていくことをこれからも挑戦していきます。
この支援は必ず誰かのありがとうに。