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君が悪くないことで君には傷付いてほしくない絶対


「お前はブスのくせに」って言って
堂々といじめてきた
あいつらの顔が忘れられない。
「お前は美人だもんなぁ」って言って
散々セクハラしてきた
あいつの顔が忘れられない。

わたしの容姿がどうだとか、
一体何の関係があったんだろう。
わたしの容姿がどうだとか、
なんであいつらが決めたんだろう。
わたしの容姿がどうだって、
あいつらはわたしに
「こいつには何してもいい」って
決めつけてたんじゃないのかな。

目眩がする。

わたしは、今でもわたしの容姿を
上手く捉えることが出来ない。

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生まれた国とか家族とか性別・性自認とか
身体のこととか見た目とか
君が生まれてきた時に
たまたま持ち合わせていたものを
誰かに蔑ろにされてほしくない、と
心の底から思っている。

男だから耐えろとか
女は可愛い方がいいとか
これだから日本人はとか
ゆとりだからだめだとか

その他色々君を括る言葉は
たくさんあったと思うけど、
どうかそんな言葉たちに
押し潰されないでほしい。
君は絶対悪くない。

君が生きるこの世はままならない。
理不尽なことも多いし、
冬は寒いし夏は暑い。
一切皆苦な世の中かもしれない。

そんなたくさんの『大変』が
集まって出来たこの世界でも、
君が君であることは
全く悪いことではないんだ。
『大変』の理由のひとつに、
君が持ち合わせていたものを
誰かに否定されることが
含まれていてほしくないんだ。

例えば君の目がどうだとか、
親がどうだとか。
そんなことは君を傷付ける
材料にすらなりやしない。

だけど、あいつらは
その材料モドキを大層偉そうに掲げて
君を襲ってくる。
わたしも散々やられたよ。

ズタズタになった。
ボロボロにされた。
今でも涙が出るくらい。

それでも、
やっぱりわたしたちは絶対悪くない。
絶対悪くないんだよ。

それだけは分かってほしいんだ。
わたしは、わたしたちは、
誰かに否定される筋合いはない。

君を君たらしめているあれこれは、
本当はそんなところにはない。

君の国がどうだとか
好きになる人が異性かどうかとか、
そんなことは、実をいうと
さして重要じゃない。

例えば、絵が得意だとか、
好きな色はブルーだとか。
そういうことのほうが、
よっぽど君らしさなんだと
わたしは思っているんだよ。

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「ブスだから」って
いじめられた。
「可愛いね」って
セクハラされた。

心の中でどれだけ呪っても、
わたしはそれらに正面から
立ち向かえなかった。
泣き寝入りするしかなかった。
受け流すには傷付く言葉が多すぎた。

こういう経験をしてしまうと、
「自分がこうだから」と
がんじがらめになってしまいがちだ。
相手の諸々を真に受けて、
自分で自分を縛ってしまう。
それは無理もない。
鋭利な言葉は深い傷を残すものだ。

だけど、だからこそ
こうして君に何度でも伝えたい。
君が悪くないことで
君には傷付いてほしくない絶対。

アイデンティティは、
そんなところに落ちてやしない。
君は君を堂々と生きてほしい。

わたしもわたしを生きてみるよ。
もしどこかで会えたら、
何色が好きか教えてね。

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