SNSマーケとSNSシフト ーその構造の違いを文脈と図表で紐解く #情報発信学
SNSはツールなのに何故SNSの奴隷になってしまうのか?SNSはCMより安くできるデジタル・ツールなのか?SNSマーケティング界隈はなぜカタカナ英語が多いのか?SNSマーケティングって結局クライアント次第なのではないか?SNSマーケティングの文脈はビジネス閉塞感がある気がするのは自分だけか?SNSマーケティング界隈を眺めていると色々な疑問とモヤモヤした気持ちが膨らんできます。それはクライアントとWinWinと言いつつ実は呉越同舟のような本音と建て前あるからでしょうか。その辺を図表化して紐解きたいと思いました。SNSマーケティングから脱却して次へ進みたいと思います。SNSシフトとはSNSをツールとして自社戦略にどう上手に使うかの概念です。
※6/10(木)第2回SNSシフト 開催告知が一番下にあります。
池松潤(いけまつ じゅん)
恋愛小説家/ サイボウズ式第2編集部 / アウトプットLAB 情報発信学 SNSコーチング ※登壇・イベントなどは ⇒ コチラ
SNSマーケティングとは
SNSを用いて行うマーケティング手法のことで企業が商品やサービスの情報をSNSを介して発信して認知度や好感度を高めることを目的としています。効果的なSNS運用を行うことで短期間で急激に認知度やアクセス数を高めたり顧客とのコミュニケーションを通じてロイヤリティを高めることが可能です。SNSマーケティングは企業の広告宣伝媒体のひとつで「ソーシャルメディア・マーケティング」とも呼ばれます。SNSを通じて企業と消費者が直接コミュニケーションを取ることができるので企業側から見れば消費者の反応を把握しやすく既存顧客だけでなく幅広いユーザー層への情報発信をしやすいというメリットがあります。
SNSシフトとは
SNSはツールです。しかしSNSプラットフォームに振り回される事ではなく複数のプラットフォームを組み合わせて上手に使いこなすことで自社のゴール戦略に合致した使い方ができます。過去の広告宣伝の延長線上としてSNSマーケティングをするのではなく、SNSツールをどう使うか再定義することでSNSを使う意味と価値を全体最適化させることができます。当然、成果の測り方も変わるのでSNSをどう使うかも変わります。そのためにはSNSの使い方を社会構造の変化や価値観の多様化から再定義することが大事です。SNSシフトはプラットフォームisキングと呼ばれた過去からの文脈ではなくSNSをツールとして自社戦略にどう上手に使うかの概念です。すべてとはいいませんが従来型クライアントの広告・宣伝の思考様式の延長線上に未来はあるでしょうか。クライアントとデジタルエージェンシーとインフルエンサーという鉄板トライアングルから脱して新しいフレームワークを作ることが大事で、SNSプラットフォームありきからの発想から脱してこそ、新しい地平線を見ることができるのだと思います。
SNSマーケとSNSシフトの違いを図表と文脈で紐解く
SNS中の人の限界は業界構造にある。組織人は江戸時代のお侍さんに例えると分かりやすい。
クライアントの成功事例に活路を求めるけど、クライアントの担当者は企業内部と外界とのギャップに挟まれて身動きが取れない。そんな光景は30年前から変化していません。つまり従来型の広告ビジネスの延長線でビジネスをしているからです。私はそんな業界から離れてすっきりして興味もなかったのですが、SNSコーチングをしていると「またその構造かい!」と感じることが増えました。
これの様相は例えると、江戸時代のお侍さんの構造に似ています。企業が江戸城ですね。その中で働くのがお侍さんです。城内(企業内)では裃(かみしも)を着て(ジャケットを着て)肩書きと身分で城内の行動が決まります。もちろん価値観や思考様式も脈々と受け継がれるしきたりを中心に構成されていて城外の新しい変化に対応することが苦手です。黒船がきても鎖国や攘夷を言うお侍さんも減りません。しかし徳川と薩長のような新旧交代は確実に起きています。製造メーカーより新興Saas企業へ勢いがシフトするのは当然でしょう。しかし肝要なのは黒船や新技術による社会構造の変化です。SNSマーケは江戸城内のマネーをあてにした構造なのが閉塞感の源流なのだと思います。
しかし有名大学から大手商社へ就職した人から見れば、新興Saas企業の年収や保証は薄っぺらく見えるかもしれません。いつの時代も過渡期はその辺がまだら模様で白黒がはっきりしないので若い人には分かり難いのだと思います。しかし社会構造は確実に変化しています。ヒトの常識や価値観も変化しています。その変化の本質を「業界構造」から眺めて「各所の違い」を見るとどの方向へ向かうのかは把握できるかもしれません。
SNSプラットフォームを舶来品のように「ありがたや」思考様式ではツールの奴隷化するだけで真の課題解決はできない。
多くのデジタル・エージェンシーはSNS広告を売ってきた時代からSNSプラットフォームを取り扱い広告商品として扱ってきた歴史があります。この文脈はテレビ時代に電通が築いた「媒体枠売り」の概念です。過去には広告主クライアントと媒体社と広告代理店の鉄のトライアングルが業界構造でした。この文脈を理解していると「なーんだSNSになっても業界の思考様式は変わってないじゃん」と感じるのです。
例えば、SNSプラットフォームをメディア資料のようにMAU(マンスリーアクセスユーザー数)数値データを出すのとか、利用者層を性別・年代別データを出すのとかは、これって「ターゲットは?」と言ってたテレビ時代の概念を感じさせます。クライアント側の社内説得をしやすいからテレビ時代に似た数字の出し方をするんじゃないかと思ってしまいます。
SNSマーケって何処までいっても「過去の広告屋」と同じ臭いがするんですよ。僕はこれを自戒的にクレクレ乞食・根性って言うのですけど、本質的にビジネスモデルの何処が進化したのでしょうか。やっぱり小利口に小賢しく稼ぐDNAに頼って新しいビジネスモデルに挑戦をしてこなかったからと感じてしまいます。まぁ挑戦すれば偉いってわけでもないんですけどね。業界で変わろうとする芽が育たなかったって事だと思うのです。それって業界リーダー企業にその意識が無かったという構造があったからなんでしょうけど。
今までと違う「昨日できなかった事が今日できるようになる」ビジネス
今まではテック系Saas企業が主流でしたが、昨今は文系出身トップのSaas企業が増えてきました。両者は似ているようで非なる思考様式です。テック系がプログラム思考至上主義とすると、文系はエクセルからサービスを作るような人間関係を最適化させるSaasを作っているように感じます。スキマバイトアプリを展開するタイミーや。決裁者マッチングアプリのオンリーストーリーを眺めていると、新しい思考様式のビジネスが出資されて育って大きくなってくるのが分かります。変化は常におきているのでこの思考様式に従来のSNSマーケの文脈が有効かと考えると、何らかの脱皮が必要になるのではないでしょうか。それとも受託的ビジネスは無くならないので従来型のSNSマーケが色濃く残るのかもしれません。私にはわかりませんが、クライアントと呼ぶビジネスモデルでは新しいビジネスの循環構造はできません。本当の意味でのWinwinなど無いからです。呉越同舟的なパートナーシップとでも言いましょうか。真の意味のパートナーシップとはビジネスモデルにプラットフォーム圏内と圏外を循環する構造のDNAが組み込まれていないと成立できないと考えるのです。
ビジネスモデル(収益モデル)を変えるのは業界常識から飛び出して新しい地平線を切り拓くこと。
「バカ者・若者・よそ者が変える」とは地方創生・界隈でよく聞く言葉ですが、この国のあらゆる場面で似ている様相が透けて見えます。失われた30年が60年になるのは避けられそうにありません。ではその空気に馴染むのか、それとも隙間を狙うのか、はたまたぶっ飛んだ思考で挑むのか。それに正解は無いと思いますが、新しい地平線を切り拓くことが大事だと思います。
SNSマーケから脱却して殻を破りSNSシフトへ
SNSプラットフォームをツールとして組み合わせて上手に使う。そしてプラットフォーム圏内と圏外が循環するエコノミーを作る。これはサーキュレーション・エコノミーと呼べるのかもしれません。従来の考え方脱却すれば新しい地平線が見えてくる予感がします。(この辺は論ずるより実行した方が早そうです)そのためにまずはSNSシフトをイベントとして集合知と交流の場に育てたいと思います。共感して頂ける方とお会いするのを楽しみにしてます。
SNSシフト#2 詳しくはコチラからどうぞ。▼
6月10日(木):20時00分~21時30分(開場・19時45分)
前半・オンラインLTトークイベント(無料/zoomウェビナー形式)
・オープニングトーク:「鬼フィードバックというSNS道場とは」前田デザイン室・勝てるデザイン(幻冬舎)4刷 前田高志さん+池松
・LT1・木村石鹸・大正13年創業四代目社長 木村祥一郎さん
・LT2・株式会社SmartHR インハウスエディター 大久保志朗さん
・LT3・note株式会社 ユーザーコミュニケーション担当 金子智美さん
・LT4・ キナリ杯超無限優勝・前田デザイン室「鬼フィードバック」1&2執筆・4期メンバー 斎藤ナミ/パン子さん
・エンディングトーク 「決裁者マッチングサービスとSNSは人材採用や新規顧客獲得をどう変えるか?」オンリーストーリー COO 川角健太さん+池松
後半・オンライン交流会(有料/zoom会議室ブレイクアウトルーム形式)※登壇者や参加者同士の繋がりの場があります
※ZoomとDISCORDを利用しますのでEメールで前半とは別のURLをお送りします