
ショッピングセンターの賃料と出店コストを徹底解説!
こちらの記事ではショッピングセンターへの出店を検討している方に、必要な経費や賃料の仕組みを詳しく説明します。出店前に知っておくべき費用をまとめました。
1. ショッピングセンター出店にかかる費用
ショッピングセンターに出店する際は、ランニングコストとイニシャルコストの2つに分けられます。
💡ランニング経費
●賃料(固定賃料・歩合賃料)
●共益費
●駐車場費用
●販促費
●テナント会費
●両替機使用料
●預り金手数料
💡イニシャル費用
●内装管理費
●現場協力費
●敷金
ではそれぞれの費用を見ていきましょう。
2.賃料の仕組みを詳しく解説
固定賃料とは
固定賃料は坪単価で計算される家賃です。計算方法は以下の通りです。
💡例)30坪で坪単価10,000円の場合
月額賃料:300,000円(30坪 × 10,000円)
歩合賃料(変動家賃)の仕組み
歩合賃料は、売上に応じて変動する賃料システムです。
主な特徴は
●売上に対するパーセンテージ課金
●最低売上保証の設定
💡【具体例】歩率:10%、最低売上保証:300万円のケース
月間売上200万円の場合:最低売上保証の300万×10%=30万円
(最低保証額)
月間売上400万円の場合:400万×10%=40万円(売上の10%)
最低売上保証額が設定されていると、売上が届かなくても設定した売上に歩率パーセンテージのお家賃になります。
賃料の調整方法
①逓増とは
●逓増:売上が1000万円を超えると歩率が上昇
┗歩率10%ですが、1000万を超えた超過部分に関しては12%です。
💡例)月販1200万の場合
1000万×10%=100万
200万×12%=24万
合計124万
②逓減とは
●逓減:売上が1000万円を超えると歩率が低下
┗歩率10% 1000万を超えた超過部分に関しては8%
💡例)月販1200万の場合
1000万×10%=100万
200万×8%=16万
合計116万
3.共益費・駐車場費の仕組み
共益費とは
共益費は、ショッピングセンター内の共用部分(エスカレーター、エレベーター、トイレなど)の維持管理費用です。デベロッパーとテナントが共同で負担し、施設の質を保つ重要な費用となっています。
💡主な共益費に含まれる費用
●共用設備(エスカレーター、エレベーター、トレイなど)のメンテナンス
●清掃費用
●設備更新費用
駐車場費とは
お客様用駐車場の維持管理費用で、以下の点に注意が必要です。
●お客様向け駐車場が対象
●従業員駐車場とは異なる
●施設の利便性向上に不可欠な費用
テナント会費の役割
テナント会費は、ショッピングセンターの運営改善を目的とした重要な費用です。
💡テナント会費は何に使うの?
●商店街のような共同運営の考え方。テナント会を運営するための費用です
●集客イベントの実施
●共同マーケティング活動の支援
●スタッフの教育
テナント会費は、商店街のような共同運営のための費用で、デベロッパーとテナントが共同で販促の会議や運営を目指すための費用です。この費用は、ショッピングセンターの運営をより良くするために徴収されます。
販促費用の内訳
販促費は、チラシを出したりイベントを開催するための費用で、通常は売上に対して1%程度の費用が徴収されます。固定の賃料のテナントに対しては、月額2万円ほどの金額が徴収されることが一般的です。
💡販促の参考事例
●チラシ制作
●イベント企画
●誕生祭などのセール企画
4.その他の主要費用
イニシャル費用
●内装管理費:内装管理会社への初期投資
●現場協力金:工事関連の仮設費用
●敷金:リスクヘッジ目的の資金
付随費用
💡必要であればかかる費用
●両替機使用料: 両替機を利用するための費用。小銭を用意する手間賃
●預り金手数料: 日々の売上を金庫に入金する手間を省くための費用。テナントにとっては管理の手間が省けるメリットがあります。
●倉庫使用料
●外壁看板費用
出店時の追加費用
出店時には、以下の費用が発生します。
💡オープン販促費
●フロアガイド更新
●ホームページ更新費用
20万~50万円ほどが一般的になります。
5.ショッピングセンター出店のメリット
費用は多岐にわたりますが、以下のメリットがあります。
<aside> 💡
●高い集客力
●テナント間の相乗効果
●路面店と比較して売上が取りやすい
コスト vs メリット
●多くの費用が発生
●集客力とビジネスチャンスで補える
●戦略的な出店計画が成功の鍵
ショッピングセンターでは、多くの費用が発生しますが、路面店で出店するよりも客数が多く、テナントさんの相乗効果もあります。売り上げも取りやすく、高くなりやすいという点がショッピングセンターのメリットです。
しかし、その分コストもかかる点に注意が必要です。集客力があり、購買意欲・消費意欲の高い消費者が多く通行するため、売上が爆発的に飛躍する可能性もあります
6.まとめ
ショッピングセンターへの出店は複雑な費用体系ですが、適切な理解と準備により、大きなビジネスチャンスを掴むことができます。
ショッピングセンターの運営には、多岐にわたる費用がかかりますが、これらの費用は、共同で販売促進を行うための必要経費と見ることができます。デベロッパーとテナントの密な連携が必要であり、適切な費用管理と運営が重要です。