もしも政権が取れたなら(リベラル政権の未来予想図)
J・リベラルが仮に政権を取ってしまったらどうなるのか……という未来予想図を考えてみます。
彼らが衆院選で掲げている政策が実現されるか、と言われると、多分無理だと僕は思っています。
というのは、
政権を取ったら多数派なんだから、どんな政策でも簡単に実行可能なわけではありません。
当然ですけど。
リベラルセンセイはなんか「政権を取れたらなんでも思い通りに行く」とか思ってそうですが、そんなわけはありません。
政権は有権者からの白紙委任状ではないし、官僚は政権に絶対服従する奴隷でもない。対抗勢力の野党も存在する。
ていうか、多分そういう甘い見通しだったからこそ、かつての政権交代は大失敗した。
最近だと石破さんが総裁になったとたんに色々と方針転換してましたが、つまりそういうことです。
(https://x.com/yutakashino/status/1840773916878672147より引用)
総裁も首相も独裁権限を持つ絶対者ではないんですよね。
自分の意思をなんでも通せるわけではない
……まあこれは、強力なリーダーシップで大きな改革を迅速に実行するということが難しいともいえます。
民主主義とはそういうシステムです……それがいいか悪いかは別として。
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国という巨大な利害対立のある集団で何かを実現させるためには、地道な調整と折衝が必要になります。
そして、こういう地道な実務能力っておそらくJ・リベラルに一番欠けている部分だと思うんですよね。
それに自分の主張を通す時には妥協も必要となるわけですが、
自分は正しい!リベラル思想!
と、妥協という行動は、致命的に相性が悪い。
しかし政府与党として権力を握った場合、一番必要とされるのはこの地道に政策を実現する能力です。
折衝と妥協と調整無くして物事は進まない。
カッチョイイ政策を掲げるのは簡単にできる。
重要なのはそれを実現できるかです。
ていうか、権力を持っている与党より野党の方が余程フリーダムなんですよね。
野党は実現能力なんて必要ないから、理想的なことでもなんでも好きなこと言えますからね。
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そして、もう一つの対立要素。
それはJ・リベラルの内部的なものです。
仮にリベラル政権が成立したとしても、立憲民主党単独での過半数は難しいでしょう。
もしくは最大多数の議席を確保したけど単独での過半数は取れていないという状況になるか。
となると何処かと組むことが前提となる。
相手はれいわとか共産党とかでしょうか。
いわゆるJ・リベラル勢力は自民党や維新などの後進的で邪悪な壷連合と対峙している場合は小異をしてて団結できるかもしれません。
しかし一たび権力の座についたら、確実に内輪もめが始まります。
なんせ、
自分たちは正しいと思う人の集団
ですからね。
ていうか、恐らく立憲民主党は自民とか維新とかとは妥協する目があると思います。
敵対勢力との妥協は合理的判断として許容する余地がある。
しかし、同系列の思想を持つ集団との妥協は、「正しさ」を譲ることになる。
ある種の神学論争になるので、ここでの妥協は難しいと思います。
某宗教も、同じ宗派内で派閥があって争ってるじゃないですか。
あれと同じになるんじゃないですかね。
立憲民主党は野党第一党であり、良くも悪くも大勢力です。
だからこそ、党内でもある程度の思想の振れ幅があり、それが包容力を産む。
(https://x.com/sspmi/status/1838210878363074743より引用)
しかしれいわは共産党のような強固な思想を持つ少数で結束した集団には妥協の余地はない。
彼らは自説を絶対に譲らないでしょう。
一方で立憲民主党にも最大勢力としての矜持があるわけで、10議席程度のポンコツ少数派にデカい口を叩かせることはしないでしょうしね。
揉めること間違いなし。
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民主党政権時代の悪夢は、円高とか消費税増税とか、辺野古移設とか色々言われますが、真の悪夢は
烏合の衆が何もできず右往左往していたこと
だと思っています。
消費税増税とかはこれに比べれば全然悪夢ではなかった。
原発事故の対応も同情の余地はある。未曽有の修羅場で完璧に冷静な対応を取れる人間はいません。
僕の旧民主党政権の評価は、
評論家を実務の場に出させた結果の大惨事、
です。
例えばピッチングしたことが無い素人の批評家をマウンドに上がらせたようなものでした。
そして、下野してからの10年の殆どのモリカケサクラに費やした立憲民主党は、恐らく同じようなことを繰り返すでしょう。
ということで、元から実務能力が無くて政策実現能力が殆ど期待できない上に、まず確実に内輪もめを始めるので、如何なる素晴らしい政策も……ある意味悪夢のような政策も、それが実現に至ることは多分ないでしょう。
しかも仮に今回の選挙で立憲民主党を中心としたリベラル政権が出来ても、あくまで消去法で選ばれた政権に過ぎません。
2009年の時のような、全国民の期待を受けた支持率80%のウェーブは期待できない。
ただ、このグダグダと内輪もめしてたりする時間は要するに何もせず迷走、停滞している時間なわけですよ。
国を運営する組織が無為に時間を浪費するというのがどれだけ有害なのかは言うまでもありません。
しかも悲しいかな、2009年の時に比べて日本も国際的にも状況は悪くなっていますし。
迷走している時間なんてないんですよね。
……とはいえ、かつての民主党政権時代にこのグダグダ停滞のおかげで
外国人地方参政権を通されなかったこと
は本当に良かったと思います。
当時の勢力図から考えれば、やろうと思えばできたはずですからね。
あれは通っていれば剥奪不能な上に、それを足掛かりとして国政選挙への参政権も要求してきたでしょう。
そうなれば将来に渡って致命的な禍根を残したと思います。
この点については無能でいてくれて本当に良かった。
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個人的には、自民公明で単独過半数ギリギリになり、危機感を持って政権運営してくれるのが一番だと思っています。
まともに政権を運営できる実務能力という意味では、残念ながらこの二党しかない。
これは自民や公明が良いという以前の問題で、J・リベラル政党にはこの実務能力がないという時点で論外なんですよ。
評論家は評論だけしているのが双方の幸せです。
次点が、自民公明で単独過半数はできないが多数派を形成し、立憲民主党と協議の上で政権を運営すること。
ていうか、野党のままだといつまでたっても立憲民主党は文句たれるだけの評論家体質のままです。
野党を育てるという意味では、彼らに決断の責任の一端を負ってもらうのがいい。
同時に実務能力を涵養することもできるでしょう。
最悪の一歩手前は、立憲民主党の単独過半数、もしくは立憲が最大多数となり政権を担うことです。
これについては上で書いた通りなので割愛。100%迷走して酷いことになるでしょう。
こうなってしまったら、自分の予想が外れることを祈るのみです。
そしてそれ以上に考えたくない最悪中の最悪は、立憲民主党の獲得議席数の関係で、れいわや共産党を入れれば過半数とかいうシチュエーションになりキャスティングボードを握られること。
少数のイカレた思想集団に権力を牛耳られるのは悪夢以外の何物でもない。