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共産党について本気出して考えてみた・2
1は此方。
●
自民が大崩れし野党が軒並み議席を伸ばす中で、共産党だけが議席を減らしました。
これについて共産党支持者からの嘆き節が聞こえてきます。
しんぶん赤旗の2000万円スクープは、タイミングといい絶好のアシストだったのに、得点したのは共産党外の野党だった。これ、深刻に分析する必要があります
— 池田香代子 ケストナー『ぼくが子どもだったころ』 (@ikeda_kayoko) October 28, 2024
(https://x.com/ikeda_kayoko/status/1850752065926262820より引用)
まずは、この「アシスト」について2点述べてみます。
まあ確かに、あの2000万の報道が一つ野党勢力の追い風になったのは確かでしょう。
しかし、はっきり言いますと
赤旗なんて共産党員以外は誰も読んでいません。
公務員さんに押し売りしている分はゴミ箱に行っているだけでしょうしね。
なので、一般の人が新聞やニュースでこの2000万の件を見ていたとしても、赤旗が情報元であることは大して訴求力が無い。
そもそも赤旗の存在自体知らない人もいるでしょう。
赤旗なんて普通の人からすれば特殊な業界誌みたいな存在ですよ。現世とは没交渉の、党員だけのものです。
なので赤旗の手柄、共産党の手柄として認識されてない可能性が高い。
共産党と赤旗の手柄として認識されたければ、もっとワイドショーとかで赤旗!赤旗!共産党機関紙!と連呼してアピールしてもらう方がよかったかもしれません。
……とはいえ、それでも多分共産党の票は伸びなかったと思いますけどね。
それは次に書きます。
で、二つ目。
文句言ったり不祥事追及したりしてるだけの勢力は、一定数の支持は受けれるものの、大幅には支持を伸ばせません。
その行為は非生産的だからです。
しかも、今回は現実的に政権交代がありえたかもしれない……ていうか、数字上は立憲民主党政権は成立しうる、立憲民主党が維新と国民を抱き込めば。
……そんな選挙で、文句ばかり垂れてる人に貴重な一票を入れる人はいないんですよ。
そういう意味では日本の有権者のリテラシーは、
恐らくJ・リベラルの論客センセイが思うよりはるかに高い。
政権交代を実現させ与党になる可能性がある勢力を国会に送り込むという点からすれば、立憲民主党に票を入れる方が可能性が高いです。
それに、文句と不祥事追及のエキスパートは政権与党においては何の役にも立たない。
文句と不祥事追及は、確かな野党ならともかく、政権与党を目指す勢力の手柄ではないんですよね。
●
共産の比例票が前回に比べて80万票も減ったというのはやはり驚きで、れいわに流れたとしてもそんなに大量にあっさり流れるものなのだろうか
— Shin Hori (@ShinHori1) October 28, 2024
あるいは前回までの共産は野党共闘効果で比例票が底上げされていて、それが崩れたのだろうか https://t.co/VykSADlWD7
(https://x.com/ShinHori1/status/1850827765907603797より引用)
→
— Shin Hori (@ShinHori1) October 28, 2024
色々な意見があるが、比例の共産党票の減少について考えられる要因としてはこんな感じ?
1.れいわへの流出
2.党員や関係者の造反
3.野党共闘時代には来ていた非党員票の喪失
4.支持層の高齢化に伴う死亡や棄権
(https://x.com/ShinHori1/status/1850835244402020590より引用)
議席が減ったということは票が減ったということです。
上で見ての通り80万票減ったそうで。
では共産党の表がなぜ減ったのか?
これはかなり個人的な主観も含めた推測ですけど、思うところを書いてみます。
まず4について。
支持者の死亡はある程度影響あると思いますが、さほど影響があったとは思えません。
確かに共産党は支持者に高齢者の多い政党らしいですね……なんかラップ歌ってみたり、選挙ギャルとか言って痛々しい若作りしてますけど。
とはいえ、いきなり何十万も共産党の支持者だけが亡くなるのは不自然です。
有っても影響は小さいと思います。
2の党員の造反。
これも無いとは言いませんがこちらも多分影響は少ないと思います。
だって共産党ですよ。あの強固な支持基盤の党員の造反が大規模に起きるとは考えにくい。
よほど今までの路線をひっくり返したとかなら知りませんけど、そういうことは多分してないでしょ。
僕は党員じゃないので報道でしか知りませんが……あったのかな?
ただ、仮にそうだったとしたら……マジで党の存続の危機ですよね。
今回の選挙がどうとか言ってる場合じゃないです。
個人的には1と3の複合要因だと思います。
一つは上で書いた通り。
政権交代が見えていた状況、「裏金」自民の議席を減らしたいというなら、共産党に入れるより立憲民主党に票を入れる方が効果が高い。
なので、今までの
「どうせ今回もなし崩しで自公が勝つだろうから、共産党にでも入れとくか」
とか
「自公は論外だけど立民もイマイチだし……なら共産党かな」
という人の票が立憲民主党や国民民主党に流入した。
それともう一つはれいわの存在。
今までの、「自公は論外だけど立民もちょっとね、だから共産党に入れよう」という層に刺さる政党が出てきたということでしょう。
今までは少数派過ぎて選択肢から外れてたんでしょうけど、浸透してきたってことかな。
良くも悪くも党首のキャラもあって目立ちますからね。
野党共闘とか言って露出が増えたもの共産党としては痛手でしたね。
党員以外の浮動票が共産党に票を投ずるとしたら、消極的選択の可能性が高い。
その浮動票の受け皿が複数あったのが今回の痛恨の結果につながったと僕は考えています。
しかしれいわは、選挙前にNHKでやたらと尺を割いて政策報道をしてたのが謎でした。
あの時点では議席数3のポンコツ政党ですよ。
れいわにあの尺を割くなら、次回の選挙では参政党や保守党(どっちも議席数3)にもあの尺を上げないと間尺に合わない。
僕自身はれいわは、
支持者に「真実に目覚め悪と戦う」という物語を提供する政治芸者
だと思いますし、共産党の組織力とか調査力その他を考えても、あんなポンコツポピュリズム集団と並べるのは流石にどうかとは思います。
ちなみに、れいわが一番困るのは、
お前らの政策実現のために権限をあげるけど、代わりに結果責任を負え、
と言われることだと思ってます。
彼らにそんな実務能力はありませんので、何もできないままでしょう。
責任は負わず、他所に寄生して軍師ポジションで手柄を掠めとるのが関の山です。
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こうした40代の論者の声が気になります。
— 池田香代子 ケストナー『ぼくが子どもだったころ』 (@ikeda_kayoko) October 29, 2024
「共産党は尊重するが、立民には同党と組んでほしくない」(宇野常寛さん・ポリタスでの発言)
「選挙権を得た時から共産党は選択肢になかった」(哲学系ユーチューバーじゅんちゃん)
共産党ってそんなに特殊視される疎遠な存在なの? これでは受け皿には…
(https://x.com/ikeda_kayoko/status/1851079921898308062より引用
割と真面目な話として、共産党は自分たちが党員以外からは嫌われているということを自覚した方がいいと思います。
他の受け皿が出来たら即投票先の候補から外される程度には。
なので、嫌われているという現実を受け止めて、どうやったら投票先の選択肢に入れてもらえるかを考えるべきでしょう。
40代はネトウヨなんですよ。
— ザオラルさん✨🌈 #比例は日本共産党 (@OneMoreChance99) October 29, 2024
41歳の私は高校生の頃、漫画家小林よしのりの「戦争論」という、渡部昇一の焼き直しを読んで感化されてしまいました。嫌韓ブーム、2ちゃんねると、ブラックボックスで国粋主義が増幅されていく時代に入ります。安倍政権があれだけ強かったのは、その世代が支えたからです。 https://t.co/x8WiZyHJ6D
(https://x.com/OneMoreChance99/status/1851153022568833270より引用)
このように
40代はネトウヨ!
とひとまとめにして、ネトウヨは愚かだからだから共産党の正しさ、素晴らしさを理解しないんだ!という物語にしておくと、愚民への優越感に浸りつつ結果にそれっぽい理由を付けれるのでいいとは思います。
でも、それは共産党の支持や票を増やすことには全くつながらない。
端的に言って
愚か者の思考停止
です。反共勢力の陰謀が―と言っても同じです。
共産党はそんなことはない、と丁寧に伝えて、今回立憲民主党やれいわに流れた票を引き込まないとダメでしょう。
そうでないと票は増えない。
普通選挙制度下では、真実に目覚めた知的エリートも、街角で一人街宣する革命家も、思考停止で与党に入れる有象無象も、愚かな40代のネトウヨも、持っている一票の価値は同じです。
腹立たしいかもしれませんがそれが現実です。
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最後に共産党がなぜ嫌われるか、僕が思うところをいくつか列挙します。
一つ目は「自分たちが正しい」という信仰と、それに伴う高慢ちきな態度。
人を見下す人を好きになる人は絶対に居ません。
あと、それの派生として上のNOTEでもかきましたけど、やってることがダブスタ、ということが多すぎる。
自分達の中では、我々は正しいとか、私たちは権力側じゃないとか、なんとかかんとか理由がついてダブスタじゃないことになってるんでしょう。
でも、重要なのは世間にどうみられるかです。
共産党内の独自ルールは全く意味がない。
2つ目は共産主義自体のイメージの悪さ。
功罪有ることは認めますが、少なくとも結果だけ見れば、共産主義は人類史を見ても最も人を不幸にした思想の一つです。
20世紀ならダントツで、世界中で秘密警察と言論弾圧と一党独裁の牢獄を作り出した思想です。現在進行形でお隣さんがやってますしね。
その名を冠するならば、そのイメージも受けるのは仕方ないです。
3つ目は日本でのやらかし。
連合赤軍とか中核派とか共産主義の看板を掲げた人たちの所業が酷すぎる。
火炎瓶とゲバ棒、ヘルメットとマスク、あと粛清のイメージしかないですよ。残念ながら。
まあこれについては、あんなのと一緒にするな!我々とあれは違うんだという反論があると思います。
まあ実際に違うんでしょう。
でも残念ながら共産主義はそういうイメージでくくられる。
世間の人が共産主義の宗派について正しく理解する義務も義理もないんですよ。
第一、共産党やその支持者も同じようなもんでしょ。
例えば保守派にもいろんなグラデーションがありますけど、みんなまとめてネトウヨカテゴリーに入れてませんか?
相手を正しく理解しようとしてますか?してないでしょ。
そういうもんです。
4つ目は実行力に疑問符がつくこと。
これは民主党のやらかしのとばっちりでもありますけど、リベラルは口先だけは立派ですけど、実行力が皆無というイメージがあの2009年の政権交代の失敗で深く植え付けられた。
なのでご立派な政策を掲げても実行されなそうというイメージが付きまとうんですよね。
口だけなら何とでも言える。
まあこんな感じでしょうか。