女だけの街について本気出して考えてみた。
https://twitter.com/pinoko___102/status/1525928611165118464より引用
定期的に話題になる「女だけの街」。
僕個人としてはどうなるのか興味深いので、ぜひ実現してほしいと思っています。
これについて少し真面目に考えてみましょう。
◆
まず「女だけの街」というのを、敷地取得、インフラ構築から開始し、その後のインフラ、ライフライン維持等の運営や物資供給もすべて女性のみで行う、というのは不可能です。
だって、これを厳密に突き詰めると、例えばインフラ設置のための機械等を稼働するための電力網整備や発電まですべて男性の労力を排除しなくてはいけません。
でもそんなこと絶対無理です。
無理な前提を付して頭から否定するのは建設的ではありません。
現実的な可能性を探るべきだと思います。大事なのは
最善の相
で解釈することですよね、
どこかのオープンレター社会学者先生がいってました。
◆
では最初に、街づくりに関して。
上記の通り、女だけで作れ、というのは流石に実現可能性がありません。
また、今の我々が利用しているインフラも男性のみで作られ維持されているわけでもありませんし。
なので、「女だけの街」の初期のインフラは提供されるべきだと思います。でないと話が進みませんし。
とはいえ、ライフラインに関連するインフラの全てをすべて「女だけの街」に収めるのは至難の業です。
だって「女だけの街」に、全住民用の職場も、発電所等やゴミ処理施設のような生活インフラも、工場などの生産施設も、原材料や燃料輸出入用の港湾、空港も何もかも収めるのは無理です。
それは街じゃなくてもはや国でしょう。
それに、そもそも「女だけの街」を望んでいる人も、女だけで形成された自給自足の共同体なんてものを求めていないわけで、これは空論にすぎないわけです。
(https://twitter.com/ryudokaoruko/status/1526918660123611136より)
あくまで目指しているのは「女性だけで快適に暮らせるコミュニティ」ですからね。これに対して、全部女性でやれや、と言い返しても仕方ない。
まあ「女だけの街」を言い出してる側の言い方も悪いんですが。
ともあれ、あくまでほしいのは存在自体が性加害者である男性を排除して安心して生活できる居住地でしょうから。
それを踏まえると「女だけの街」はゲーテッドコミュニティのようになり、男性は立ち入り禁止の居住空間、中で出来ないことは外注、という仕様になると思います。
具体的には、住居、複合商業施設、病院、銀行、保育園を設置し、男性は完全に立ち入り禁止にするというのが可能なラインでしょうか。
銀行はネットで対応可能ですから不要かもしれません。
流石に職場への通勤や外出時に男性に接触することについては我慢してもらうしかありません。
リモートワーク可能なら出なくても大丈夫かな。
◆
さて、この前提で「女だけの街」の初期インフラは整った、としましょうか。
次は具体的な生活をどうするがという問題になります。
繰り返しになりますが、女だけの街が出来ても、その中で必要なサーヴィスや製品も含めたすべてを賄うことは不可能です。
よって出来ないことは外注に頼ることになります。
しかし、ここの外注分野から男性の影響を完全排除することも不可能です。
そもそも、別に監獄じゃないんですから中の住人が外出もするでしょう。そして「女だけの街」の外は男性もいるので、生活すべてから男性の影響を排除することはできません。
繰り返しになりますが、それは「女だけの街」じゃないだろ、実現できないじゃねぇか、とか言ったら話が終わるので不毛です。
それに上記の通り、彼女たちが求めているのはあくまで「男性が排除された女性のみの快適な生活空間」です。
落としどころとしては、サーヴィス等の外注を受ける時に街の中に入る人は女性に限る、という形になると思います。
街の外については男性の貢献があってもそれは不問とします。
なので、「女だけの街」を作るなら、こんな感じになると思います。
・生活拠点としてのインフラは何らかの形で提供されるものとする。
・内部で行えないものについては外注する。ただし街の中に入れるのは女性のみとする。
この場合、街の外の外注先が男性のみであっても、それは問題としない。
例えば、ゴミ処理をする場合、女だけの街に立ち入る回収業者は女性のみ、街の外の処理場で男性ばかりが働いていても問題なし。
この条件なら実現できそうですね、如何でしょうか。
都合がいい設定だな、とか言ってはいけません。最善の相。
◆
さて、この条件で検討すべき点があります。
一つ目。
上記の通り、すべてを内製化することが不可能であるので、一定の部分について「女だけの街」の外への外注が絶対に必要です。
街から男性を排除する、という前提を踏まえれば、当然外注されて女だけの街に入ってくるスタッフも女性のみとなります。
女性だけの街に対応するために、女性のみで構成された現場は高コスト化します、当たり前ですけど。
この高コストを受け入れられるのか、ということです。
これは差別の問題ではなく、純粋に経済的な論点です。
ニーズが少ない専用装備は高コスト化するのは致し方ない。
ちなみに、この点については、現実的な妥協案を提供している人もおられます。
(https://twitter.com/300kaikamu/status/1526682502085357568より)
外注業務に限り男(犯歴や滞在時間に制限あり)の立ち入りを許可する、という誠に寛大なアイディアです。
条件付きで男性も認めるなら、既存組織で対応可能です。
これならコスト面の問題はクリアできますね。ナイスアイディア。
ただ、この革新的アイディアですが、実現するために重大な問題があります。
全ての男性を性加害者と見做して作られた快適な女性だけの街。
そして、そこの住人が
「私たちの生活の為に仕方ないから、男どもが仕事するための滞在を特別に許可してやる。だが犯罪歴などない者に限るぞ」
と仰せなわけです。
外注先の男性は当然性加害者ではなく、奴隷でもありません。それぞれ自由意志があります。
潜在的な犯罪者と見做され、制限付きなら立ち入りを許可する、と言われて彼等はどうするでしょうか
多分、其処まで屈辱的なことを言われて、女性だけの街で働く意味が無いと思うんですよね。彼等にも拒絶の自由はあります……破格の報酬なら別でしょうけど。
ということで「女だけの街」のコンセプト上、残念ながら外注が高コスト化するのは受け入れるしかないように思えます。
ちなみに
(https://twitter.com/Tsurigane_mushi/status/1526707879423578112より)
こういう主張を見る限り、そもそも女性だけの街が必要なのは男性が加害的であるのが原因であるので、全ての男性はそのリスク軽減のために奉仕するのは当然、という理路になるんだろうなーと思ってます。
◆
さて、これで建設の問題、及び運営上の問題には目途が付いたと思います。
最善の相で解釈するのは大事ですね。
実験都市として初期インフラを整備し、女性のみの居住空間を実現、必要なものは外注(高コスト)これなら行けます。
さて、ここで2点目の疑問が生ずるわけです。
このシステムには街の外の外注先が絶対に必要になります。
そして、外注スタッフを女性に限るなら「街の外から来る女性」が必要です。
さて、性加害的な男性を排除した平和な街に住む住人にとって、その性加害的な男性と共に外で生活する女性はどういう位置づけなのでしょうか。
男性は須らく加害的である、という理路に沿うなら、全ての女性をその街に受け入れることを目指すべきだと思いますが、そうするのでしょうか。
でも、それをやると、必要な外注先が無くなるんですよね。悩ましい。
それとも「女だけの街」に住みたいと思わない女は、男社会に適合した名誉男性だから問題なしなのかな。
この点は非常に興味深い所です。
◆
ちなみに「女だけの街」と同種なのは「いい人だけの国」ですね。
不快な連中を排除した、快適な場所で平和に暮らしたい。
私見ですが、女性だけの国はいい人だけの国よりは多分まだ存続の可能性があると思います。
必要業務を全部外注しないといけないという点では同様ですが、いい人だけの国は、その中の「いい人」同士でよりいい人ランキングが開始されて、相対的に「いい人」度が劣る人が追放されます。
これは最後の一番いい人になるまで争いが続くことがほぼ確実だからです。
「女だけの街」はそうならない可能性は一応あります。
きっと「女だけの街」なら争いごとも起きず平和なコミュニティが形成されるはずです。男性に加害された者同士、辛さを理解しあい、協力し合い、補い合って暮らす平和な街。
それに、戦争を起こすのはいつも男性であり、女性は争わない、そうですよね。
僕はそう信じています。
では建国活動を頑張ってください。
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