220122:Mem.aiの競合(Obsidian, Roam Research等)に対し優れるところ
今週はどんどん積もっていく仕事を横目にネットサーフィンしたりどうでもいい番組をボケッと見たりしていたのでとてもゲームなどはできませんでした
一応「フライングパワーディスク2」だけ触った。シビアな対戦アクションで鬼ムズく、熱帯でボコされてリアルに泣きそうになる。そもそも4ボタンしっかり使う上にその役割がころころ切り替わるのでとっつきも悪い。楽しいゲームではあるが・・・
これだけでもアレなので別の話を、ということでMem.aiというブラウザで動作するノートツールについて紹介してみます。
Mem.aiはScrapbox、Obsidian、Roam Research、Cloverといったアプリと似たような機能を持っており、双方向リンク機能を駆使してWikiのように繋がりのあるノート群を作り出すことができます。
私は別のサービス(Logseq)に乗り換え済みなのでオススメというわけではないですが、数ヶ月の使用から、他が参考にすべき点は大いにあると思いました。
サービス開始からそこまで経っていないことからあまり成熟していない印象もありますが、正直その点に関してはノートツールあるあるな気もします。本稿ではMemのいくつかの特徴的な強みにフォーカスしてみます。
1.素早いキャプチャ
メモを取る際、まず重視したいのが「思いついたことをすぐに書き取っておく」ということです。NotionであればFast Notion、DynalistならDynawrite、WorkFlowyならMemoFlowyというように、ツールによってはこの機能を外部アプリに頼ることもあります。
Mem公式はリリースの初期段階からこのことに力を入れており、素早く慣れたやり方でメモを送信するシステムが備わっています。
これはObsidainやRoam Researchといった覇権ツールからは欠けた特徴で、モバイルアプリのリリース前にもかかわらず私はモバイルでMemを使い倒していました。
例を挙げると、設定された電話番号へのテキストメッセージ、同様のメール、Zapierを噛ませたSlackやTeams連携などが可能。たとえばモバイルからSiriにSMSを送信するよう頼むだけでMemへと思いついたことを書き留めておくことができるんですね(海外とのテキストなのでこれを日本国内からやると通信料がとんでもないことになります)。今後のアップデートで他にもさまざまな手段が追加されていくようです。
またMem Spotlightという機能では、デスクトップアプリ起動中にCtrl(Command)+Shifft+Spaceのショートカットを押すことでiOSにおけるクイックメモのようなものを展開します。
何か思いついたら即起動、送信したら即離脱でき、Chromeでのブラウジング中に発動すれば自動的にリンクを貼り付けてくれるなどWebクリッパーとしても使えて便利。
2.InboxとSnooze
上述のようにMemはZettelkastenで言う「走り書き」を促すデザインとなっていますが、これを正式な永久保存版のメモに清書するプロセスも促してくれます。それがInbox機能です。
基本的に書かれたメモはInboxがオンになっており、これらはサイドバーのInboxタブに纏められて一覧することができます。
清書が終わったらInboxをオフに(アーカイブ)していき、Inboxを空にすることができれば紙吹雪の演出で祝ってもくれるというのがいいですね。
GTDにおいては毎日Inboxを処理して溜め込まないことが鉄則だと言われますが、Evergreen notesの手入れもある意味ではタスクなのです。この機能はこれをInboxのオンオフで表現したとみることもできます。
またアーカイブしても後で思い出したいメモに関しては1日後・一週間後などに再度知らせる「スヌーズ」も設定でき、安心感を手に入れることができます。このあたりはRemnoteなどが対応するSRS・フラッシュカード機能にも通じる所があるかもしれません。
特筆すべきは、Inboxの中では左右の矢印キーを使って一発でInboxの切り替え・スヌーズが設定できるということです。Memにはある程度目当てとされる使い方が設定されており、その過程を快適に演出することで行動を促してくる節がある。定期的な走り書き・未読メモの処理は家事が増えたようで厄介ですが、その分まじめにこなせば幅広い状況で効果を発揮するものだと思います。
3.検索機能
同じく「使い方を促す」ような点として挙げられるのは、検索バーがでかいということ。
また機能も充実しており、キーワード検索だけでなく「September 2021」「Edited by me」といった自然言語での検索にも対応。ハッシュタグ一覧も画面いっぱいに広がって見やすいなど、メモを見つけることにも重点が置かれています。
キーワード検索こそ珍しくないですが、ググるように自分の情報を探すいうのも他サービスにはない感覚であり、第二の脳という目当てがあるのならばマッチする特徴ではないでしょうか。
4.タイムライン
他サービスは基本的に日記ベースとなっています。しかしMemではもともと全てのメモがタイムラインに紐付けられています。全てに時系列が適用されているためMemでは何をいつしたか、何をどんな文脈で考えたのかということをデイリーノートにタイムスタンプをつけて残す必要がないのです。
トップ画面はタイムライン上にカード状のメモが並んでいる形式で、タイトル不要な(この場合一行目がタイトルになる)のも相まって、やったこと・考えたことなど何でもTwitterでつぶやくように書いていくことができます。
が、たとえば行動ログに合わせてZettelkastenを使う場合、関係のない事柄が執筆時点に紐付けられたり、タイムラインに紐つける必要が明らかにないメモが混じってしまうといった欠点も生じてきます。そうしたことを踏まえた上で使い方を決めるのがいいでしょう。
5.カレンダー連携
Memでは公式がGoogleカレンダー連携をサポートしています。意外と珍しい。ただそれだけの話ですが。
タイムライン上部には今後数件の予定が横並びに表示されており、ここからイベントに関する新たなメモを作ることもできます。
Googleカレンダー連携なので、もちろんGoogleカレンダーに書き込みが可能な別のアプリを使うことも。モバイルではFantastical、デスクトップではVimcalを使いましょう。
6.共同作業
私は完全に個人で使っていたのでアレなのですが・・・例えばビジネスではカレンダーやタイムライン機能の真骨頂を味わえそうです。
メモは基本的に個人用となっており、Shareボタンを押すかメモ内に@を打ち込み、ここから選択した他のユーザーにメモを飛ばすことができます。他の人のメモが仕事のメールさながら自分のInboxに投げ込まれる感じ。
共同メモで、段落ごとにコメントをつけることも可能。
久々にログインしたら公式テンプレートを出してくれるようになってました。議事録、名刺などビジネス向けのテンプレートもあり、これらがタイムラインに紐付けられていれば仕事の記録にもなってよさげな感じがあります。
7.希望のアップデートをしてくれそうな気配
個人で使っている私のアカウントでも、「@」を打ち込むと公式のサポートやフィードバックがサジェストされます。Memで書いたものをそのまま送ることができる。つまり、Mem自体がMemの改善システムを担っているとも言えます。
プラグインにあたるものなどはないようですが、フォーカスモードやカレンダー連携など、さまざまな「欲しい!」という機能をこなれた独自のUIでまとめ、アニメーションやショートカットも完備してくれる潔さ。これが生み出す気持ちよさ・利便性は今のObsidainにはなかなか出せないでしょう。
特定の機能群は「Flows」タブに纏められ、種類ごとにAutoflows、Outflowsなどに分けられています。メッセージやメールでのキャプチャはInflows。テンプレート、日記の自動作成、API、インポート・エクスポートもあります。
「Custom」Flowはなんと公式へのリクエスト。もちろん例によって公式コミュニティも存在します。が、ツール内部からも開発者との連絡を促してくれるものはそうそうないのではないでしょうか。
補足
Obsidian:マークダウン、ローカル。執筆向き。
Roam Research:アウトライナー、ブラウザ。研究、学習向き。
GTD:タスク管理の一派
SRS:「学習曲線」の研究に基づく暗記術
Zettelkasten・Evergreen notes:メモ、情報整理術
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