〆【P5R】STORY LOG 6:「Cendrillon Illusion (サンドリヨン幻想)」
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※サンドリヨン=フランス語でシンデレラ。
(CMトレーラーを見て、勝手に思いついたものです。2019年の9月末に下書きしたもので、予想が違っても妄想、もとい、幻想ということでお見逃しを。「P5R (P5のイベント追加版)」をまだやってないので内容が合ってるかは未確認です。←)
※こちらは完全にゲームがベースの主人公です。
個人的な主人公イメージ。↓
・アニメベース=おっとりした、大人しい少年。言葉や動作の数々から、育ちが良さそうに見える。
・ゲームベース=ちょっとロが悪くて、男っぽい。(アウトロー&ハードボイルド風味)。意外とノリがいい。たまに、超ド天然な発言あり。
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12時の鐘が鳴れば、シンデレラの魔法は解け、夢の時間はおしまい。
けれど。
ずっと目が覚めない。
夢の時間が続く魔法があれば?
そこでは誰も傷つかない。
争わない。
醜い罵り合いもない。
全ての人が幸せな夢を見る。
それが「天国」と呼ばれるものでは?
──傘が、飛ぶ。
雨の中。
タイヤの甲高いブレーキ音。
悲鳴。
私が………
私が夢を奪ったんです。
どこからか聞こえてくる、見知らぬ少女の声。
本当にここにいるべきは私じゃなかった。この舞台に立つのは私じゃなかった。
私じゃダメなんです。
事実から。
逃げて
逃げて……、
あなたにすがって……。
真っ白い。
天国のような世界。
白と金の螺鈿。
現実感のない。
作り物めいた。
………陸上の特待生になって、お袋に楽させてやりたかったんだけどな。
………私、モデル頑張るよ。見てくれる人がいるから。
………なぁ、ニンゲンっていいよな。いつか、ワガハイも……、
………そうだ。ずっと母の絵は日の目を見ることはなかった。
………ねぇ。もし、お父さんが生きてたら、何て言うかな。
………お母さん……、もっと一緒にいたかったな。
………お父様……。もし会えたら……。
………あいつに、認めさせてやりたかったんだ。
ひとつずつ。
ひとつずつ。
空から。
砂のように、零れ落ちてくる。
見知った者たちの声。
夢。理想。憧憬。
誰もいない。何もない。
白と金の螺鈿の世界。
鐘のない、白い教会。
──貴方は不思議な人。
自分の不幸は嘆かないのに、他人の不幸には胸を痛める。
けれど、胸の内に一つ。後悔がある。
犯した罪の重さ故、救うことができなかった者がいる。その者もまた、被害者足りうる。
罪の元凶さえ取り除けば。
罪を犯したことを『無かったこと』にしてしまえば。
その者を咎める者もなく、また、皆が苦しむこともない。
そして、わだかまりなく、仲間として迎え入れることもできる。
貴方とは違う意味で孤独であったであろう、その者を。
ここは誰もが幸せな夢を見る世界。
蝶が貴方になった夢を見ているのか。
貴方が蝶になった夢を見ているのか。
そのどちらが『現実』かなど、些末なこと。
私にはその夢を与えるカがある。
トリックスターよ。
今や貴方は、空の器。
人々の希望を受け入れる器としてのみ、存在し、人々の願いを背負い。自己の全てを犠牲にして。
ただひたすらに、いばらの道を切り拓いてきた。
けれど、そう。
貴方自身の幸せはどこにある?
トリックスターよ。
祈りなさい。
そうすれば、
全ての時間を巻き戻し、何もかもの元凶を取り除いてあげましょう。
この因縁が『始まり』さえしなければ、落とさずに済んだ命も数多くある。
もちろん、貴方の大切な仲間の家族も。
トリックスターよ。
貴方がやってきた功績に比べれば、
貴方の願いなど、些細なこと。
誰がその選択を咎めよう?
私にはそのカがある。
誰もが幸福になる、
永遠に12時の鐘が鳴らない、
解けない夢の魔法をかけてあげましょう。
トリックスターよ。
祈りなさい。
そして、選びなさい。
皆が幸せになる方法を。
────、
背後に。
黒く。暗い気配。暗い声。
『馬鹿馬鹿しい。珍しいね、君がそんな魔物の言葉に耳を傾けるなんて』
その声に応えるように、胸の内で、黒翼の赤い異形が笑う。
『傷つかないことが幸せ?
血反吐吐きながら、あがいてもがいて、掴み取った現実だからこそ、幸せの重さに価値が出るんだろう?
それを君は、君たちは体現して、僕に教えたはずだ』
始まらなければ、出逢うことすらなかった人々。
強い絆を得ることも。
『押し付けられた他人の理想が、幸せの世界だなんて吐き気がする』
どのルートを選ぶのが幸せかなんて、誰にもわからない。
それでも、他人に、自分の人生の選択権は渡さない。
『そんな同情なんていらない。そんな哀れみなんていらないんだ』
それが、どれほど理不尽な事態であっても。
『………君が、迷うことは、僕への裏切りだ』
空白の心の中に、満たされていく怒り。
懐かしい感覚。
作り物の。
この美しい世界には不似合いな感情。
……普通、こんな面倒事、関わりたくないじゃないですか……。
願いの器。
勝手に決めるな。
助けたいと思ったから助けただけだ。
自己犠牲などと思っていない。
赤い異形が笑う。
高らかに、愉快そうに、笑う。
真っ直ぐ、天に向かって銃を構えた。
祈らない。
捧げない。
縋らない。
くれてやるのは虚像を撃ち抜く銃弾ひとつ。
天井のステンドグラスが割れ、
辺りに硝子の雪が降る。
止まっていた時計は壊れ、
白い世界で12時の鐘が鳴る。
愚かなる者よ………!
………To be continued.
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以下、雑記。(スクロールしたら、文字出てきます)
ネタバレあり?
好き嫌いの話をしているので、ロが悪い部分があります。スルーしてもOKです。
サンドリヨン(シンデレラ)なので、12時に解ける魔法ってことで。
新キャラ・ヒロインの子が祝福属性 & P5の敵がロウ(法と秩序)系なので、天国的な楽園的な。
偽りというか、虚構というか、そういうイメージで書きました。
死んだ人が都合よく生き返るとか。
みんなの夢が叶ってるとか。
それで皆幸せそう、楽しそうとか。
あまりにもね。
アトラス的にあり得ないなと。笑。
P5Rか一……。
追加要素がなー……。
それにしても、この主人公、自分殺されかけた、(というか、BAD ENDでは殺された)のに、犯人も受け入れちゃうんだろうなーとか。
どんだけ心広いねん。(格好いいけども)
しかしやはり、「主人公=プレイヤー」では無いな、と思ってしまう。
このキャラなら、これ選択するかな?的ノリで、言葉を選択してきたけど(P5の話です)、
おそらく、自分はこうならない。この犯人はナシ。やり取りしてて、普通に、何言ってんのと思ってしまった。笑。
最初の登場で、何 (詭弁) 言ってんの?と思ったけど、最後まで、何 (都合いいこと) 言ってんの?という印象……全く変わらなかったなぁ……。(´・ω・`)
まぁ、犯人なんだから、自分が有利になるように、人を誘導したり、詭弁を弄するのは、当たり前っちゃ当たり前なんですが。
お人好しすぎる甘口メンバーにも、ちょっとついていけず。
行ったことに対して、優遇されすぎやろ。
(念のため、P5の話です。P5Rの追加要素に関係してくるようなので)
自分の事情と、その結果何を行うかは全く別の話。
ゲーム会社の都合で、そうされてしまった人物なんのかなぁ。
もう少し敵の造形にも愛 or 危機感 (迫力? 切迫感? 説得力?)が欲しかったです。
丁寧に、すごく慎重に作られてる味方サイドに比べ、敵方は全て、何か雑な作りに感じた。笑。
まあ、結局、自分のために悪いコトする奴なんて、こんなもん、思慮浅くていいだろってことなのかもしれないけど。
単純に、
自分の私利私欲のために、人たくさんコロシときながら、「自分が一番不幸」みたいな言い方してるのが、嫌いだっただけなんですけどね。
(それが無ければ、また別の印象だったかもね……)
いやいや、一番不幸なのは、八つ当たり的に巻きぞえ食って死んだ人間やがな。
たまたま、誰も死んでない都合の良い「設定」だったとはいえ、暴走電車にはシングルマザーや子供も乗ってたかもだし。
他人に自分の痛みは理解できないと思うなら、ごちゃごちゃ言わず、黙っとけやと思ってしまった。
自己憐憫が強い人間、「自分は自分は」の不幸アピが多い人間は嫌いです。あんたら、自分大好きやな、と思う。
自分の痛みを他人にゴリ押しできる人間は、ちっとも弱くない。むしろ、余程強い。なので同情する余地がない。(ので、あれでファンに同情されてるのが、不思議で仕方ない。もしかして、人コロシた部分、ナカッタコトに? あるいは超軽視か、スルーされてる??)
そしてふと、前見た、ドラマの台詞を思い出しました。
「他人は本当に、君が思うほど、幸せだったのかい?」
(不幸な生い立ちの犯人が、幸せそうに見えた人間を殺して回る話。でも、彼らは幸せそうに「見えた」だけで、実際はそうではなく、それぞれの事情があり、苦労があり、それでも頑張って、ようやく何かを掴みかけた瞬間に、八つ当たり的に、挟視野な犯人の思い込みと妬みにより殺される。
その若い犯人に、刑事が静かに問いかける言葉。あ。言い回しはニュアンスです)
………あ。話が脱線した。
主に女性ユーザーに同情され、異様なくらい優遇されてるようですが、
女性ユーザーみんなが甘い反応すると思うなよ。
(当方、女性ユーザーです)
べつに他の方が好きなのは自由ですが、私は無理。嫌。
ゲーム模写(のつもり)本文には、余計な私情 (不要なもの) は込めないつもりですが、描くの難しいな。
…………。
発売後、P5Rのネタバレをチラ見したら(するなよ)、わりと内容が予想してた通りだったので、アトラスの意図(?)をそこそこ汲むことができてた気がして、嬉しかった。
うーん、でも。
「本当はずっとここに居たいけれど、外(アウェー)に戻って戦うことを選ぶ」みたいな、主人公の感情がひしひし伝わってきて、痛いっす。
何か思ったより、P5Rやるの、辛そうだな。
まぁ、P5S (P5の番外編) 先にやってるので、P5R、全然やってないんだけどね……。
新ヒロインは可愛いと思うけど、追加シナリオに興味持てないんだもん……。←