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教職志望の方へ⑦ー出席簿についてー
「教職志望の方へ」のマガジンを作ってみたら、教育実習や採用関連よりも、「教職志望の方へ②ー高校の仕組み」へのアクセスがダントツで多かったのです。
そこで、しばらく学校の仕組み関連で見聞したことを述べたいと思います。今回は出席簿についてです。
【出席簿とは】
①そもそも出席簿とは
教卓の上にあって、教員が出席をつける、あの、縦長の黒表紙の冊子です。
昔は印刷屋に注文していたらしいのですが、現在は校内で印刷します。版下、もとい原稿はコンピュータで作れますし、印刷機も学校にありますしね。表紙はさすがに市販のものです。厚紙に黒い生地を巻いて角が補強されています。
表紙と裏表紙の間に、一学期分ないしは半期分の頁を挟んで黒の綴じ紐で綴じるのは、教務部の帳簿の係の先生です。
座席表も透明のクリアソフトファイルに入れて一緒に綴じ込むと便利ですが、これは担任のしわざで、本来の帳簿としては不要なので、保存の際には外されます。
②出席簿の持つ意味
何故、出席簿を付けるのか、ご存知ですか。
出席の有無は生徒の身分に関わります。つまり証拠の品であり、公簿なのです。
③コンピュータ入力との違い
最近では、Classiなどのアプリで出欠管理したり、大阪府のように出席管理システムを導入したりしていますが、長所短所があります。
❶アプリや出席管理システム
長所
1.各クラスの集計が簡単。
2.いろいろな統計が取りやすい。
短所
1.入力ミスが出た時や、届が後から出た場合、入力者(各教科担当者)しか訂正できない。
2.保護者に具体的な出席状況を示しにくい。数字だけしか示せない。
3.人数の多いクラスでは、スクロールしないと全体が見えない。
❷出席簿
長所
1.具体的な休み方、例えば欠席、中抜け、早退などの日時や曜日が一目瞭然で、わかりやすい。
2.クラスの生徒の状況も一目瞭然。一緒に遅刻したり休む生徒がいるなどもすぐにわかる。
短所
1.個人情報が丸見え。
2.置き場や保存場所が必要。
3.学校によってはしばしば行方不明になる。
【出席簿についての個人的な思い出】
❶出席簿につく白墨粉
教え始めて2年目か3年目の期限付講師だったとき、オシャレな教育実習生たちが、「出席簿がチョークで白くなるのがイヤ」「綺麗に使いたいね」と言ったのを聞いて、チョークの粉だらけの手で出席簿を持っていた私は、何も言わなかったけれど、『キミたち、まだまだだね〜』と思いました。
❷出席簿の付け方
大学院を出て、初めて教えた学校の出席簿は、欠席が多いため、空白では付け落ちか出席かわからないということで、出席していたら⚪︎を付けるという決まりでした。
2年目は進学校で、何も思わず⚪︎をたくさん付けて叱られました。ほとんど生徒が休まない学校では、欠課を斜線にするだけでいいのです。
その後、3校目に教諭になって行った学校には、皆学校に良く来るので欠課は斜線でしたが、それと別に早退のマークがあったように思います。地元校なので、生徒はちょっと帰っては、放課後に現れたりしていました。
学校によって微妙に違うのは、トイレに行った記号の有無や出席停止のマークでした。
転勤してきた人は、内規や出席簿記入の注意を読んでいても、つい元の職場の記号を書いてしまうようです。
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