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教職志望の方へー教務手帳その2

 教務手帳の最初の記事がいつのまにか私の書いたノートの中で、トップアクセスになっており、これは一体どうしたことか、と思いました。私は教務手帳については、先輩や初任の時の指導教員や転勤したら隣の席の教員に聞きましたが……。

 もちろん、最近では教務支援システムなどがあり、「別に教務手帳なんて要らないわ」という声も聞こえます。

 しかし、教務手帳は、教務支援システムやクラスの出席簿よりも生徒の状況がよく分かります。
 例えば、斜線(欠課)が、3単位でワルツのように/○○/○○となっている場合は、大体、その生徒は計画的に休んでいます。
 体調不良は///と続いて、やっと出現というのが普通ですし、体の弱い子は五月雨式に休みます。

 具体的に言えば「元気なのによく休むな、この子」と思って教務手帳を確認すると、ワルツ式に/○○/○○と毎週同じ曜日に休んでいるわけです。
 それで、出席簿を見たら毎週同じ曜日に丸1日休んでいるので、その生徒に「特定の曜日に毎週休むと、教科によっては欠課時数オーバーで単位が取れないよ?」と注意します。
 単位履修や単位修得に関わる出席規定を、生徒は意外と知らないので、気がついた時に言わないと、担任から見ると、本人は元気だ(理由は体調不良と本人から連絡されることが多い)し、大丈夫だろうと思っていたら、数字が積み上がってから、担任は初めて気づきます。でも体調不良というのを信じているために、もう欠課時数オーバーギリギリに生徒と保護者に注意することも多いのです。

 定期的に休む生徒は、生産調整ならぬ、欠席日数調整をしているつもりなのですが、あんまり分かってないので、当人があまり好きでなかったり重要視していない科目のある日に休みます。しかし、この日に1単位ものの保健があったりしたら目も当てられません。カレンダーにもよりますが、9月中にリーチになります。

 特定の曜日に休んだらダメですよと理由を説明して注意をしたら、たまに「もっと早く言ってよ〜」と当人から言われたこともありました。

 休む理由はさまざまです。バイトのシフトの関係だったり、前日に地元の別の高校在籍か退学した友人たちと遊んでいたり、家族の都合であったり、遠距離通学がしんどい、などなど、本人たちいわく「自主休校」なのだそうです。

 こういう場合、保護者は出席状況を知らないことが多く、通知票を見てもピンと来ないようだったので、担任をしていた時は、出席簿に物差しを当てて、当人の出席状況を見せました。みな出席して真っ白い中に、斜線が規則的に並んでいるのを見て、保護者は大抵息を呑んだものです。

 担任業務には教務手帳は必須で、クラスの生徒が普段どうしているのか、成績会議の際に説明する必要があります。
 教科担当でも、成績会議の際に、生徒の普段の様子を質問されることがあるので、単なる記憶でなく、データとして必要です。
 非常勤講師は、成績会議には出られないので、担任や学年教科の主担には、データに特に気になる点について、連絡しておいたり、あるいは尋ねられたりします。

 そのデータは教務手帳に集積されているわけです。出欠、提出状況、成績ですね。

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みゆ
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