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教職志望の方へー教員定数について②

 多忙化の元は、さまざまな原因があります。②では【教育財政と少子化】と【カリキュラムの問題】を考えます。

【教育財政と少子化】
 団塊の世代がボリュームゾーンで高給取りだった時代に、新たに若い教諭を採用すると、教育財政を圧迫しますので、長い間、採用数は抑えられました。
 すなわち、少子化に伴い、教員数が自然減になるように、退職後の穴埋めは、期限付き講師と非常勤講師を宛てて、クラス減に備え、クラス減になれば講師を切りました。

 平成12〜20年(2000〜2008)あたりが一番大変だったと思います。特に国語は、地味で謙虚な教員が多く、その上、団塊の世代の女性教諭は、他の教科と違い、自己アピールなどしなかったので、あっという間に飛ばされてしまいました。志望動機書や作文・小論文、そして大学入試でも国語はかなめですから、残された者は大変でした。相方の講師は、仕事に慣れた人ばかりではなかったからです。

【カリキュラムの問題】
 人員定数はクラス数に対して決まっており、それで上手く組めなければ、新任加配や進路指導主事などの加配を要請して、非常勤講師を付けます。
 しかし、カリキュラムと定数は連動していないので、カリキュラムのために7時間目ができても定数が変化していなければ、必然的に持ち時間増になります。

 国、もとい文科省は、ゆとり教育の反省から、その次の教育指導要領の教育課程(カリキュラム)では、理科の標準単位数を増やしたのです。
 標準単位数は「増やせるが、1単位減らすにはよほどの理由を上申しなければ承認されず、半減は認められない」という説明をカリキュラム委員会で受けました。
 その時のカリキュラム委員で情報科(元は理科)教諭の言った言葉は、忘れられません。曰く「理系は、7時間目まで入れないと時間割が組めない。週5日制だし」

 そのカリキュラムから10年経った現在では、7時限目は珍しくないだろうと思いますが、その当時は絶句ものでした。放課後が短くなりクラブ活動の時間は減りますし、クラブがなくても教員として勤務強化になります。1時間遅く終わって、すぐ帰れるわけがないじゃありませんか。
 さらに、高校で令和4年度(2022)から始まった新教育課程カリキュラムでは、国語の選択科目とその単位数が増えています。必履修科目の標準単位数は前と同じ4単位ですが、選択科目は論理国語、文学国語、古典探究、各4単位です。 
 嵌まらない、と悩んで、教科書会社のモデルケースを見たところ、国語がはまっている代わりに、芸術が一年生2単位だけになっていました。一年生8クラスでようやく芸術科1人、教諭が確保できる程度の単位数です。
 果たして、それで良いのでしょうか。


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みゆ
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