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【MTG】【黒】ミステリーブースター2のプレイテスト・カードを見ていこう
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はじめに
皆さんは「プレイテストカード」をご存じか?そう、ミステリーブースターに封入される、構築戦では使用できない公式ジョークカードです。
プレイテストカードは面白いので多くの人に知ってほしい。ならばということで、この記事の趣旨はプレイテストカードそれぞれの解説をすることです!
量が多いのでこの記事では黒いカードを紹介します。それでは行ってみましょう。
※プレイテストカードの説明は白の記事をご覧ください
カード個別紹介
《Call from the Grave》
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ソーサリー
無作為に選んだ墓地1つから無作為に選んだクリーチャー1体をあなたのコントロール下で戦場に出す。これはあなたにそのクリーチャーのマナ総量に等しいダメージを与える。
戻すクリーチャーをランダムに決定するリアニメイト呪文。《戦慄衆の指揮》の小型版と言えるかも。
MTGの 過去のゲーム のオリジナルカードの再現らしい。
《Cleaver Blow》
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インスタント
多重切除 {1} (あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の{1}を望む回数支払ってもよい。そうした回数ごとに、角括弧1つを選んで中の記述を削除する。)
[黒でない][マナ総量が3以下の][対戦相手がコントロールする]クリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。あなた[とそれのコントローラー]はカード1枚を引く[、そして2点のライフを失う]。白の1/1の飛行を持つスピリット・クリーチャー・トークン1体を[タップ状態で]生成する。
「多重キッカー // multikicker」できる切除持ちカード。
素の性能は「条件付きクリーチャー破壊+お互いに1ドロー2点ルーズ+トークン生成」で悪くない。がいかんせんテキストが見づらい。
余談だが、全部切除すると合計8マナになり、「クリーチャー破壊+1ドロー+トークン生成」となる。8マナでやることではないが…。
《Common Black Removal》
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インスタント
クリーチャー1体を対象とし、以下から1つを選ぶ。そのクリーチャーを破壊し、その後…
・食物・トークン1つを生成する。
・宝物・トークン1つを生成する。
・あなたがコントロールしているクリーチャー1体の上に威迫カウンターを1個乗せる。
・そのクリーチャーのコントローラーはそのパワーに等しい枚数のカードを切削する。
いかにもコモンの黒の除去カードらしいインスタント。「コモンの黒の除去ってこんな感じでまとめられちゃうよね」というネタでしょう。
地味にモード選択後に処理が挟まるのも新しい。
《Creepy Crawler》
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威迫 到達
このクリーチャーがあなたを恐れているプレイヤーにダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカード1枚を捨て、あなたはカードを1枚引く。
(対戦相手があなたを恐れているとは、このターンにホラー、ナイトメア、エンチャント、または裏向きのクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出たりその対戦相手を攻撃していることである。)
「恐れている」という概念を参照する蜘蛛。
このカード自身はトリガーにならないので使うのに苦労しそう。
追記:後日元となったであろう没メカニズムが発表されました。本当のデザイン中に作られたカードだったのかもしれません。
『ダスクモーン』に服す その1|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト (mtg-jp.com)
《Halving Season》
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エンチャント
対戦相手1人が1個以上のトークンを生成する場合、代わりにそのプレイヤーはその端数を切り捨てた半分の数を生成する。
対戦相手1人がパーマネントやプレイヤーの上に1個以上のカウンターを置く場合、代わりにそのプレイヤーはその端数を切り捨てた半分の数をそのパーマネントやプレイヤーの上に置く。
逆《倍増の季節》// Doubling Season。相手のトークンやカウンターを半分にする。
倍増の季節とは微妙に条件が違う。たとえば毒カウンターを相手に置く場合(相手がコントロールする)倍増の季節では倍になるが、(自分がコントロールする)このカードでは半減しない。
《Lich's Duel Mastery》
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伝説のエンチャント
呪禁
これが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの上から5枚のカードを裏向きに追放してシールドとする。
あなたがライフを失うなら、代わりにあなたのシールド1つをあなたの手札に加える。そうできないなら、これを生け贄に捧げる。
これが戦場を離れたとき、あなたはゲームに敗北する。
《リッチの熟達》をオマージュしつつ、同会社の別TCGであるデュエルマスターズのシールドの概念を追加するエンチャント。
出たときの能力がもみ消されるとサドンデスの始まりになる。
《Lifening Elemental》
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クリーチャー ー 吸血鬼・エレメンタル
絆魂
連繋(インスタントかソーサリー) {1}{B}(あなたがインスタントかソーサリーである呪文を唱えるに際し、あなたはあなたの手札からこのカードを公開して、連繋コストを支払ってもよい。そうしたなら、このカードの能力をその呪文に加える。それはなおインスタントやソーサリー呪文である。)
連繋を持つクリーチャーカード。実質「手札に持っておくと2マナで呪文に絆魂を付けられる」とみなせる(呪文に絆魂を付けるカードは少ないながらも既存)。
お前吸血鬼なのか…。
《Liliana's Other Contract》 (両面カード)
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《Liliana's Other Contract》
エンチャント
これが戦場に出たとき、あなたは3枚のカードを引き、3点のライフを失う。
あなたがゲームに敗北するなら、代わりにこれを追放し、これをあなたのコントロール下で変身させた状態で戦場に戻す。
《Liliana's Undead Minion》
伝説のプレインズウォーカー ー あなた
初期忠誠度 5
あなたはゲームに敗北できない。
+1:各対戦相手は1点のライフを失う。
-4:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
リリアナと契約することで死後にゾンビとして動くことができるカード。
ちょっとだけ寿命が延びるが、裏面は除去体制がないため破壊されたら即敗北になるのは注意。
《Magus of the Chains》
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クリーチャー ー 人間・ウィザード
プレイヤーが自分の各ドロー・ステップに自分が引く最初のカードを除いて、そのプレイヤーがカードを引くなら、代わりにそのプレイヤーはカードを1枚捨てる。これによりカードを捨てたなら、そのプレイヤーはカードを1枚引く。これによりカードを捨てないなら、そのプレイヤーはカードを1枚切削する。
MTG屈指の分かりにくいカードである「Chains of Mephistopheles」の大魔術師 // Magus サイクル。
フローチャートは「Ask a Magic Judge (tumblr.com)」から。頑張って効果を理解しよう!
《Oddric, Lunar Marquis》
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伝説のクリーチャー ー 人間・兵士
各戦闘の開始時に、あなたが1体以上のバンドを持つクリーチャーをコントロールしているなら、ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーはバンドを得る。多相、欠色、畏怖、側面攻撃、馬術、嚥下、威嚇、土地渡り、被覆、タントラム、萎縮、「このクリーチャーを生け贄に捧げる:{C}を加える」という起動型能力についても同様である。
マイナーなキーワード能力しか共有しない《月皇の司令官、オドリック》。全部の効果を言えたらマジック博士!僕は言えませんでした。
ちなみにタントラム // tantrum は今回出た他のプレイテストカードの能力。こっそり紛れ込ませるんじゃない。自分のターンに共有しても意味がないのも地味ウケポイント。
《Pinchy McSingbutt》
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クリーチャー ー 蠍
接死
これがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、「千の針の死」「致死の一刺し」「苦しめる一射」という名前のカードのうち1つを無作為に創出し、あなたの手札に加え、それを公開する。(創出されたカードは本物のカードのように扱う。)
戦闘ダメージを与えるたびにランダムなカードを創出する蠍。「創出」はMTGArenaのオリジナルカードに使われるメカニズムで、注釈のとおり本物のカードを生成する。
選ばれるカードがマイナーすぎる。全部知らなかったのだが!というか《苦しめる一射》は緑のカードやないか!
《TL;DR》
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インスタント
キーワード能力以外の能力を持つクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。(飛行、プロテクション、相棒はすべてキーワード能力である。詳細はルール702を参照。上陸や占術は順に能力語・キーワード処理であってキーワード能力ではない。うん、それらに違いはあるんだ。)
複雑なテキストを持つクリーチャーを破壊する単純志向な人向けのカード。
例に挙げられている占術は実は昔キーワード能力だったので皮肉めいて見える。
海外で「TL;DR (Too long, didn't read)」と言えば「長すぎて読めねぇ!」という意味のスラング。《老害な守護者》とは話が合いそうだ。
《The Many Deeds of Belzenlok》
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エンチャント ー 英雄譚
I ー 墓地から英雄譚最大1つを対象とする。それを追放し、それの章I の能力をコピーする。
II ー 墓地から英雄譚最大1つを対象とする。それを追放し、それの章II の能力をコピーする。
III ー 墓地から英雄譚最大1つを対象とする。それを追放し、それの章III の能力をコピーする。
墓地の英雄譚の能力をコピーする英雄譚。君だけの最強のキメラ英雄譚を作り出そう!
《Toofer, Keeper of the Gull Grip》
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伝説のクリーチャー ー 人間・ゲーマー
あなたのコントロールしている呪文があなたにカードアドバンテージを得させるたび、各対戦相手は2点のライフを失う。(あなたのコントロールしている呪文が解決され、解決前と比較して対戦相手よりも相対的に多くのカードを持つなら、あなたはカードアドバンテージを得ている。「予言」「滅殺」「神の怒り」などでカードアドバンテージを得る可能性がある。トークンはカードではありません!)
「アド」を取るたびに相手のライフを削るカード。注釈が不明瞭だが、推測するに1対2交換、とかをするたびに誘発すると思われる。
ちなみにここで言っている「滅殺」はカードであり能力の滅殺 // Annihilatorではない。
《Yawgmoth's Day Planner》
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アーティファクト
{T}、2点のライフを支払う:{B}{B} を加える。
あなたはあなたの墓地から呪文を唱えてもよい。この方法で呪文を唱えるなら、あなたのライフを失わせる能力が生み出したマナしか支払えない。(ダメージはあなたのライフを失わせる。)
カードがいずこかからあなたの墓地に置かれるなら、代わりに追放する。
別の縛りが付いた「ヨーグモスの行動計画」の亜種。そのカードが当初「ヨーグモスの予定帳 // Yawgmoth's Day Planner」と和訳される予定であった、という逸話を元にしたカード。
参考記事 (最後の方):Body Snatchers of the Invasion | MAGIC: THE GATHERING (wizards.com)
《You Compleat Me》
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ソーサリー
あなたのライフが10点より多いなら、10点になる。ゲームの残りの間、あなたのライフの最大値は10である。あなたは、「2点のライフを支払う:望む色のマナ1点を加える」と「あなたのアップキープの開始時に、カード1枚を引き1点のライフを失う」を持つ紋章を得る。
急に綱渡りゲームを始めるソーサリー。
英語で「You complete me // あなたは私を完全にする」と言えば告白のセリフであるが、ここでは「You compleat me // あなたは私を完成化させた」という洒落になっている。
つまりプレイヤーが完成化する呪文ということ。ファイレクシアマナめいたマナ生成能力を得ることができる。
以上!
以上で黒のプレイテストカードの紹介を終えました。他の色のカードについても知りたい方は、マガジンでまとめて読んでみてください。
マガジン:【MTG】ミステリーブースター2の全プレイテスト・カード解説|SnowEsamosc|note
《Indicate》まであと四つか。