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「HIROFUMI CALENDAR」のジャケットアートについて僕が知っている二、三の事柄

こんにちは。遠藤です。

今回は「HIROFUMI CALENDAR」のジャケットアートについて僕が知っている二、三の事柄(by ムーンライダーズ)(知っているのは当たり前、このフレーズを使いたかっただけ。ムーンライダーズファンとして)について語りたいと思います。

今回このジャケットアートを担当していただいたのは、仙台在住の絵描きである「nor.(のあ)」さんです。

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nor.さんのデザインによるグッズなどを販売しているサイト"SUZURI"

今からさかのぼること5年前、2014年の冬、自分のtwitter開設以来ずっとフォロワーでいていただいた、そして、デビュー当時からの貴重な仙台在住のスノモーファンであるのあさんが仙台宮城野の育英学園のすぐ近くのとても雰囲気のある「ギャラリーチフリグリ」でご自身の作品展を開催するということを聞いて観に行ったのが実際の初対面でした。

のあさんはスノモーのCDを用意していて「サインください」ということでジャケットにサインをしましたよ。15年ぶりくらいでしたよその時も(笑)。のあさんの作品はウェブでも何回か拝見していましたが、実際に観ると色使いや構成などとても好きなものばかりで絵葉書を何枚か買って、お土産ののあさんの好きな麻婆豆腐のもとをお渡しして帰ってきました。全てそれらは部屋に飾ってあります。

コラージュと色鮮やかな色彩。黒と鮮やかな色。無機的なものと有機的なものが結びついて一つの作品になっているということが、元来ミニマリストでありテクノポップ好きの僕の触手を動かすことは簡単なことだったのです。以来のあさんの作品は非常に大好きなものなったのです。

そして時は流れて2018年。ソロアルバムの作成をスタートさせてある程度形が見えてきた頃「これはジャケットをぜひのあさんにお願いしよう!」と思い立ち、のあさんにお願いして快諾していただいたのです。本人はとてもびっくりしていましたが、僕はずっと決めていたのです。

今回のソロアルバムを作成するにあたって、僕がずっと思っていたことというか決めていたことは「ソロアルバムの作成は結構個人的なことで詩や曲は絶対的な個人の思いだけしか入らないものだが、それを取り巻くミキシングやジャケットデザイン、アーティスト写真やプロモーション的なことは全て、元来のスノモーファンの方々やシンクシンクの僚友、宮城県や女川町の地元で頑張っている知り合いの方々に絶対協力してもらおう!」ということなのです。今回ソロアルバムを作ってみて、その夢はほとんど叶ってしまいました。ありがたいことです。

ミキシングとマスタリングはシンクシンク時代の僚友というか戦友の杉本健氏、コーラスは同じくシンクシンクの僚友村上ユカちゃん、ジャケットデザイン・アートワークは仙台在住の古くからのスノモーファンであるのあさん、アーティスト写真は僕が子供の頃からお世話になっていた女川の佐々木写真館の佐々木のおんちゃんの娘さんであり今では世界を股にかける写真家の鈴木麻弓さん、アルバムの詳細なレビューはこちらもまた古くからのスノモーファンであるreryoさんとそれぞれの自分の得意とする分野で今現在活躍なさっている人たちをぜひ僕の作品でご紹介したかった、そして、それぞれの方々がそれぞれの様々な地域や場所から日本中そして世界中に自分という存在を発信しているということを自分も含めてご紹介したかったのです。まさにこの方々は、以前僕がツイートした「ネオローカリズム」(東京など大都市部からではなく、地方や個人からの発信が世界中に広く知れ渡っていく)というものを体現している方々なのです。

これからもきっと、この僕が提唱する「ネオローカリズム」と言う概念を僕は体現していくと思います。今回ご協力いただいた方々の心意気に触れながら、もっともっとこの概念を広めていけたらなと思っています。

前置きが長くなりました。それではここでのあさんから「HIROFUMI CALENDAR」のジャケットデザインについてのお話をしていただきましょう。

nor.(のあ)さんの「HIROFUMI CALENDAR」ジャケットデザイン秘話

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"今回のジャケはこの絵(のあさんの元々ある作品)がベースになっています。"

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"この絵は海っぽいので、ここから遠藤さんの地元である女川の海をモチーフにしようと考えました。テトラポットのある浜から見る海と空。
赤灯台と白灯台というものがあることを知り、赤のワンポイントを強調したかったので、遠近感を無視して片方だけ大きくしました。ですので、ジャケの女川は実際の女川であり、パラレルワールドの女川でもあります。"

"コラージュ素材には音楽に関係する言葉や記号を使いました。(右側、鍵盤の上の大きい文字「ecn」は T“ech”no です)
また、「CALENDAR」にちなんで1〜31の数字、季節に関する言葉、時計などを入れました。"

"遠藤さんが「80'S風にしたい」というお話だったので、各所にドットやボーダーをコラージュ。
色は表を青、裏を黄色という80'S鉄板の配色。"

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"「蒼と青」を意識した色空間。エアブラシ風の空は永井博さんへのオマージュです。"

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"歌詞に基づき「花火」や「蜃気楼の街」などを配置。テトラポットにはフジツボみたいなもので描かれたシーパルちゃんもいます。
「蜃気楼の街」は遠藤さんが常々仰っている「ネオローカリズム」の象徴です。
女川湾からまっすぐ進めば、その先にはアメリカ西海岸。(街の斜め下に女川の地図をコラージュしました)
「世界」なんてどこに住んでいたってすぐ近くにある。文化の発進は一部の大都市から、なんて時代じゃない。
女川には女川の、仙台には仙台のコンテンポラリーミュージックやアートがある。いま住んでる場所こそが最先端。
そんな思いを込めました。"

"作りながら、あまり震災は意識していませんでした。切り離せないものではあるけれど⋯。
それは大前提とつつ、もっと普遍的な価値を持つ作品を目指しました。"

"盤面はジャケと同じではもったいないと思い、急遽「朝焼けバージョン」を作りました。
「夕景」が「魔法」なら、朝の景色は「希望」に満ちたものではないかと思います。"

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どうですかこのデザイン。のあさんの語っている通り、まさしく僕が日頃思っていることをイラストレーションのみで全て語り尽くしてしまうという。さすがとしか言いようがありません。僕は実はちょっとしたモチーフなどしかのあさんにお伝えしなかったのですが、完成作品は僕が思っていることを僕が語る以上に作品が語ってくれているものになりました。実際にのあさんから完成したファイルを送っていただいて開いた瞬間に「うひゃあ!やったー!!!」と飛び上がって狂喜したくらいなのですから。

コラージュの黒と鮮やかな青とのコントラスト。赤灯台のアクセント。記号や暗号のように散りばめられたテキスト。無機的なものと有機的なものが一つのイメージの中に溶け込んでいます。女川のようでいて、全く女川ではないどこかの港。まさにこれは僕が思い描いていたジャケットデザインなのです。

のあさんにはこのようなデザインをしていただき非常に感謝しています。本当にありがとうございました。またアルバム2枚目、3枚目と作っていく予定ですので、引き続きジャケットデザインお願いすると思いますので何卒よろしくお願いいたします!(ここでお願いしていいのか?またびっくりされるぞ!?笑)

のあさんの参加するイベント「奇数アトリエ9月」は9/20(金)から仙台アエルで開催中です。のあさんデザインのトートバッグも販売するそうですよ。ぜひ行ってみてください!!!

遠藤裕文

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