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わたしの大切な日々
「歳を重ねると1年があっという間に過ぎていくよね」
会社員時代、この時期になるとよく上司が言っていた言葉をふと思い出した。
その上司曰く、「体感時間は、それまで生きてきた時間に反比例する」のだそう。(調べてみると"ジャネーの法則"というみたいです。)
例えば、40歳の人にとって1年の長さは人生の40分の1だとすると、10歳の人にとっては人生の10分の1。40歳の人にとっての1年間は、10歳の人にとっての4年間にあたるそうです。
ただ、本当にそうでしょうか?
私はいつもこの類の話が苦手です。
だって、私は1年を"短い"と感じたことがないから。
(ちなみに"長い"と感じたこともないです。)
上司が言う"短い"というのはいつと比べての話でしょうか?幼稚園時代?小学校時代?そんな時の感覚って本当に覚えているのでしょうか。
「1年はあっという間に過ぎるもの」
そうやって大人になってから当たり前のように聞く機会が増えたから、そういうもんだと感じているだけではないのでしょうか。
"短い"と感じているなら、本当は昔ように"長い"と感じたいのでしょうか?それとも、ただ会話のきっかけに過ぎず、本当に1年が短く感じたかどうかなどはどうでもいいだけ?(可能性大である✌️)
「いや、私全然短いって感じないんですよ。毎日が本当に充実してて!」って言ったらたぶん引かれるだろうな。
(う〜ん、当時からしっかりこじらせている!!)
理由を考えてみた
もちろん、上司にそんなこと言ったことはないですよ。
当たり障りなく、「そうですよね〜。早いですよね〜!」で終了。
いや、それでいいんです。先にも書いたように、誰も1年が本当に短かったかどうかの話をしたいのではなく、ただの会話のきっかけに過ぎません。
でも、わたしは会社員時代も今も感覚は変わっておらず、やっぱり自分にとって1年は短いものでも長いもなく、「大切な1年」ただそれだけなのです。
(この感覚伝えるの難しい💦)
何気ない上司との会話ですら、「それって本当?」って思って辛くなってしまうので、当時は「そんな深く考えることじゃない!」と自分自身に言い聞かせて考えないようにしていたのですが、改めて考えるとそれってとってももったいなくないですか?
せっかく身体と心で感じたことがあるのに、それをなかったことにしてしまうなんて。今なら心が伝えてくれる感情を見逃さず、尊重してあげることができるような気がしています。
ということで、自分が何でそう感じるのかな〜という理由を思いつくままに書いてみることにしました。(ちょっと長いです✌️)
1.どこかで「月日はあっという間に過ぎるもの」認識しているから
もしかしたら今までの話と矛盾しているじゃん!と思われるかもしれませんが(笑)。きっと心のどこかで「月日はあっという間に過ぎる」と思っているのだと思います。だからこそ、あっという間に過ぎてしまう日々を大切に覚えておきたいと自分に言い聞かせているのかな。
日記を書いたり、毎朝空の写真を撮ったり、移り変わる日々の景色を愛おしいと思えたり。振り返るとわたしが生きてきた日々は確かに存在していて、その日々の中にいた「わたし」がたくさんいると思えるからかもしれません。
2.自分の「快」「不快」の感覚に正直になったから
「人生の全てに意味がある」と言われることもありますが、どうでしょうか。この言葉の真意は人生を終えてみないとわからないと思います。
一つ確かに言えることは、私にとって「辛かった経験はやっぱり辛かった」なのです。「あの時間には意味があった」「良い経験ができた」というのはあくまでその時の自分をどこか正当化したいだけで、出来るなら辛い状況は早く抜け出したほうがいいし、長く辛かった日々を取り戻すには、その日々以上の時間がかかると思っています。(実体験✌️)
以前のわたしは、「辛くても得られるものがあるから頑張る」という思考がどこかにあったのですが、残念ながらその考え方は間違っていたと思います。(あくまでわたしはです!)
「辛いと思うものからは時間がかかっても離れる。自分が不快だと思うのはしっかりと距離を取る」という考え方に徐々にシフトし、身体や心の反応を無視せず、「自分に正直になる」ことでより時間の充実さが得られたかもしせません。
3.規則正しい生活を送れるようになったから
「毎日同じことの繰り返しだから時間が経つのが早い」
おそらく昔の私はそう思っていたかもしれません。だから無理やり刺激的な体験を入れたり、休日は予定をたくさん入れていました。確かに新しい発見もあり、その場では「充実した〜!」と満足していました。
でも今は、毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びて、あったかい白湯を飲んで、お弁当を入れて、仕事をして、お昼寝して(笑)、家族と美味しいものを食べて、好きな本を読んで寝る。
一見単調だと思う日々も、毎日同じことができている自分はとってもすごいなと思うのです。同じだからこそ、小さな変化に気づくこともできます。同じだからこそ、小さな変化を楽しもうと思えます。新しい経験が充実を生むのではなく、今ある日々を丁寧に見つめてみることの大切さに気づいたからかもしれません。
思っていないことに同調するしんどさ
書いてみて改めて思いましたが、そりゃこのボリュームを上司に説明することなんてできないですよね(笑)説明したところできっと伝えたいことの10%も伝わらないと思います。
会社員時代しんどかったこと。
それはちょっとしたコミュニケーションでした。
今回の例もそうだけど、波風たてず、上司には適当な相槌を打って、自分が思ってもいないことを「ちょっとした雑談」という形で言葉にしなければいけない。
でも、本当は思っていないことは言葉にしたくない。
同調もしたくないし、堂々と「私はこう思います!」って言いたい。
いや、言ってもいいのです。でも、言ったあとの自分の心のケアをするほうがよっぽど大変なので、最初から言わないようにしていました。
今振り返ると本当によくないな〜と思うのですが、当時は「組織」というものに自分を過剰適応させようとして、勝手にしんどくなっていたのかもしれません。「組織」は嫌いなのに、そこに合わない人だと判断されたくない。だからどこかで無理をする。同じ気持ちの方、きっとたくさんいますよね…。
ちょっとずつ自分の感覚を取り戻す
以前の記事でも書きましたが、自分が好きだと思っていたものが実はそうでもなかったり、自分が苦手だなと思っていたものは実はちょっと興味があるものだったり。
全てが自分の好きなもので埋め尽くされるというのはとても難しいと思います。生きている以上、やっぱり辛いこともあるし嫌な人と話さないといけないこともある。
でも、出来る限りでいいのです。自分が「いいな」「心地よいな」と思える時間を日常の中で少しずつ増やしていくことで、時間の捉え方は変わってくるのではないかと思います。
「本当に1年はあっという間だよね?」
いつかの上司の言葉を思い出す。
確かにそうかもしれません。でも、そう思わなくてもいいじゃないですか。
上司の感覚もきっと間違ってないし、私の感覚も間違ってない。ただ、それだけでいいと思うのです。
「そうですよね〜!確かに早いと感じることもあります!でもわたしは、二度と来ない今日という日を無駄にしないように、日々を大切に生きています。」
「?」と思われていいじゃない。
うん。自信をもってこう思える日々を、これからも大切に積み重ねていきたいと思います🌷
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!