【映画鑑賞記録】モリコーネ 映画が恋した音楽家
映画鑑賞記録第二弾。
1/29 (日) モリコーネ 映画が恋した音楽家
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ (『ニュー・シネマ・パラダイス』)
「映画音楽」の概念を変えた作曲家、モリコーネ
長年吹奏楽をやってきた経験では、演奏会で"映画音楽”を取り上げる機会は非常に多く、観客の人気が非常に高い。
その中でもよく名前を見るのは、"久石譲"、 "ジョン・ウィリアムズ"、そして、"エンニオ・モリコーネ"。
映画音楽というのは映画の中で使用される音楽ではあるが、
その映画のためだけに作曲され、映画と切り離された場所で聴かれても観客の心を捉えて離さない魅力があるのはこの作曲家たちの作品なのだと思う。
この作品は、アカデミックに音楽を学んできた彼が、編曲家としてヒット曲を量産し、映画作品への楽曲提供を始め、私たちの知る数々の名曲を生み出した軌跡を、本人・関係者のインタビューから紐解くドキュメンタリー。
モリコーネ以前/以後で、映画音楽に対する概念・価値観が大きく変わったことがよくわかる。
・映画の付属品であり映画関係者にとっても価値が低かった"映画音楽"が、時にセリフや映像よりも雄弁に語ってくるような大きな存在感を持つようになったこと。
(それは彼が作品を(時には監督よりも)的確に捉え、各シーンにマッチする音楽を付けたから)
・絶対音楽と映画音楽の融合を目指し、クラシックの手法や引用を効果的に取り入れたことで、"商業音楽"であった映画音楽がクラシックに匹敵する音楽的な価値を持ち、長年反発してきた彼の恩師・同窓の仲間を含むアカデミックな人々を認めさせたこと。
・楽曲単体であっても時代や国を超えて愛され、多くの音楽家に影響を与え続けていること。
(彼がバッハ、ストラヴィンスキーなどのエッセンスを取り入れたように、現代の多くの音楽家が彼の楽曲のエッセンスを取り入れている)
ただ、この映画で一番素晴らしかったのは、やはりモリコーネのメロディとオーケストレーション。とにかく美しいのだ。
数多くの名画のシーンとともに、流れる曲がどれもよくて。多作で多彩で。
専門家が、分析しようとしても結局メロディが美しくてつい聞きほれちゃうんだよね、という話(超意訳)をしているのも頷ける。
この作品、ドキュメンタリー映画ではあるけど、いろんな人に見てほしい。
そして、これも好きだなぁと思った映画も追記。
こちらは、アメリカ映画メイン。