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僕がコンプレックスを煽る理由

人間として生きていく上で避けて通れない黒い感情。劣等感、コンプレックス。人生経験が短い人にも長い人にも少なからずある感情ではないでしょうか。

それなりに「高学歴」、「大手企業勤務」など世間的にはそれなりに「ハイスペック」と呼ばれる筆者。しかしこれまでの筆者の人生はコンプレックスとの戦いだったと言っても過言ではありません。そんな筆者がコンプレックスを煽る理由について綴ります。


1. 変えられないこと・変えられること

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最初に一番大事なことに触れておきます。コンプレックスにも変えられることと変えられないことがあります。

低身長、薄毛、その他身体的外観は基本的に遺伝的要素が大きいことが知られていて、努力で変えることはできません。近年は外科的処置などもありますが、多額の費用がかかったり副作用も大きい等万人が解決出来るものではないでしょう。

また学歴、その他過去の事実についても、如何なる努力を以てしても変えることはできません。ドライな表現をすれば、変えられないコンプレックス・劣等感は悩んでも仕方がないのです。悩む人が多いとされる学歴コンプレックスは典型例ですね。少なくとも社会人になってから卒業した学校を変えることは絶対にできません。

一方で未来のことは努力・行動で変えられるチャンスがあります。筆者の感覚ですが、劣等感・コンプレックスという感情は如何なる努力を以てしても届かない人に抱く羨望ではありません。なぜなら別世界の人間は眼中に入ってこないからです。自分はやればできると思い続けながら何の努力もせず、手が届きそうで届かない人に対して抱く卑屈な羨望だと考えます。

2. コンプレックスを解消する唯一の方法

筆者は幼少期からずっと運動が苦手で、一生懸命やっているのに馬鹿にされる日々。それなりに頑張っていたつもりですが、大人とは違って幼少期は努力で達成可能な到達点が分かりません。だから常にコンプレックスに晒されて生きてきました。

三十数年間生きてきて、数々のコンプレックスを抱き、そのほぼ全てを解消してきました。そして、コンプレックスから解き放たれる2つの瞬間があることに気づきました。①劣等感の原因となる事象を乗り越えた時②自身の最大限度の努力を以てしても実現不可能だと分かった時、の2つです。

裏を返せばコンプレックスを解消するためには、劣等感の原因となる事象解消のために必死に努力/検証すればよいだけなのです。中途半端にやった気分になるのではなく、もうこれ以上無理と自分が感じるところまでやりきることが必要です。

その結果、劣等感を感じていた根本原因がなくなる、如何なる努力を以てしても自身が根本原因を解消することが無理だと悟る、のいずれかの境地に到達します。努力の結果如何に関わらず、ここまでくれば他人に対して劣等感なんて抱きません。自分より優れた人を見ても、素直に心からすごいね、って思って終わりです。努力・行動だけではなく、綿密な検証の結果実現不可能だと悟った場合も同様です。

それでもコンプレックスが世の中に蔓延るのは、自分のリソースが許す限りやりきらずに口だけ動かす方が圧倒的に楽だから。現実には自分と大して変わらない能力に見える人が、自分が手に入れられなかったものを手に入れていることは日常茶飯事。だからこそ自分は本気を出せばもっとやれるんだ、という一生実現しない「本気」の妄想がコンプレックスを掻き立てるのです。

3. 筆者が克服した4つのコンプレックス

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種々のコンプレックスに悩んできた筆者。そんな筆者が克服してきた4つのコンプレックスを紹介します。

3-1. 克服例①:学歴コンプレックス

筆者は日本では所謂最高学府を卒業しています。だから学歴コンプレックスとは無縁だと思われる方もいらっしゃることでしょう。

ある意味では無縁です。なぜなら劣等感の原因となる事象解消のために必死に努力して最高学府卒業の称号を手に入れたからです。必死に努力して手に入れたからこそ無縁なので、ある意味努力の対価を十分に享受しているということになります。

もちろんオチはあって、東大入学後に如何なる努力を以てしても勝てない人たちにたくさん出会うことになりました。どんなに頑張っても背中は遠のく一方。これも精一杯頑張っても勝てない相手だからこそ、純粋にすごいとしか思わなくなりましたね。

ただし社会人の方にとって、学歴は過去の事実。今さら学歴は変えられないので過去のことで悩んでも致し方ありませんこれから頑張って変えられることに目を向けていきましょう。東大卒だって大企業に入れず、低収入で苦しんでいる人もたくさんいるんですから。

3-2. 克服例②:大企業コンプレックス

折角の高学歴を活かせず、途中で投げやりになって妥協して新卒で中小企業に入社した筆者。大手子会社だったので自分よりも学歴の「低い」人が出向者として役職者をしていて、それはもう屈辱的な環境でした。親会社待遇の無能で偉そうな出向者を見るたびに劣等感に苛まれていました。

新卒の時には自分の能力もなく、正しい方向性の努力を途中で投げ出したので致し方ありません。精一杯の努力をしたというところまでやりきっていなかった面もあったからこそ、大企業コンプレックスで苦しみました

劣等感に苦しみながらも、中小企業の中で目の前の仕事は腐らず一生懸命やりました。転職は新卒で上手くいかなかった人の敗者復活戦。置かれた環境で精一杯の努力を積み上げ、入念な調査の甲斐もあって大手企業への転職に成功。もちろん大企業勤務には相応の辛さもあるのですが、大企業コンプレックスから解消されました

3-3. 克服例③:年収コンプレックス

新卒での勤務先は中小企業。一般的に大企業と比較して、中小企業は待遇面で見劣りすることも多いもの。もちろん中小企業特有のメリットを心の奥底から納得して入社されている方なら、少々待遇が劣っていてもそれほど気にならないでしょう。

しかし筆者の中小企業勤務は妥協の産物。大企業コンプレックスと同時に収入コンプレックスにも悩んできました。結局これも様々な努力と検証で、転職を始めとした4つの方法で解消することに成功。

筆者は大手企業とはいえメーカー勤務。大手商社、大手IT企業、大手金融機関と比較すると収入面では見劣りします。しかしこれらの企業群への適性の無さも感じていましたし、新卒採用の時にバケモノをたくさん見てきたので、どんなに努力しても手が届く気がしません。また他にも多面的な検証の結果、現在はメーカー勤務でも心の底から納得して前向きに働いています。

自分は十分本気を出してきたという自負があったので、一生実現しない「本気」の妄想もなくなってコンプレックスから解放されました。

3-4. 克服例④:非モテコンプレックス

社会人になるまで彼女がいたこともなく、異性経験もないことに劣等感を感じてきた筆者。学生時代にも当時自分なりの努力はしてきたつもりでしたが臆病で行動量が足りなかったのも事実。だからこそ街中でみかけるカップルを見るたびに劣等感に苛まれてきました。

別世界であれば眼中に入らないのでコンプレックスを感じません。しかし恋愛・結婚は経験しない人の方が少ない経験。この冷酷な事実が筆者の劣等感を抉り続けてきました

結局黎明期であったマッチングアプリで大量の失敗経験を積み上げ、試行錯誤の末異性経験を磨き、結婚までたどり着くことが出来ました。正直言ってここまでやって結婚できなければ、生涯独身でも仕方ないというくらいやりきった自負があります

劣等感で苦しみたくなければ、劣等感の原因となる事象を乗り越えるか、自身の最大限度の努力を以てしても実現不可能だとわかるまで行動するしかないのです。

4. 筆者がコンプレックスを煽る理由

ここまでくれば筆者がコンプレックスを煽る理由もお分かり頂けたと思います。自身が可能な限りの努力もしていないのに、思い通りにいかないことに不満を持ち燻っているダサい人が一人でも減ってほしいからです。

能力があるのに燻っている人は勿体ないです。能力がある人はしっかり付加価値を出していただかないと日本国家は生き残れません。能力ある人は付加価値を出して頂き、その対価がしっかりもらえる環境に身を置くべきなのです。

コンプレックスがあること自体は悪いことではありません。コンプレックスは努力の源泉にもなりえます。生かすも殺すも捉え方次第。努力を放棄して悩むコンプレックスから解放される人が1人でも増えることを願ってやみません。


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