【市町村地図付き】僻地・田舎・地方都市・都会とは
「僻地出身だから…」、「田舎出身だから…」、「地方は何もなくてね…」。よく聞く言い回しですが、自分ができない・しない言い訳に使う文脈として使われることが多いのも事実です。またこれらの概念は明確な定義がなく、各々が都合の良い文脈で都合の良い使い方をしているのが実情です。
そこで客観的根拠をもとに、皆様の実感に比較的近い定義をしました。僻地・田舎・地方都市(≒地方)、都会がMECE(もれなくダブりない)概念であることを前提とします。
以下説明書きを長々としていますが、5項・有料部で市町村マップを掲載しております。もちろん逐一調べればわかりますが、サクッと見たい方のために筆者が膨大な手間をかけました。一部市町村はネット検索では見つけられない、かなりアナログなデータまで追わないと見つけられない情報です。興味のある方にとっては、サクッと好奇心を満たせる内容となっております。
なお筆者は「地方都市」出身。子会社の中小メーカーの「田舎」から大手メーカーの「僻地」を経て、現在は超大手メーカーで都会勤務しております。大手メーカーの地方都市・田舎・僻地拠点は、生き方がマッチすれば非常に良い環境です。
1. 僻地の定義
本記事では下記要件を満たす地域を「僻地」と定義しました。ただし後述の都会、地方都市などに該当する市町村は僻地に含めないものとします。
・国家公務員・地方公務員に対して「特地勤務手当」が支給される地域
・小中学校にかかわる職員に対して「へき地手当」が支給される地域
・上記2要件について、特地1級~6級を対象として、準じる地域や特別地を含まない。
2020年現在で498市町村あります。2015年現在では全国1718市町村存在するため、29%の市町村は僻地ということになります。面積比率では50%、人口比率では10%を占めます。僻地とは言いますが、日本全体でみれば思ったより身近な存在にも感じます。僻地の定義はこちらの記事でも言及しています。
2. 大都会・都会の定義
都会というのもまたあいまいな言葉です。国勢調査によると、都市圏は中心市と周辺の地域から構成されます。しかし都市圏がすべて都会というのは一般的感覚からは乖離する傾向があるのも事実です。
実際に三大都市圏に加えて、広島大都市圏、熊本大都市圏、鹿児島都市圏という定義が存在します。しかし都市圏の中では最も小規模である鹿児島都市圏を都会と認める人は11%しか存在しません。鹿児島都市圏の中心市である鹿児島市(人口60万人)は3大都市圏の周辺都市よりもはるかに栄えているにもかかわらずです。
そこで本記事では、以下のように定義することとします。
・大都会→3大都市圏の中心市(東京23区、横浜、川崎、千葉、さいたま、相模原、名古屋、京都、大阪、神戸、堺)
・都会→3大都市圏の周辺市+大都市圏中心市(北九州、福岡、札幌、仙台、広島、静岡、浜松、新潟、岡山、熊本)
それぞれの都市圏については2015年国勢調査で明記された市町村とします。
本定義によると、大都会は面積比率で1%、人口比率で13%しかいない選ばれし精鋭です。一方で大都会を含めた都会では、面積比率10%、人口比率51%となります。日本国民の過半数が都会暮らしと考えると、大都会以外での都会暮らし自体には優越感を感じるほどの希少価値はないということになりますね。
3. 地方都市の定義
都会とは言えないけれど、田舎・僻地とも言えない地域もたくさん存在します。そこで、3大都市圏を除く大都市圏の周辺都市、都市圏中心市に加え、都会ではない中核市を地方都市と定義しました。俗にいう「地方」は地方都市と同義とお考え下さい。
なおここでの中核市とは、2020年国勢調査時点での中核市指定都市を指します。本記事では2021年4月に指定された愛知県一宮市、長野県松本市は中核市とは扱いません。
地方都市は面積比率で19%、人口比率で17%を占めます。確かに都会勤務の人より少数派なので、地方在住をできない・しない理由とするのも一定の合理性があるとも言えるでしょう。
4. 田舎の定義
実は田舎を明確に定義するのは困難です。僻地、都会、地方都市は根拠とする国や地方自治体の明確な指針が存在しますが、田舎という言葉は非常にあいまいなためです。本記事では、都会、地方都市、田舎、僻地という4つの概念がMECE(もれなくダブりない)であるという前提のもと、都会・地方都市・僻地のいずれにも該当しない市町村を田舎と定義しました。
田舎に該当するのは、面積比率で23%、人口比率で20%。面積比率と人口比率が拮抗しているという点では、地方都市と田舎は比較的近い属性なのかもしれません。
5.都会・地方都市・田舎・僻地マップ
言葉でたくさん説明しましたが、結局自分の住んでいるところはどこになるのか?というのも気になることでしょう。「都会」在住ならそうでない人に対して都会マウンティングできますし、「僻地」在住なら自分が恵まれないのも致し方ないと言い訳の材料にできるからです。
国家組織である人事院規則、都道府県の例規集・条例をくまなく探せば対象市町村はわかりますが、せっかくなので一目でわかるように地図を描いてみました。調査・地図作成に50時間くらいかかっていることもあり、無断流用防止のためここから先の画像は有料とさせてください。離島の多い沖縄県を除き、2015年現在の全市町村が明確にわかる地図を掲載しております。皆様のイメージを実感しやすいよう、人口密度分布も重ね合わせて地図作成しております。
5-1. 北海道拡大図(サンプル)
※2023年8月20日に販売カウンターリセットしました。
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