【Podcast】ep.13「重低音ロックなクラシック?!熱く激しく濃厚なブラームスを聴いてみる夜」(※2/1テキスト版追記)
前回に引き続き、寒さを吹き飛ばすべく熱い音楽を聴く回になりました。
今宵は重低音の効いたロックを感じる、激しく濃厚なブラームスの曲をご紹介します。
音量と胸焼けにご注意ください…💧
(曲をフルで聴くにはSpotifyプレミアムにログインが必要です🙇♀️)
🔥🔥🔥
先月分までのプレイリストはこちら💁♀️
🗒️テキスト版(2/1更新)
◆midnight reflection ep.13
こんばんは。
木曜深夜、いかがお過ごしでしょうか。
おやすみ前のひととき、心おだやかに眠りにつけるような優しく美しい音楽を私目線で選曲し、お届けいたしますmidnight reflection。ナビゲーターは私、Chieがお送りいたします。
改めまして、こんばんは。Chieです。
オープニングで「心おだやかに眠りにつけるような…」と言っておきながら、今週も先週に引き続き、少し熱い楽曲をお届けしようと思いますので、聴くのは寝る直前じゃない方がいいかもしれません。また、音量には少し気をつけてくださいね。笑
前回はロックなカバー曲をお届けしましたが、今回はロックを感じる熱く激しいブラームスの曲をご紹介したいと思います。
ベートーヴェンはロックだ、と言われるのを聞いたことはありませんか?私も確かにベートーヴェンの曲にロックを感じることはあります。皆様も良くご存じの交響曲第5番「運命」もそうですが、ピアノ曲でもソナタ「月光」の第3楽章や、ソナタ「熱情」なども私はかなりロックだなぁと感じていて、10代の頃はそういう曲ばかり弾きたがっていました。
ですが、大学生の頃にブラームスの室内楽を知ってから、こっちはさらに私好みの重低音ロックだ!と感じる楽曲に出会いました。加えて、私はブラームスと誕生日が1日違いととても近かったり、報われない恋愛体質なエピソードにも並々ならぬシンパシーを感じてしまい、以来とても興味をそそられています。
ではどのような感じか、まずは1曲お聴きいただけたらと思います。
ヨハネス・ブラームス作曲 ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 Op.101より第1楽章
♪曲①Johannes Brahms/「Piano Trio NO.3 in C Minor, Op.101: Allegro energico」(7'28")
Leonidas Kavakos(Vn), YoYo-Ma(Vc),Emanuel Ax(P)
ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス、チェロ:ヨーヨー・マ、ピアノ:エマニュエル・アックスで、ブラームスのピアノトリオ3番の第1楽章をお送りしました。
いかがでしょうか?冒頭からかなりガツンと来ますよね?
ブラームスの楽曲に低音が効いているのが多いのは、ひょっとしたらお父様がコントラバス奏者だったからではないかな?と想像しています。
私が最初にこの曲に出会ったのは、大学2年生くらいの時に先生方のリサイタルでピアノパートの譜めくりを頼まれた時でした。おそらく本番直前のリハの時だったと思うのですが、当時全く予備知識の無い状態で聴いたこの曲に度肝を抜かれたのを覚えています。「こんなかっこいいクラシックの曲があるんだ!」と、ものすごくテンションが上がって、この曲はまた何度でも聴きたいと思いました。その後、私もブラームスのチェロソナタ1番を弾かせてもらえることになった時、ものすごく嬉しくてとても熱心に練習しました。好きな曲だと熱の入り方が違うものですね。笑 もし興味を持たれたら、ぜひチェロソナタの方も聴いてみてください。
続いてご紹介するのは、バイオリンの楽曲です。F.A.E.ソナタというタイトルがついているのですが、この曲はちょっとおもしろくて、ロベルト・シューマンが友人のアルベルト・ディートリヒ、そしてブラームスと一緒に作曲したバイオリンソナタで、1853年にバイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムという共通の友人のために書かれたものになっています。
現在はなぜかブラームスの書いた、これからお聴きいただく第3楽章 スケルツォのみがよく演奏されていて、全楽章が演奏されることは稀なようです。実際このスケルツォはコンサートのアンコールでよく弾かれているような気がします。
そしてこのF.A.E.というのは前出のヨアヒムのモットーであった「自由だが孤独に」という意味のドイツ語 "Frei aber einsam"(読み方:フレイ・アバ・アインザム…とドイツ語の発音はわからないのですが、そんな感じの読み方でしょうか?)その頭文字を取ってF.A.E.となっています。
またF、A、Eはドレミでいうとファ、ラ、ミとなりますが、このファとラとミの音列を使ったモチーフもこの曲の鍵となっているようです。
こうした隠れメッセージみたいのが曲に込められているのを知るのも少しワクワクします。
かっこよくて、まさにライブ映えする曲だと思いますので、ぜひお聴きください。
バイオリン:アイザック・スターン、ピアノ:アレクサンダー・ザーキンでブラームス作曲 F.A.E.ソナタよりスケルツォ。
♪曲②Johannes Brahms「F-A-E Sonata: III. Scherzo(Op.Posth.)」(5'27")
Issac Stern(Vn), Alexander Zakin(P)
今日はここまでかなり重ためのボリューミーな楽曲ばかりになっていますが、大丈夫でしょうか?胸焼けされてませんでしょうか?
最後にもう1曲だけご紹介させてください。
ブラームスのピアノ協奏曲は1番が演奏される機会が多い気がするのですが、私個人的には2番が好きで、中でも第2楽章にロックを感じています。「ピアノ協奏曲って3楽章からなっていて、中間の2楽章はゆったりとしたテンポのものが多いんじゃないの?」…というイメージがあるかと思いますが、このブラームスのピアノ協奏曲第2番は交響曲のように4楽章からなっていて、第1楽章も第2楽章もアレグロです。でも、第2楽章はアレグロ・アパッショナート。
アパッショナートといえば、今期TBSの日曜劇場でやっている『さよならマエストロ』はそのあと続くタイトルに「父と私のアパッシオナート」とありますが、まさにそのアパッショナート、情熱的!なのです。
演奏時間が約8分半ありますが、ドラマチックな場面展開が感じられる曲になっていますので、シンフォニック・ロック、プログレッシブ・ロックを聴くような感覚で聴いていただけると割とイケるんじゃないかと思います。
では、ピアノ:ルドルフ・ゼルキン、指揮:ジョージ・セル、クリーブランドオーケストラの演奏でブラームス ピアノ協奏曲第2番より第2楽章。
♪曲③Johannes Brahms「Piano Concerto No.2 in B-Flat Major, Op.83: II. Allegro appassionato」(8'36")
Rudolf Serkin(P), George Szell, Cleveland Orchestra
今晩のmidnight reflection、いかがでしたでしょうか。今宵も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
番組でご紹介した楽曲をmidnight reflection playlistとして公開しています。また前週分の内容をテキストにしたものをnoteに公開していますので、よかったら併せてお楽しみください。リンクは番組トップの概要欄に掲載しています。
それではこの辺でそろそろおやすみの準備に入っていきたいと思います。
皆様とはまた来週。お相手は私Chieでした。素敵な夜をお過ごしください。