フリーランス・ハイからの独立ブルーを終えて
危うく3日坊主になるところだった。
独立しての心の流れを記録しておこうと思い立ち、日記を始めたはずが、3本更新してしばらく書く気が失せていた。
原因ははっきりしている。フリーランス・ハイからの独立ブルーに陥ったのだ。
2月1日に会社を辞めてから、書きたいことが次々にあふれて止まらない現象が起きた。バイトしながらやりたいこと(=フリーライター)をやる自分、にうっとりしていたのもある。その高揚感を3本ほど書き残して数日後。
私は部屋で布団にくるまって動けなくなっていた。動けないというのは大げさかもしれない。寒いし布団から出たくないもう何もやりたくない、なんで意識高く独立なんてしちゃったんだろう。そういう考えで頭がいっぱいになっていた。
その間、To Doリストのタスクは1つも消化できていない。ポートフォリオも作れていない。気になる媒体のライター募集に応募もできていない……。「ない」で埋め尽くされながら、私は自分の致命的な「欠陥」のことを今さら思い出していた。
やるべきことが 家で まったく 手につかないのだ
思えば、中学生の頃から家で勉強をしたことはない。塾の自習室か図書館でないと絶対にできなかった。高校受験、大学受験のときはもちろん、大学生の課題にもなかなか手を着けられず困り果てていた記憶がある。
始めさえすれば、必ず終わるのに。「〇時からこれをやる」と決めても、家にいる限り私がその予定通りに始められることはまずない。それで単位を落としたことだってある。
あの悪癖は、就職して週40時間以上を拘束されるようになってからはすっかり影を潜めていた。コロナ禍でリモートワークになってからはややペースが落ちることもあったが、その日に絶対やらなければできない業務はできていたし、もちろん締め切りに間に合わなかったこともない。
それなのに、退職したとたんこれだ!
私、フリーライター向いてない?
ふと思った。
「〇時に〇〇をやる」と決めた自分との約束を破り続けてきて、完全に自分が信じられなくなっていた。でも、家で作業できないからフリーを諦めて就職するとか、あまりにもアホすぎる。もともとはあんなにやりたかった独立が、こんなことで頓挫するのはいやすぎる……。
うつろな目で転職サイトを眺めていたブラウザを閉じ、新しいタブを開いて、都内で少しでも安いコワーキングスペースを探すことにした。
私の欠陥ははっきりしている。拘束力がないと、やるべきことができないのだ。だったら家を出て「やる場所」を決めればいい。時間割を決めて「やる時間」も固定すればいい。
どこも入会金が1万円を超えるところばっかりで、背に腹は代えられないか……と唸っていたとき、そのアプリに出会った。その名も「ワークスルー(WORK THRU)」である。
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