Vektronで電車輪行するときの悩みと解決
Vektronの特徴は折りたたむことができるeバイクであることだ。室内で保管しやすい、車に積んで輸送できる、といった使いみちもあるが、折りたためる利点を最も活かせるのは電車などの公共交通機関を利用した輪行だろう。
公共交通機関による移動を絡めることができれば、普段とは異なる場所でツーリングを楽しむことができるし、帰り道のためのバッテリー残量を心配せずにより遠くまで足を運ぶことが可能になるため、行動範囲を飛躍的に拡げることができる。
しかしVektronは本体の重量が20kg近くあるため、普通のフォールディングバイクのようにたたんだ状態で担いで移動するのは難しい。代わりに「折りたたんだ状態でタイヤを転がして移動できる」機能が備わっているので、輪行する際にはこの機能を積極的に使っていきたいところだ。
だが実際に試してみると、課題がいくつかあることに気づくだろう。最大の問題は折りたたみ状態を維持するマグネットがとても外れやすいことだ。
転がし移動の前提条件は車体が折りたたまれた状態が維持され、移動の最中に勝手に変形しないことだが、それは前輪近くと後輪近くに付属しているマグネット同士がくっつくことによって実現されている。
しかしこのマグネットによる固定はいささか心もとない。衝撃に弱いため、少しでも地面に凸凹や段差があると、それを通過する際に簡単に外れてしまうのだ。
駅のホームなどには誘導ブロックなどいたるところに段差があるため、この問題を解決しない限りVektronでの電車輪行は難しくなってしまう。
この問題はゴム紐で下の写真のようなループを作り、マグネット付近のフロントフォークとシートステーを巻いて固定することで解決できる。
材料は3mmの丸ゴム紐とNIFCO等が販売しているコードロック。自分の場合は東急ハンズで購入した。丸ゴム紐の長さは40cm程度。紐の両端をコードロックに通してから先端を結んで、コードロックから抜けないようにしている。
仕組みや使い方はトレッキングポールをバックパックに固定するためのゴム紐ループと同じで、コードロックがない側のループの端を、コードロックに引っかけることによって留める。
ゴムの張力やループの長さはコードロックの位置によって調整可能。安価で信頼性の高い仕組みだ。Vektronで輪行を楽しみたい方は試してみてほしい。