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年末年始タイ旅行四日目 12月30日(月)ランダム歩きの日
起床。昨日決めた通り、タイ式お粥のジョークを食べにいく。
ホテルの周りには見つけられなくて、少し離れたエリアまで足を伸ばすことにした。まずは馴染み始めたスクンビットラインに。バンコクの山手線と勝手に呼んでいた。地図上の表示も黄緑色だし。
サイアム駅で降りて南へ。
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15分くらい歩く。駅を離れると歩いている人が少ないのでちょっと緊張感があった。
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ジョーク・サムヤーン。けっこう混み合っていたけど、すぐ入店できた。
50バーツ前後の、色々入ってそうなやつにした。ピータン入りも気になったけど味に影響しそうなのでまずはノーマルで。
飲み物のメニューを指さされて、注文必須か?と思って、目についたRoselle waterなるものを注文した。そのあと周囲を見たら誰も頼んでいなかったので別に必須じゃないようだ。
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ジョークは想像していた通り優しい味付けだったけど、刻み生姜の味と食感のパンチが効いている。まだ数食だけど、やっぱりタイ料理は食べている間に飽きが来ないのがすごく特徴的なんじゃないかと思う。具も、つくねのような肉団子のほかにスライスしたレバーっぽいものが入っていて楽しい。量は見ての通り小ぶりで、もう一杯食べられそうだった。
腹ごなしも兼ねて、目的地までのんびり歩くことにする。
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SilentLogによると40分くらい歩いていたらしい。
13時ごろ、今日のメイン目的地、Warehouse30に到着した。
古い倉庫を改修した複合施設でカフェ、ギャラリー、アパレルやセレクトショップ、アンティークショップが集まっている。こんなのもちろん好きだ。
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バンコクではクラフトビールと並んでコーヒー文化が熱いと聞いて行きたかった店の一つがa Coffee Roaster by li-bra-ry。
名前の通りここで焙煎している。週に一度焙煎を見学することもできるらしい。
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シェイカーで作ってくれたのがかなりうれしい。心に残ったのでnoteのアイコンに使わせていただいた。
奥は30_6というセレクトショップになっている。タイのブランドを集めていると耳にしていたので、ここもぜひ来たいと思っていた。
バンコクの若者が着る服、なんじゃないかと思うけど形や柄、色が尖りすぎてて自分じゃ着こなせねえ。カラフルな総柄が好きな人には結構おすすめできる。
散々うろついた末、蛍光イエローの発色がパキッとした柔らかい布のバッグと、旅行で身の回り品を入れるのに最適のショルダーバッグを買った。いずれも400バーツ前後。こいつまた鞄を買っています。しかし特に後者は、帰国後、ほとんど外出のたびに使っているので本当にいい買い物だったと胸をはれる。コンパクトだけど留め具を外すと倍の大きさになるのがガジェット好きのツボを刺激する。
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ウェアハウス内のギャラリーは年末年始で閉館していたけれど、アパレルやアンティーク店を覗いて満足した。Googleマップを見て次にどこへ行こうか考える。
近隣にアート施設があるみたいだったのでちょっと歩いてみることにした。途中、おしゃれな服屋がいくつかあったので覗いてみる。この辺りで見かける服は日本でも同じ値段くらいつきそうと感じる価格帯だった。
リバーシティバンコクに着く。
入ってみるとあまりぴんとこない。旅先でたまに見かける寂れた百貨店の良さはあるけど。
クルーズ船が出ているらしくて、それに乗ってみるか迷いながら1階の美術館併設的なショップを覗いてみた。
そこで、古い家々をかたどったマグネットに出会う。
一軒一軒が可愛らしく、瀟洒なデザインだ。ふうん、Song Watというエリアにあるのか、と調べてみるとここからそれほど遠くない。次の目的地が決まった。
リバーシティバンコクを離れてしばらく歩いていると、観光客が急に溢れてて驚いた。ヨーロッパからかな?と思われた。自転車に乗っている人も少なくない。そういえば現地ツアーを調べていた時バンコクの路地裏をサイクリングしよう、みたいなツアーをいくつか見た記憶がある。ここのことだったのか?
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細い路地や古い家、可愛らしい街並みを歩いたけど何故かあまり写真を撮っていない。
こんな感じです。
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呆然と歩いているうちに、視界がじわじわと赤と金の装飾に占められていく。
あ、これ、中華街に差し掛かっている?
調べるとその通りで、気づけばヤワラートという一画に入っていた。
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屋台がいくつか並んでいるエリアに差し掛かった。
その中に、柘榴ジュースが売られていることに気づく。Kさんからバンコクの話を聞くたびに飲んでみたいと思っていたもの。Kさん曰く、疲れているときに飲むとすごく甘くて美味しいらしい。まだ早い時間ではあったけれど、この日はあてもなく歩いていたのでそこそこ疲れていた。
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あまい! 甘さが濃い。そして、滋味深さが全身にしみていく。痛飲したあとのしょっぱいラーメンみたいな効き方だった。
ヤワラートは刺激的だった。人波に押されるままに歩いたのでここでもほとんど写真を撮れていない。
乾物、茶、なまこ、スパイス、鮮魚、漬物……?
右を見ても左を見ても食材が迫り来る。色々なにおいと情報が脳内に溢れて、チャトチャックとはまた違う活気を感じる。
東南アジアの市場というものを文章で読んだことは数知れないしイメージも自分の中にはあるけれど、そういう型に嵌めるのでは理解しきれないものなんだなと改めて思った。
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通り一本抜けて市場が途切れた。情報量から解放されてクラクラッとしたあと、ふと思い出して昨日買ったヤードムを吸った。途端に意識が冴え渡る。旅におすすめです。
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ヤワラートの雰囲気は堪能した。夕方にはマッサージをKさんが予約してくれているので、その駅に行くつもりだ。
時刻は15時半、まだわりと余裕がある。
ヤワラートからブルーラインの駅が近かったのでその沿線で行きたい場所を探す(沿線内でランダムに歩く時は「バンコクメトロ」というアプリがすごくシンプルで良かった。バンコクはこれまで行った都市の中でもひときわ多く交通系アプリが提供されていて自分好みのものを探すのが楽しそうだ)。
あ! と思い出した。ルンピニー公園に行こう。
バンコクで必ず見たいと思っているもののひとつが、ミズオオトカゲだった。Kさんはルンピニー公園で見かけたと聞いていたので、旅の間に一度行ってみるつもりだった。
MRTのルンピニー駅で降りる。着いた瞬間、結構広大だぞ……と恐れをなした。今調べたら東京ドーム1個分らしい。地図で見ると池が複数あって、とりあえず一番近い池を目指して、強い日差しの中、緑の公園を歩いた。
すぐに池が見えてきて、同時に、水辺に向かって熱心に撮影している人たちが目に入る。
もしかして……
いた!!!!!
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水面から長い首を突き出して、ゆっくりと辺りを見渡す姿に、オオトカゲの英語名を思い出した。monitor、まさに監視するような、凝視する目。
バリの動物園でコモドオオトカゲを見た時は、動物番組で見た通りの悠々と寝そべる姿に惚れ惚れとしたけれど、ルンピニー公園のミズオオトカゲは雰囲気が一味違う。自由に泳ぎながらも思慮深く観察を欠かさない。優雅だけど緊張感がある。でかい鳥みたい。でも長い尻尾をくねらせて泳ぐ姿はほぼワニだった。
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池に沿って歩いていくと数頭出会えた。思ったより近い。触ろうとすれば余裕で手が届く距離だ。大体が水中から現れてゆったりと泳ぎ、岸のそばまで近づいてくるが上陸するのではなくて物言いたげに人間たちを見ている。時々舌をべろりと出して鞭のようにしならせる。ちょっとドジョウを思い出すような色と質感だ。くちびるは意外にも薄ピンク色で可愛げがある。舌がピンクの個体もいた。
やがて、一頭が上陸するところに遭遇した。追いかけると、鳩を蹴散らしながら(というほど勢いはないけれど鳥はかなり焦ったように逃げていった。オオトカゲは鳥も食べるらしいので逃げるわな)歩く。右腕左脚、左腕右脚と交互に動かす歩き方が、やはりワニを思わせた。オオトカゲはそのまま真っ直ぐに進み、日の射す中華風のあずまやに直行した。自分をはじめ、数人が遠巻きに眺め、レンズを向ける。オオトカゲはその中でけっこういい感じにポーズを決めた後、最終的にはまた池に戻っていった。何しに上陸したんだろう。ランウェイ。
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目標が達成されて満足したのでルンピニー公園を離れ、エムスフィアというショッピングビルに寄った。Mediumsという画材屋さんで旅行用のポータブル水彩絵具を買う。バンコクに来ると決まった直後から目をつけていた品だ。ほとんどスマホと変わらないサイズで軽くてかっこいい。なんか絵を描いたりとか旅先でできる人間になりたい……という曖昧な目標がある。まだ一度も開けてないけどこれは未来への投資なので無駄遣いではない。
マッサージ店最寄りの駅で無事にKさんと合流した。
少し店で待った後に、案内される。年配の女性が担当だ。
細長い流しのようなところ(小学校の運動場横にこういうスペースがあった気がする)で足を洗ってもらった。タイの人にとって足は不浄と聞いた後なので少し申し訳なく恐縮してしまうほど、丁寧に足を拭われた。ゆったりとした椅子に座らされてフットマッサージ。
「硬い」と時々日本語で言われていた(と思う)。施術の後、顔にかけられていたタオルを外されて目が合うと「サワディーカ〜」と優しく言われた(と思う)。そのほかポジティブなhumやゴニョゴニョで会話未満の交流をするような場面もあり、言語を超越してなんというかスウィートな経験だった。
直後、背中と肩のマッサージでスウィートな気持ちが瞬時に吹っ飛んだ。マッサージ用の椅子に抱きつくような向きで腰掛けたのち、両腕を後ろにぐいと引かれて、ほぼサモトラケのニケ。痛くはないけど自分が知らない種類の痛みってだけじゃないかって気もする。
魔法のように身体が軽くなったのでまた明日からいくらでも歩けそうだった。
最寄りに戻って昨日とは別のイサーン料理屋さん。いつも駅からの帰り道に通っていたけど、けっこう賑わっていたのでここ数日気になっていた。
カオニャオがビニール袋に入って供される。あの可愛らしいカゴのような入れ物にロマンを感じていたこともあり、いきなり散文的な姿で現れて笑った。でも味は変わらず美味しい。
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この日はかなりランダムに歩いた一日だった。
こういう日があると街のつくりが少しずつ把握できて面白い。ただこの時点ではスクンビットラインでの移動が多かったので南北の移動が主だった。明日からはもう少し東西に動いてみたい。
この頃、韓国機墜落や日本のかたがパタヤで刺されて亡くなったというニュース、カオサンでの火事を受けて、家族や友人から連絡が入っていた。一応、非常階段を確認して眠った。